肥満が精巣の老化を加速させる

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2022年05月06日 23:00  妊活・卵活ニュース

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精巣を老化させる要因
5月2日、ユタ大学、ピッツバーグ大学(共にアメリカ)などの研究者らは、「Developmental Cell」にて、老化した精巣に生じる異常は、BMI値の上昇によって増幅すると発表した。

精巣機能を低下させる要因として加齢に加えて肥満が挙げられ、加齢および肥満は老化に伴う精巣機能の変化を加速させる要因であるという。

精巣機能と加齢とBMI値における関係性
老化は、分子の組み合わせに緩やかな変化をもたらす。老化により、精巣機能は徐々に衰退していく。なかでも、老化に肥満が加わると精巣機能の低下は顕著であった。

今回、研究チームは、男性12人(若年者4人、高年齢者8人)の剖検されたヒト精巣サンプルから採取した44000以上の細胞に対してシングルセルRNAシーケンシングを行い、精巣機能と加齢とBMI値における関係性を検証した。

若年者の精巣では、老化、生殖機能(精子細胞の生産)の低下は認められなかった。一方、高年齢者の場合、BMI値が27未満では、若年者の生殖機能と比較すると劣るものの、生殖機能は損なわれていなかったという。しかしながら、BMI値が30以上になると、生殖機能は著しく低下し、生殖能力は無いに等しかった。

研究チームは、老化によって精巣は複雑に変化していくが、肥満といった慢性的な要因が加わることで老化に伴う変化は加速すると結論づけている。また、老化を起因とした男性不妊の治療において、潜在的なバイオマーカーになると期待される。

(画像はDevelopmental Cellより)

ScienceDirect

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