海は広いとは言え、そこにはもはや無視できないほどのプラスチックゴミが漂っている。
この腐らないプラスチックのゴミが、海洋生物や鳥類を傷つけたり、動けなくして死なせてしまったりしている。あるいは誤って食べて死ぬ場合もある。しかし、そのことはあまり知られていないのではないだろうか。そこで、そのような問題を知る機会を作れそうなスニーカーが登場した。
スニーカー?そう、有名なadidasのスニーカーだ。見た目も爽やかなデザインでかっこいい。しかし、このスニーカー。実は海に漂うゴミで作られたのだ。
海のゴミを再利用したスニーカー
海のゴミからスニーカーを作るプロジェクトは6月30日に発表されたもので、adidasと米環境保護団体Parley for the Oceansが2013年から計画を進めてきたプロジェクトだ。海に漂うプラスティック製のゴミや漁網を再利用してスニーカーを作るというプロジェクトだ。
できあがったスニーカーは、爽やかなデザインとなっている。
|
|
だが、その繊維や糸は、深海用の刺網を解いて再利用しているという。また、特徴的な爽やかなミントグリーンの縞模様は、なんとトロール漁船が捨てた網をほぼそのまま利用しているのだ。
しかもこの網を回収したのは、あの有名なエコテロリストとも呼ばれる非営利環境団体の『シー・シェパード』だった。
彼らは西アフリカ沖で110日間かけて密漁船を監視しながら大量の漁網を回収していたのだ。
優れたデザインに込められたメッセージ性
そして海のゴミを再利用して作られたスニーカーは、美しい海をイメージさせるが故に、かえって海のゴミ問題を想起させる効果があるかもしれない。
つまり、このスニーカー自体が環境汚染へのメッセージ性を帯びているのだ。ただ、まだこのスニーカーはコンセプト段階であるため、商品としては販売されていない。
|
|
しかしアディダスは今後も環境保護活動に貢献したいとしているため、このスニーカーの商品化も進めているだろう。年内、あるいは来年にでも、このスニーカーについての続報があるかもしれない。
メッセージ性も高いが、デザインも洗練されているので、再び話題になることだろう。