ナノテクノロジーベースの治療により子宮内膜症が軽減される

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2020年04月13日 21:01  妊活・卵活ニュース

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子宮内膜症の新たな治療法
オレゴン州立大学の研究チームは、「Small」にて、ナノテクノロジーベースの治療により、子宮内膜症に関連する生殖問題が軽減されると発表した。

子宮内膜は、子宮壁の最内層である。子宮内膜症では、子宮内膜に似た組織(子宮内膜症組織)が子宮腔(卵巣、卵管、骨盤を含む)の外に病変を形成する。

病変は子宮外にて増殖し、月経に伴い肥厚と消退を繰り返す。月経痛や月経困難症などを引き起こし、女性不妊の要因に成り得る。稀なケースでは、子宮内膜組織が骨盤臓器を超えて広がる可能性もある。

子宮内膜症は、病変を外科的除去することにより生殖能力は改善できるが、完治は難しい。現状、病変の完全切除は不可能であり、外科手術患者のうち4分の1以上は病変が再発し、3回以上の除去手術を要するといわれる。

ナノテクノロジーベースのイメージングと病変除去
研究チームは、動物モデル実験を行い、100ナノメートル未満のポリマー材料(高分子材料)を用いて、子宮内膜症に対するイメージングツールおよび病変除去技術の可能性を検証した。

ポリマー材料(高分子材料)は、近赤外光に晒されると蛍光シグナルを放ち、殺細胞性のある熱を発する。動物モデルに色素を付加したナノ粒子を体に注入したところ、病変がある場所で蛍光色を放ち、熱により病変を殺滅した。

今回、使用したナノ粒子は新しいタイプであり、近赤外光に晒されると華氏115度(摂氏:約46.1度)まで上昇した。大部分が子宮内膜症の病変に蓄積でき、身体に対する毒性はなく、身体内であってもイメージングおよび加熱特性を保持する。

研究チームは、ナノ粒子が放つ熱によって1日から2日内で子宮内膜症の病変が根絶されたと報告している。今回の研究結果は、癌治療、子宮内膜症の治療をはじめ、新しいナノテクノロジーベースの治療の可能性および発展を提示する。

(画像はOregon State Universityより)

Oregon State University

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