【冴え女シリーズ（１１）】[マスターの不器用な優しさに]第５話（後半）「君は・・・バカなのか？」

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【冴え女シリーズ（１１）】[- マスターの不器用な優しさに -]

■作品概要
信じていた親友にずっと好きだった人を取られ、傷心中の蘭。もう恋なんてしないとやさぐれる彼女の心を癒してくれるのは、行きつけの喫茶店のツナサンドとマスターの優士の淹れてくれるコーヒーだった。毒のある優士の言葉に最初はむっとしていた蘭だったが、段々彼の優しさに気づきだして・・・？


●第５話（後半）「君は・・・バカなのか？」


蘭　「思い返せばまともな恋愛したことなんてなかったのかも。そのうえ友人にも恵まれてないみたい」

優士「本庄君は人の事をむやみやたらに信じすぎだ。そして変化を怖がる傾向がある」

蘭　「でも、私なんにもないの。容姿はぱっとしないし、かわいいところなんてなんにもないし、頭が凄くいいわけでも、仕事がテキパキこなせるわけでもない。彼女みたいなコミュニケーション能力も、図太さも、もちろんなくて。せいぜい、人を信じるくらいしか出来ないから」

優士「人を手放しに信じられるというのは美点だ。だが君のそれは主体性がないだけだ。人を信じる、なんて、自分の意見を言わないでいい、ていのいい言い訳だね。そうしているのは楽だろうが、流されるままでいるのはやめたほうがいい。もっと疑うことを覚えるべきだろう。君は何度失敗して、何度俺にその報告をしていると思っている？優しくされただけで惚れて騙されて、利用されて、落ちこんで。なのに反省もしないなんてどうかしてる」

蘭　「マスターは厳しいなぁ・・・でも、ありがとう。心配してくれたんだよね？」

優士「はぁ？　俺はどうかしてると言ったんだ。心配なんかしていない。呆れはしたがな」

蘭　「でも、ありがとう」

優士「・・・とにかく、君はもっと人を見る目を養うべきだ。優しいだけの男に引っかかっていたら、そのうちもっと痛い目に遭うぞ。それからまともな友人関係を築くことだな。俺は勤め人ではないから、おいそれと責任の無い事は言えないが、今の君の交友関係はどうかと思う」

蘭　「も、もちろん彼女以外にも会社にいるんだよ、友達」

優士「その友達には今回の事を話したのか？」

蘭　「・・・言ってない。私の事で迷惑かけたくないというか、それで嫌われたくないから。あ、それだけで嫌うような子たちじゃないの。嫌うような子たちじゃないと思うけどでも、」

優士「君は自分に自信がないようだからな。だから出来るだけ波風立てないように敢えて言わなかった。嫌われるかもしれない要因を作らないようにしたんだ。違うか？」

蘭　「自信なんて、もてない。だって、なんにもないんだもの、私。なんにもない私と付き合ってくれてるってだけで感謝しないと」

優士「君の異変に気づいていて何も言ってこない友人というのもどうかと思うんだがね」

蘭　「女同士の関係は、男同士ほど単純じゃないの」

優士「どうやらそうらしいな。俺にはまったくわからん」

蘭　「・・・ふふ・・・ふふふ」

優士「ん？　なんで笑ってるんだ君は」

蘭　「マスター、結局今回もきちんと話聞いてくれたわね」

優士「なっ、俺は君があまりにも不憫すぎて・・・あんな話を聞いたら誰だって相槌打つだけじゃ済まないだろう！」

蘭　「会社での事はなにも解決してないけど、マスターに話聞いてもらって気持ちが凄くすっきりしたわ。ありがとう」

優士「・・・ふん」


【冴え女シリーズ（１１）】[- マスターの不器用な優しさに -]第６話（前半）へ続く


●出演キャラクター

関優士（せきゆうし）32歳：喫茶店のマスター
本庄蘭（ほんじょうらん）28歳：OL

●声優および制作クリエイター

シナリオ：久潟椎奈
イラスト：和音ハカ
男性声優：涌井直輝
女性声優：鳥居みのり

●アプリ概要

様々なシチュエーション、たくさんのイケメン＆イケボ男性との１時間のオリジナルラブストーリー（ボイス＆アニメーションドラマ）を集めた、女子のための図書館、もしくは映画館のようなラブドラマアニメーションアプリです。

●アプリダウンロード

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