【小町の法律相談】 同居嫁のトラブル「義姉から実家の土地・建物を要求された!」

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2015年09月11日 06:01  弁護士ドットコム

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(この質問は、「Yomiuri Online」の人気企画「発言小町」に寄せられた投稿をもとに、大手小町編集部が再構成したものです)


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リフォーム代の負担だけで義実家にずっと住み続ける代わりに、介護はしてあげるーー。そんな覚悟をして義両親との同居に応じた女性から、「両親が死んだら、土地、建物を売って、分けてもらう」と義姉に言われたとの相談が寄せられました。増田勝洋弁護士に聞きました。


Q. 「義姉が財産分与を主張、義父母の死後も実家に住み続けられる?」


夫の実家をリフォームして、義父母と同居することになりました。


リフォーム費用はすべて私たち夫婦が負担し、この先、義父母に介護が必要になった時には私たちが面倒を見ていくつもりです。


ところが、義理の姉が「両親が死んだら、実家の土地・建物を売って遺産として分けてもらう」と言い出したのです。


私たちはずっと実家で暮らしていくつもりだったから、リフォーム代のローンを組むのに。


友達から「義父さんに遺言書を書いてもらったら?」とアドバイスをもらいましたが、義父はそんなことをしてくれるような人ではありません。


義父母の死後、実家を売るのを回避する方法はありますか?


(この質問は、発言小町に寄せられた投稿をもとに、大手小町編集部が再構成したものです。トピ「旦那の実家をリフォームして同居することになりました」はこちら http://komachi.yomiuri.co.jp/t/2015/0805/724249.htm)


A. 「持分割合を夫名義に移すように努力してみましょう」


遺言がないまま親が亡くなった場合、親名義の不動産や現金、預貯金等のプラスの財産はもちろん、借金等のマイナスの財産も、基本的には法定相続分に応じて相続されることになります。


ご両親と同居している土地・建物について、たとえリフォーム費用を負担していても例外には当たりません。


ただし、相続は上記のとおり財産すべてについて行われますから、他の財産があれば、それを他の相続人に譲る代わりに居住不動産はこちらが譲り受けるなどの協議が可能です。


仮にそのような財産がほかにない場合、不動産を売却するのを回避するためには、義姉に対し、法定相続分にあたる割合の代償金を支払わなければなりません。


代償金の支払いをなくすためには、リフォーム代金について銀行でローンを組む際に、居住不動産の名義を義父から夫にしてもらうべきです。


実際、銀行でローン組むためには、何割かの持分を夫名義にすることが条件となる場合が多いでしょうから、たとえ遺言を作成してくれるような義父でなくても、銀行や司法書士のような第三者からアドバイスしてもらうことにより、持分全部の名義は無理でも、できるだけ多くの持分割合を夫名義に移すように努力してみてはいかがでしょうか。


そうすれば、義姉に支払うべき代償金の額も少なくて済みます。


なお、両親のうち義父が先に亡くなられた場合、その後、義母が亡くなった際にも同様に相続は発生しますから、そのときに備えて義母に遺言書を書いておいてもらうか、あるいは、生前贈与を受けるなどの準備が必要です。




【取材協力弁護士】
増田 勝洋(ますだ・かつひろ)弁護士
大阪弁護士会、司法委員会、司法修習委員会委員
著書:『事例にみる遺言の効力』(共著、執筆担当)
法律事務所の携帯電話向けサイトURL:http://masuda-law.plimo.jp
事務所名:増田法律事務所
事務所URL:http://www.masuda-law.net/


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