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「最期は本と一緒に燃えたい」有名書店員が天国に持っていく本とは?

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2019年01月22日 17:02  AERA dot.

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写真花田菜々子(はなだ・ななこ)/書店員。著書に『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』
花田菜々子(はなだ・ななこ)/書店員。著書に『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』
 著書に『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』がある書店員・花田菜々子さんが「最後の読書」をテーマに書いた。

*  *  *
 私は自分の葬式を妄想するのが大好きである。というとどんなナルシストかと思われるかもしれないが、みんなに泣いてほしいとかではない。私の好きな妄想とは、自分の棺に本を100冊入れていっしょに燃やしてほしいという、ただその一点なのである。同業者の書店員仲間にさえなかなか共感してもらえないのだが、私は本気だ。

 だから必然的に死の前日になすべき読書といえば、選抜の100冊をひとりドラフト会議するための最終確認の意味合いが強くなるだろう。100冊といえば多いようで少ない(冊数は自分が決めた謎のマイルールだ)。そして読書好きの方にはここはぜひ共感してほしいのだが、あの世への長旅に持っていく本は、大事な本だけでなく、未読の本もせめて5冊くらいはないと不安だ。なのでまずはその時点の積ん読から最も気になる本を5冊抜く作業。

 あと、茨木のり子の詩集のような美しい本は、生前はそれなりに大事にしていたが、死んでまで読みたくない。できるかぎり無意味でナンセンスで楽しいものがいい。東海林さだおやブルボン小林みたいな本が理想だ。幼少時より愛する藤子・F・不二雄作品は『チンプイ』と『モジャ公』を。吉田戦車も持っていきたいし、『電気グルーヴのメロン牧場』も持っていくことになるだろう。安野モヨコはやはり『ハッピー・マニア』を。自分だけが大事にしているマイナーなサブカル系の本もいろいろ入れたい。10代の頃繰り返し読んだ吉本ばななの『N・P』や村上春樹の『ノルウェイの森』もちょっと恋しい。

 厳選を重ねた100冊とともに棺に横たわることができるとしたら、どんなに素敵だろう。自分以外の誰の心も打たないラインナップ。考えただけでにんまりしてしまう。そして最期のお別れに来てくれた本好きの友人たちに「このダサい本のセレクト、何……」と脱力されながら安らかに燃えていきたい。ちなみに、悲しいことに現在の日本の火葬場では、棺の中に本を100冊入れてもらうのはほぼ不可のようだ。厚みがあると燃え残ってしまうのだとか。嫌だ! そんなの嫌だ! 絶対100冊入れてほしい! 最悪もう本の灰を「あとのせ」でもいい!いや、やっぱりあとのせは嫌だ! いっしょに燃えたい。それが私の最後の夢だ。

※週刊朝日  2019年1月25日号

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このニュースに関するつぶやき

  • あの世のお供にスマホ持って行ったんだよ そしたらど〜した? 途中で電池が切れたから現世に帰って来たんだよ… お後がよろしいようで
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  • バカか。本は燃やすものではない。私の蔵書はせめて売り払って他人様に読んでほしい。
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