「写ルンです」再ブーム! アナログカルチャーを“エモい”と感じる現代の若者たち

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2017年04月14日 01:00  citrus

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出典:「写ルンです」公式サイトより

ネットニュースサイト『BuzzFeed Japan』によると、女子大生など10代後半〜20代女性のあいだで「写ルンです」が再流行しているらしい。
 
インスタグラムのハッシュタグは大いに盛り上がり、原宿にある『富士フイルム』の直営店では、売り上げが2014年以前より5倍も増えたという。
 
1年ほど前から「写ルンです」を愛用している女子大生のangeさんはBuzzFeed Newsの取材にこう答えている。
 

「やっぱり27枚しか撮れないっていうのが良いですね。一枚一枚を大事にできるから。現像を待っている時間の感覚とかも新鮮。それに、フィルターをかけなくてもいい感じになるのが好き。ノイズも入るし、暗いところではうまく撮れない。フラッシュを焚くと人が浮かび上がる。そういうノスタルジーな雰囲気がエモいです」

 
現像には出すが、プリントアウトはせずCDなどにデータを落とし込むのが主流的な”使用法”なのだそう。富士フィルムはブームの要因を次のように分析する。
 

「アナログを知らないスマホ世代の若年層に自然発生的に起きたものと考えております。物心ついた時からデジタルに慣れ親しんだ若い世代の方にとって、フィルム独特の風合いが新鮮で、さらに現像をしないと何が写っているかわからないワクワク感にも魅力を感じていただいているのでは」

 
ところで、私はソフトバンクのCMで広瀬すずが語る
 
「私たちはスマホと大人になっていく、たぶん初めての人類だ」
 
というセリフは「ものすごい名言だ!」と”感心”……を超え、もはや”感動”すらおぼえているのだが、そういう「スマホと大人になっていく初めての人類」世代に、私ら世代が当たり前のように味わってきたアナログならではの労力を「新鮮」「エモい」と感じてもらえるのは、とてもうれしいかぎりである。世代間ギャップってヤツをポジティブに楽しめる、じつに微笑ましい”実例”ではないか。
 
昨今、やはり再ブームの兆しをにわか見せつつあるレコードやカセットテープなんかも、若者の感性に引っかかる"エモどころ"は「写ルンです」とよく似たものだと思われる。私も今年の初め、「一曲一曲に集中できる」「アルバムの曲順の物語性を再確認できる」「デジタルだとボタン(クリック)一つで飛ばすことができる”あまり好きじゃない曲”を改めてじっくりと聴き直せる」「ノイズがイイ味を出してくれる」……などの理由で、スピーカー内臓のレコードプレイヤーを約1万円で購入したのだが、びっくりしたのは20代の女子が自宅に遊びに来たときのこと。なんと彼女はレコードプレイヤーを生まれて一度も触ったことがないそうで、眼をキラキラさせながら何度も何度も繰り返しレコードに針を落としていた。
 
簡易フィルムカメラや簡易レコードプレイヤーのような、我々世代では予想もつかない”過去の遺物”が、これからも「スマホと大人になっていく初めての人類」世代を発火点とし、どんどん日の目を浴びていく時代なのかもしれない。たとえば「黒電話」とか? 「簡易」ってことがキモであるならば微妙だったりもするけれど……。
 
そういえば、「写ルンです」が流行っていたころは、「今度焼き増しして渡すよ」とか言って、強引に次回のデートの約束をとりつけていたなぁ……。アナログの面倒臭さは、ときに「男女関係の潤滑油」としても機能するということだ。

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