【アニメ漫画キャラの魅力】不器用な“昭和”の親父「ヴァン・ホーエンハイム」の魅力『鋼の錬金術師』

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2015年12月20日 10:10  キャラペディア

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近づきたいのに近づくと相手を傷つけてしまうのでは?と近づけない・・・。いわゆる、「ハリネズミのジレンマ」と呼ばれるものです。『鋼の錬金術師』主人公「エド」の父親「ヴァン・ホーエンハイム」は、自分が“人ならざるもの”であるゆえに、愛してやまない我が子を傷つけてしまうのではないか?と近づけない、まさにこのジレンマを体現したような存在です。今回はそんな、家庭を守ろうとする行動が家庭の不幸を引き起こしてしまう、不器用な昭和の親父「ヴァン・ホーエンハイム」の魅力についてご紹介させて頂きます。


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⇒ヴァン・ホーエンハイムとは?(鋼の錬金術師シリーズ)
http://www.charapedia.jp/character/info/10059/


【※一部、ネタバレの内容を含む可能性が御座います。ご注意下さい。】


■全ては彼から始まった

 「ホーエンハイム」が自分の主人に実験で血液を提供し、そこから「フラスコの中の小人」が生まれた事が、クセルクセスの悲劇とアメストリスの危機、この物語の全ての始まりでした。クセルクセスが滅亡した日から、彼の中には53万6千人の人間の魂が「賢者の石」として存在する事になったのです。自分が原因となったにても関わらず、決して償う事もかなわず、死を選ぶ事さえ出来ない・・・、この苦悩が彼を常に苦しめます。しかし、「逆転の錬成陣」でアメストリスを救ったのは、彼でなければできなかった事。アニメでは原作よりも「第3の主人公」的な扱いを受け、OPとEDのアニメ全10本中8本に出演しています。

■戦いを通じて

 イズミに「私は人間の形をした賢者の石だ」と言った「ホーエンハイム」でしたが、「エド」と「アル」と闘う中で、父親としての自覚が顕著になっていきます。「お父様」の攻撃に押し切られそうになる中、二人の息子に励まされると「ボンクラ親父だけど、いいとこみせたくなっちゃうなあ!」と力を取り戻すのです。この力は「賢者の石」からではなく“人間の父親”としてのもの。そして、最後に「アル」のために命を差し出そうという申し出は、「ホーエンハイム」を拒絶していた「エド」の心を和解へと導き、「クソ親父!」と初めて「父」として呼ばれる事になります。

■賢者の石でない人生

 体の中に賢者の石がなくなった彼は、もはや「ホーエンハイム」ではなく、今やようやく「エド」と「アル」の父親となりました。アニメオリジナルの「フラスコの中の小人」が最後に叫ぶ場面を見つめる彼の目は、決して敵の末路を見るものでなく、自分の兄弟が悲しい最期を遂げる様子を見つめる“哀れみの目”でした。「トリシャ」の墓前で、「そうさ、もう十分生きた」と語りますが、彼が「父親」として生きたのはわずかな期間であり、その無念さこそが「やっぱり死にたくねえって思っちゃうなあ」という言葉になったのかもしれません。


【原稿作成時期の都合により、内容や表現が古い場合も御座いますがご了承下さい】


★記者:ルーデル(キャラペディア公式ライター)

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  • 『ハリネズミのジレンマ』を体言した様なお父さんpart2。(ちなみに初代はゲンドウパパ@エヴァ)
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