日本一に貢献したヤクルト・塩見泰隆 4年目の飛躍で”二軍の帝王”から脱却

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2021年12月18日 17:04  ベースボールキング

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ヤクルト・塩見泰隆 (C)Kyodo News
◆ 初安打まで25打席…一軍の壁に跳ね返され続けた日々

 2年連続最下位から、一気に日本一へ駆け上がった2021年のヤクルト。その中でシーズン途中から「1番・中堅」に定着し、チーム力底上げの一翼を担ったのが塩見泰隆外野手(28)だ。

 神奈川・武相高、帝京大、JX-ENEOSを経て、2017年のドラフト4位で加入した塩見。高い身体能力を武器に二軍ではルーキーイヤーから打率.329、9本塁打、26打点、22盗塁、OPS(出塁率+長打率)1.011と格の違いを見せつけたが、一軍では初安打までに25打席を要するなど打率.040と苦しんだ。

 2年目も二軍では打率.310、16本塁打、52打点、23盗塁、OPS 1.009の好成績を残すも、一軍では45試合の出場で打率.182と低迷。1年目同様、一軍の壁にぶち当たる結果となり一・二軍を行き来する生活が続いた。

 コロナ禍に見舞われた2020年は、開幕前の練習試合で結果を残し「5番・中堅」で初の開幕スタメン入り。しかし、開幕からの7試合で打率.105、1本塁打、1打点とまたしても一軍では沈黙。その後、左手の突き指で登録抹消となった。それでも、再昇格したシーズン終盤はスタメンに定着し、43試合の出場ながら打率.279、8本塁打、21打点、13盗塁、OPS.856を記録。ようやく飛躍のきっかけをつかんだ。

◆ リーグ2位の156奪三振も、スケールの大きな1番打者に成長

 4年目の今季は外国人の来日遅れもあり、開幕直後は5番や6番を任され一軍に定着。ホセ・オスナとドミンゴ・サンタナが加わったあとは1番打者に固定された。

 シーズンを通してみると好不調のムラが大きく、阪神のルーキー・佐藤輝明に次ぐリーグ2位の156三振を喫したが、高津監督は我慢強く起用。守りでは俊足を生かした広い守備範囲と強肩でチームのピンチを幾度となく救い、走ってはリーグ3位の21盗塁を記録するなど、スケールの大きなリードオフマンとして相手投手の脅威になった。

 9月18日の巨人戦(東京ドーム)では、史上71人目のサイクル安打を達成。シーズン自己最多140試合に出場し、打率.278、14本塁打、59打点、21盗塁、OPS.798を記録し、初の規定打席到達を果たした。

 巨人とのCSファイナルステージ、オリックスとの日本シリーズと、ポストシーズンも全試合「1番・中堅」でスタメン出場し、リーグ優勝と日本一に貢献。シーズン終了後には自身初のベストナインに選出され「良い1年となりました。トータルで考えると個々の成績も含めて、うまくいかないことはたくさんあった中でこの賞を受賞でき、うれしいです」と喜びの言葉を残した。

 二軍では1年目から格の違いを見せていたが、一軍では結果を残せず“二軍の帝王”という不名誉なレッテルを貼られていた背番号9。しかし、紆余曲折ありながらも4年目にして不動のリードオフマンとして覚醒。来季以降も山田哲人や村上宗隆らとともにヤクルト新時代の一翼を担いながら、さらなる飛躍が期待される。

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