リヴァプールと契約延長! ミルナーについて知っておきたい7つのこと

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2022年06月08日 19:06  サッカーキング

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リヴァプールとの契約を延長したミルナー [写真]=Getty Images
元イングランド代表MFジェイムズ・ミルナーが6日、リヴァプールとの契約を1年間延長したことを発表した。

 2015年夏に加入したリヴァプールで、これまで公式戦で通算289試合に出場し、26ゴールを記録。36歳となった今季は途中出場が多かったものの、本職であるセントラルMFに加えて、左右のサイドバックもこなす万能性と、副キャプテンとしてチームを引っ張るリーダーシップを兼ね備えるミルナーは、替えが効かない存在だ。今季限りで契約満了を迎えるところだったミルナーの去就には、数カ月前から注目が集まっていただけに、ファンは胸を撫で下ろしていることだろう。

 今月2日には長年に渡るサッカー界での貢献と、熱心なチャリティ活動が評価されてMBE(大英勲章第五位)を授与されたミルナー。10歳でリーズのアカデミーに加入し、16歳357日でプレミアリーグ初ゴールを記録。当時のプレミア最年少得点記録を塗り替え、一躍時の人となった。その後はニューカッスル、アストン・ヴィラ、マンチェスター・Cを経由してリヴァプールに到着。2010年と2014年にはイングランド代表としてワールドカップにも出場した。

 そこで今回は、20年近くもトップレベルで戦い続けてきたミルナーについて、知っておきたい7つのトピックを紹介する。

[写真]=Getty Images

■プレミア出場試合数は現役最多



 プレミアリーグ通算出場試合数は「588」。現役選手の中では群を抜いてトップに立っている。歴代最多はアストン・ヴィラやマンチェスター・Cで活躍したギャレス・バリーの653試合。マンチェスター・U一筋のライアン・ギグス(632)、チェルシーのレジェンド、フランク・ランパード(609)に続き、ミルナーは4位に付けている。特筆すべきはミルナーが、ニューカッスルでは94試合、さらにアストン・ヴィラ、マンチェスター・C、リヴァプールの3クラブでは100試合以上に出場しているということ。どこのクラブに行っても、また監督が誰であっても重宝されたからこそ、積み上げられた数字だ。またプレミアリーグでの通算アシスト数でも、マンチェスター・Cのケヴィン・デ・ブライネと並んで、現プレミア所属選手では最多タイとなる「86」を記録している。

■ロナウド級の体調管理



 若くしてスターダムを駆け上がった選手が、誘惑に負けて羽目を外したり、伸び悩んだりすることは珍しくない。しかし16歳でプレミアリーグ初ゴールを決めて、早くから脚光を浴びたミルナーはその対極にある。夜遊びに興じることはなく、体調管理に気を配り続け、マンチェスター・Cとリヴァプールで合わせてリーグ制覇3回を含む9つの主要タイトルを獲得した今もなお、現状に満足することがない。元マンチェスター・Cのフィジオで、同クラブ所属時代のミルナーの体を知り尽くすポール・ウェブスター氏は、今年1月に『Goal』の取材に対し、同選手の体は「10年前と変わらない」と絶賛。さらに「クリスティアーノ・ロナウドのようだね。私は彼と仕事をしたことはないが、知っている人から聞く限り同じ印象を受ける」と指摘した。週に2回のヨガを欠かさないというミルナーにとって、年齢はただの数字でしかないようだ。

■絶対禁酒主義



 お酒を飲まないアスリートは珍しくないが、ミルナーほどの徹底ぶりは類を見ない。若かりし頃に父親のストロングボウ(リンゴのお酒)を一度試したきり、アルコールは一切、口にしていないというのだから。しかも決断を下したのはリーズに所属していた10代の頃。キャリアを長く続けるための選択だったという。2018年のチャンピオンズリーグ(CL)決勝進出を決めた際に、「ライビーナ(カシスジュース)で乾杯するかもね」と答えて話題となったミルナー。今季のFAカップ優勝後は、コーラで祝杯をあげたという。絶対禁酒主義を貫く理由について、「一度も飲まなければ飲みたくならないから」と2016年の取材で語っていたミルナー。今季CL決勝前に受けたジェイミー・レドナップ氏のインタビューでも、「自分のフットボール人生において、何が最善であるかを考えた」と一貫していた。ただし、30代が近づいた頃、トレーニングをもう少し控えた方が良いのではというフィットネスコーチのアドバイスには耳を貸さなかったそうだ。独自の哲学にこだわるミルナーの進化はまだまだ止まらない。

■30歳でイングランド代表から引退



 代表キャリアに潔く別れを告げたことが、コンディション維持に役立っていることは間違いないだろう。ファビオ・カペッロ氏がイングランド代表監督を務めていた2009年8月12日に親善試合オランダ戦で、初キャップを獲得し、アシストも記録したミルナー。翌年のワールドカップで3試合に出場。ユーロ2012では全4戦でスタメンに抜擢されたが、2014年のワールドカップはグループステージでの敗退決定後のコスタリカ戦で初めてピッチに立ち、ユーロ2016では開幕戦の残り僅かな時間しかピッチに立てなかった。当時30歳だったミルナーは、2016年夏にイングランド代表からの引退を発表。2018年のワールドカップ前に、ギャレス・サウスゲイト監督から復帰の打診を受けたが、代表に戻ることはなかった。イングランドU−21代表では46試合に出場し、歴代最多キャップ保持者に名を刻むミルナー。フル代表は61キャップで終わりを迎えたが、36歳となった今もなお、欧州トップレベルでプレーを継続していることを考えれば、悔いはないはずだ。

■PK戦で一番手を担う理由



 今季はニ冠に終わったリヴァプール。いずれもチェルシーとの対戦となったリーグ・カップとFAカップの決勝は、どちらもPK戦までもつれる熱戦となった。トロフィーに直結する大事なPK戦で、2度ともリヴァプールの最初のキッカーを務めたミルナー。一番手に名乗り出た理由は、「必ず蹴ることができるから」だという。きっかけは2015−16シーズンのリーグ杯決勝マンチェスター・C戦。PK戦で5番手を務める予定だったミルナーだが、最初の4人中、3人が失敗してしまい、順番が回ってこないまま優勝を逃した。リヴァプールで初めて迎えた決勝の舞台で苦い経験をして以降、ミルナーはピッチで迎えた全5度のPK戦で先陣を切っている。成功率は100パーセント。神経科学の専門知識がPK戦で効果を発揮していることが話題となっているリヴァプール。しかしチームの流れを左右しかねない先頭キッカーに、“失敗しない男”がいることも忘れてはならない。

■本職はどこ?



 ユーティリティプレーヤーとして知られるミルナーだが、本人はセントラルMFにこだわりがあるようだ。キャリアの序盤はウインガーとしてプレーをしていたが、アストン・ヴィラでセントラルMFとしての地位を固めた2009−10シーズンにPFA年間若手最優秀選手賞を受賞。同ベストイレブンにも選出された。2015年に、サイドハーフとして途中出場が多かったマンチェスター・Cを退団し、リヴァプールと契約をした際には、「レギュラーとしての出場機会」と「セントラルMFでのプレー」を移籍理由に挙げていたミルナー。しかし同ポジションを約束したブレンダン・ロジャーズ当時監督は、シーズン途中で解任。ユルゲン・クロップ監督は初陣からミルナーをサイドハーフで起用し、2016−17シーズンは左サイドバックとして使い続けた。当時は「ひと昔前のサイドバックとは役割が違うから」と受け入れていたミルナーだが、今年5月のインタビューでは「今になって振り返ると、監督は僕がこの先もここに居ると思っていなかったのかもしれない。序列が低かったのだろうね」と分析。「自分の場所を取り戻し、今でも中盤でプレーができていることは誇らしい」と語っていた。今でもチーム事情によって様々なポジションをこなしているミルナー。“チームプレーヤー”が本職であることに異論はないだろう。

■落ち着いたプライベートライフ



 若くしてプレミアリーグの舞台に華々しく登場しながら一度も道を踏み外すことがなかったのは、周囲の人間に恵まれたからかもしれない。代理人は18歳の時からずっと同じ人物に担当してもらっているというミルナー。現在の妻、エイミーさんと交際を始めたのは16歳の頃で、リーズでデビューを飾る1カ月ほど前だったという。エイミーさんとの間に、2015年に娘のホリーちゃん、2016年に息子のザック君が誕生。子供たちにはマンチェスター・C時代、ダビド・シルバやパブロ・サバレタと話をするために習得したスペイン語で話しかけているのだという。現在6歳のザック君は、先日U−7チームの大会の決勝でハットトリックを達成したそうだが、当日は非常に緊張したというミルナー。そんな逸話を語る時にも、自身の父は、CL決勝をどのような気持ちで見ていたのだろうかと思いやることを忘れなかった。

(記事/Footmedia)

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