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「性教育を幼児期から、家庭で。」 ――ウェブメディア『命育』運営者インタビュー

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2019年05月20日 10:01  MAMApicks

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東京都教育委員会が去る3月に、公立学校の教員向けの「性教育の手引」の改訂版を公表した。昨年、足立区の公立中学校の性教育の授業が、性交や避妊など、指導要領外の内容が含まれていたとして、都教委が区教委を指導して大きく議論を巻き起こしたことも記憶に新しい。

ここ数年、個人的にも強く関心を抱いている「性教育」というテーマ。
何か参考になる本やメディアはないかと思っていたところ、たまたまたどり着いたのが『命育(めいいく)』(https://meiiku.com/)というウェブメディアだ。


医師や助産師が監修協力に入る本格的な情報サイトだが、サイトのデザインやタッチは親しみやすく、柔らか。そして運営しているのはママクリエイターとのことで興味が沸き、プロジェクト代表の宮原由紀さんをはじめとする運営メンバーにお話を伺ってきた。


■ママとしてのリアルな悩みと、学校での性教育の限界。正しい情報を発信していける場を作りたかった
―― 『命育』はママによるメディアとのことですが、メンバーの皆さんは元々お知り合いだったのでしょうか?

命育プロジェクト代表 宮原由紀さん(以下、宮原):私たちは、もともとウェブ制作スクールのママ向けクラス(https://school.dhw.co.jp/mama/)をともに受講していた仲間なんです。

通学する目的は、育休中のスキルアップや、今後のキャリアチェンジに向けてなど、それまでの経歴もバラバラなメンバーが日々切磋琢磨する中で、せっかく制作スキルを身につけたんだし、このまま卒業するのはもったいないね、どこかアウトプットの場が持てれば、と話していたんです。

デザインを担当しているメンバーの伊賀は、実は元・中学校の保健体育の教員で、子どもたちに性教育を行っていたのですが、学校で教えられる限界や、現場での課題を抱いていたこと、そして私たち自身が親として、子どもたちにどのように教えていけばいいの?とリアルな悩みに直面していたこともあり、家庭で性教育に取り組むための信頼できる情報を発信していかないかということになりました。


<命育運営メンバー>

Webデザイナー イラストレーター 伊賀弓さん(以下、伊賀):私が勤めていた中学校は男女交際も活発で、生徒からたびたび相談を受けることもありました。生徒にとっては話をしやすい存在だったのか、いろいろ話すこともありましたが、一対一でなら話せる内容も、生徒全員の前で指導するというのはなかなかハードルが高いなと感じていました。

そもそも保健の授業ってコマ数も少なくて時間が限られていますし、教材を作るにもなかなか時間が足らなかったりで、教科書の内容や教材ビデオで終わってしまうことがありました。

宮原:私は、小学生の女の子と、4歳・1歳の男の子の3児の母親なのですが、日常の中で「性」に関して何か気になることがあると、その時々でネット検索に引っかかるQ&Aサイトや子育てサイトなどを見ていました。

ただ、「性教育」が特集されているサイトはあるのですが、「性」や「性教育」について知りたいときにはこのサイトを見れば大丈夫!という存在がない。であれば自分たちで作ろう、と考えました。

■世界的な性教育のスタンダードを参考に、取り扱うコンテンツをピックアップ
―― 医師や助産師など専門家の監修も入っているのは心強いですよね。

宮原:協力いただける監修者を見つけるのには非常に苦労しました。お忙しい方ばかりですし、性教育を専門にしている人、情報発信していきたい、という人にもなかなか出会えませんでした。

そのような中、まずはサイト開設のための資金を集めるために、クラウドファンディングを実施したところ、多くの子育て世代からの支持を集めることができ、目標金額の121%で達成。さらには医師や専門家の方から、ご協力のお声をかけていただく機会に恵まれました。豊富な講演実績や活動をされている医師や専門家の皆さんでしたが、「性教育」をテーマにより広く情報発信をしていきたいという思いをお持ちの方々ばかりでした。結果、ようやくメディアをスタートさせる体制が整いました。

―― 性にまつわる良質な情報はすべてここに、と思うと安心ですよね。記事の内容はどのように選定しているのでしょうか。

宮原:ユネスコが中心となって発行している「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」という世界的な性教育のスタンダードを大きな指針としています。ただ、今の日本にはそぐわないものも中にはあるので、そこは伊賀がチェックをしながら精査しています。

伊賀:人種や民族、宗教などに根付いた価値観や思想など、ちょっと難しいトピックもありました。日本だと、幼稚園くらいの子どもにアイデンティティとかジェンダーという話をするのは難しいかなと思い、もう少しなじみやすいテーマを中心にピックアップしていますね。

宮原:海外だと、たとえば何かあったときに法廷で子どもの口から、からだのどの部分を触られたか証言できるように、幼児期から「プライベートゾーン」の知識をはじめ、性教育を行うべきという考えも強いんですよね。とは言いつつ、自分の子どもに教えるのはなかなか難しいですね……。日々言い続けるしかないのだな、と実感しています。


―― 近年は、子どもにプライベートゾーンについて教えることが随分広まりましたよね。たしかに、「水着で隠れる部分+口は自分だけが知っている場所だから人に見せたり触らせたりしてはいけないよ」、と子どもに伝えることを最初に教えてくれたのは海外在住の友人でした。

宮原:海外だと家庭で性教育を行うことが一般的ですし、学校でも性交にもちゃんと言及して指導をしたり、病院と連携したり、すべて日本より進んでいますよね。

専門家の皆さんのお話を聞くと、日本でも、とくに女の子は思春期頃からかかりつけ医を持ったり、ピルなどの知識を早く身に着けたりすることが必要だと感じています。

■教育方針や子育ての方法が異なるように、性教育もそれぞれの家庭で捉えれば◎ 男性にもぜひ見てほしい!
―― 我が家は小学校に入学した娘がいるのですが、それくらいの年齢でももうスマホ検索ができる子はいますよね。そういう時に正しい情報を入手できればとは思っています。

宮原:今回メディアを立ち上げるにあたって、最初は「正しい情報を発信しよう!」という思いが強かったのですが、いろんな方の話を聞いていると、教育や子育てに対する価値観が異なるように、性教育の捉え方も家庭によって違うんだなと気づきました。

家族構成だってそれぞれなんだから、「間違った情報は間違っている」と伝えつつ、あとはそれぞれのご家庭で解釈して、お父さん、お母さんの言葉・やり方で、お子さんへ伝えてもらえばいいんだなと思っています。

伊賀:サイト内のイラストを担当していて目指しているのは、絵本のような感覚でサイトを見てもらうことですね。子どもから大人まで、性教育というテーマをもっと身近に感じてもらえるように、『命育』としてのカラーは大事にしています。ぜひ、お父さんたちにもサイトを見てもらいたいです。

宮原:男の子に対する性教育であれば、父親や身近な男性が関わるのがいいんじゃないかなと思っています。実際、「父親向けのコンテンツも作ってほしい」と熱心に言ってくださるお父さんユーザーの方たちも結構いるんですよね。

とはいえ、実際は子どもへの性教育はなかなか難しい……という親御さんには、子どもと一緒に読める絵本や、性教育の本を手に取るのもいいと思います。命育サイト内には、性教育におすすめの絵本や本も紹介しています。大人が読んでも、面白いもの、「知らなかった!」って勉強になるものが多いんですよ。

―― 男性への呼びかけも重要ですね。「妻がやっているから、俺はいいか…」じゃなくて、男性が臆さずに取り組めると理想的ですよね。

宮原:女性はどうしても性教育に対して真面目に、固くとらえがちなところもあるので、男性が面白おかしく、おおらかなトーンで伝えるのはとっても良いと思います!

伊賀:我が家も、私がこの活動をしているので、夫も関心を持つようになりました。「息子のむきむき体操は俺がやるよ」とお風呂でやってくれています(笑) ですから女親の私には分かりにくいことは、夫に相談していこうかなと。


宮原さんが紹介してくれた「親子で読む&子供に読んでほしい性教育本・絵本」(https://meiiku.com/bookreview/)のページはラインナップも豊富で、手に取ってみたいものばかり! 親子で読むのはもちろん、夫婦間で共有するのも良いかも。


■命育 サイト概要
URL:https://meiiku.com/
対象:幼児〜中高生のお子さまを持つお父さん・お母さん
内容:年齢・性別に応じた成長発達や性教育ノウハウのコンテンツ、医師専門家に性の疑問・悩みを相談できる「命育Q&A」、読者同士で交流する「体験談・掲示板」(※準備中)など。

真貝 友香(しんがい ゆか)
ソフトウェア開発職、携帯向け音楽配信事業にて社内SEを経験した後、マーケティング業務に従事。高校生からOLまで女性をターゲットにしたリサーチをメインに調査・分析業務を行う。現在は夫・2012年12月生まれの娘と都内在住。

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