『ラブライブ!サンシャイン!!』に見るアニメ聖地巡礼の醍醐味 なぜラブライバーは何度も沼津を目指すのか

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2023年01月16日 07:11  リアルサウンド

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 長らく続いたコロナ騒動に伴う規制も緩和されつつあり、日本の観光地に客足が戻りつつある。そんな中で注目されているのが、アニメの舞台を巡る“聖地巡礼”だ。2022年12月16日にはアニメツーリズム協会から「訪れてみたい日本のアニメ聖地88」2023年版が発表されたが、聖地が多数選ばれているのが『ラブライブ!』シリーズである。


(参考:【写真】沼津にはラブライブ!の見どころがたっぷり


  なかでも『ラブライブ!サンシャイン!!』の舞台になった静岡県沼津市は、市内各地に聖地が点在し、アニメ終了から数年経った今もなお多くのファンが訪れている。聖地のひとつである「安田屋旅館」に筆者が宿泊した際、偶然ラウンジで会ったラブライバーのとんこつ(24)氏に聖地巡礼の醍醐味について話を聞いた。


■『ラブライブ!サンシャイン!!』聖地、沼津の魅力


――とんこつさんが考える聖地巡礼の魅力は何でしょうか。


とんこつ:アニメで見た風景が目の前に現れる感動が、一番の魅力だと思います。『ラブライブ!』シリーズの舞台になった町は、主なもので秋葉原周辺、沼津、お台場、原宿周辺など各地にありますが、いずれもその土地ならではの魅力があります。一押しの聖地を選ぶのは難しいですが、行った回数でいえば『ラブライブ!サンシャイン!!』の沼津が圧倒的ですね。何度も通っているうちに、今ではすっかり沼津という町のファンになっています。


――沼津がラブライバーのツボにはまるのはどんな点でしょうか。


とんこつ:沼津は地域全体で作品を盛り上げてくれている感じがするんですよ。沼津駅に降り立った瞬間から『ラブライブ!サンシャイン!!』の絵や広告が目につき、商店街を歩いていると幟やイラストが飾ってあるので、徒歩でも車窓からでも作品の世界観を感じられます。そして、アニメの放映が終わってから時間が経つのに、未だにコラボ企画が実施されています。地域ぐるみで作品を大事にしてくださっていることが伝わってくるので、ファンとしては本当にありがたいです。


――イベントがない日でも、何度も訪問してしまうそうですね。


とんこつ:アニメの中で季節が巡っているように、沼津も四季折々の風景が楽しめるので、何度も出かけてしまうんです。秋から冬にかけては空気が澄んで富士山がきれいに見えたり、夏は海風が気持ちよかったりするので特別感があります。時間帯が違えば町の表情も変わるため、訪れるたびに何度も写真を撮ってしまいます。


――とんこつさんが風光明媚な沼津のファンになったことがよくわかります。魅力は尽きませんね。


とんこつ:沼津では声優さんが訪れた場所もたくさんあるので、二度おいしい聖地なんですよ(笑)。アニメのブルーレイの特典に、声優さんが聖地を巡る企画があります。アニメに出てくるお菓子屋さんの「松月」は、店内にサイン色紙がたくさん飾られています。それを見て、ああ、ここに声優さんが来たんだなと思うと、胸にこみ上げるものがあるんです。


■主人公・高海千歌の実家のモデル「安田屋旅館」


――沼津に数ある聖地の中でも、特に「安田屋旅館」は何度も訪問されているそうですね。登録文化財になっている格調高い建物で、太宰治ゆかりの宿として知られますが、高海千歌ちゃんの実家のモデルとして有名です。


とんこつ:安田屋旅館は特別な存在で、これまで数えきれないほど泊まっています(笑)。作中の登場頻度も高く、どこを切りとってもアニメに出た場面というのも嬉しいです。


――安田屋旅館に初めて宿泊された日のことは、覚えていますか。


とんこつ:安田屋旅館は、僕に『ラブライブ!』を布教してくれた高校の同級生と一緒に宿泊しました。ちょうど、西武ドームでAqoursのライブに行った日、勢いで問い合わせたら空室があったんです。


――館内に入ったときはいかがでしたか。


とんこつ:感動しました。千歌ちゃんの実家ということもあって、ここで生活しているのか……と感慨深くなりましたし。夜にラウンジに行ったらほかのラブライバーの皆さんもいらっしゃって、楽しい時間を過ごせました。これを機にリピーターになった感じです。


――知り合った方と仲良くなって、一緒に宿泊したこともあるそうですね。


とんこつ:そうですね。安田屋旅館で知り合った人は多いですね。年齢も離れていて仕事もばらばらなのに、ラブライバーという共通事項があるので仲良くなれるんですよ。普通なら繋がれない人ばかりなのに、共通の趣味があるだけでこんなに盛り上がれるのも、『ラブライブ!』ならではだと思います。


■友人の布教でラブライバーに


――とんこつさんは子どもの頃からアニメ好きだったのでしょうか?


とんこつ:現在は24歳ですが、実は18歳くらいまでアニメにまったく興味がなかったんです。高校3年の時、就活が終わった9〜10月ごろに友達から『ラブライブ!』の無印を布教されてドハマりしてしまい、その勢いで『サンシャイン!!』を見て、どっぷりと沼に浸かった感じです。高校の卒業旅行で東京に行きましたが、その帰りに沼津に立ち寄り、「あわしまマリンパーク」や駅前のコラボカフェにも行き、ますますのめり込んでしまいました。


――そして、ライブにも行くようになったそうですね。『ラブライブ!』のライブはいわゆるシンクロパフォーマンスがあり、迫力もありますよね。


とんこつ:Aqoursのファーストライブを地元のライブビューイングで見て、めちゃくちゃ楽しかったんですよ。声優さんのダンスの振付がアニメと同じで、二次元と三次元の融合が凄いなあと思い、感動してしまいました。初めてライブ会場に足を運んだのは、Aqoursのセカンドライブです。現地の空気感を味わい、ますます魅了されてしまいましたね。ライブビューイングでは数百キロ離れている声優さんが目の前にいるなんて、それだけでも感動じゃないですか。


■“推し”がいる生活は楽しい


――お話を伺ってると、とんこつさんの毎日が凄く充実しているのがわかります。友人もでき、旅行もでき、美食も堪能されています。私の友人で「旅行が趣味」と言っている人よりも、はるかに旅行されているように思います。


とんこつ:すでに3月末までの予定が埋まりつつあって、今はLiella!のツアーを追っかけたり、声優さん単独のライブにも行くので、ほぼ毎週どこかに出かけています。最近はライブを理由に地方に行き、その土地ならではの食事も楽しむようになりました。


――推しがいる生活の醍醐味とは、何でしょうか。


とんこつ:一言でいえば、生き甲斐を得られることでしょうか。基本的に会社の仕事って理不尽なこともあって、決して楽しいことばっかりじゃないですよね。ところが、休日にライブや聖地巡礼の予定があると、辛い時もその日まで頑張ろうと思えるし、帰ってきてからも次のライブのためにお金を稼いで頑張ろうと思えます。声優さんも日々SNSを更新してくれるので、仕事の休憩時間にスマホを開いて推しの画像が上がっていると、「残りの時間も頑張るか!」と前向きな気持ちになれるのです。


――素晴らしいですね。とんこつさんにとっての、『ラブライブ!』の存在の大きさが実感できます。


とんこつ:『ラブライブ!』にはまっていなかったら、今頃死んでいたんじゃないかと思います(笑)。作品をきっかけにたくさんの出会いがあり、視野も広がりました。ただ、『ラブライブ!』も新作がどんどん制作され、そのたびに推しが増えていくわけです。心はホクホクなんだけれど、財布の中は凄く寒いな……というのが、最近の悩みの種です(笑)


『ラブライブ!』シリーズは個性豊かなキャラクターが魅力で、きっと“推し”が見つかるはず。写真は秋葉原駅のアトレ。写真=山内貴範


――最後に、『ラブライブ!』シリーズのキャラクターの推しを教えてください。


とんこつ:無印では小泉花陽ちゃん。『サンシャイン!!』では、国木田花丸ちゃんと黒澤ダイヤさん。ダイヤさんはしっかり系のキャラなんですが、個人回では彼女の弱い部分が見れて、グッときました。『虹ヶ咲』では上原歩夢ちゃん。『スーパースター!!』では平安名すみれちゃんと、米女メイちゃんですね。


――ちなみに、私の推しは無印ではにこにー、『サンシャイン!!』ではヨハネ、『虹ヶ咲』では朝香果林、『スーパースター!!』ではクゥクゥちゃんです。ラブライバーのみなさんとお話をすると、それぞれ推しが異なるのが面白いですね。今回はどうもありがとうございました。


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  • あたしの場合、地元「近江」の国から一番ラ!の聖地から近いからずら♪
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