指揮官も絶賛した阪神・才木浩人の“脱力投法” 手術を乗り越えた24歳に本格開花の気配

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2023年02月06日 07:12  ベースボールキング

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阪神・才木浩人 (C) Kyodo News
◆ 「力入れなくて7割、8割」

 “ロケットスタート”は指揮官の胸も揺さぶった。

 タイガースの沖縄・宜野座キャンプ初日。ブルペンで豪球を投げ込んだのは7年目を迎えた才木浩人だった。


 変化球を交えての50球。「力入れなくて7割、8割ぐらいの感じで投げてました」と振り返ったが、数字は正直だ。

 球団のトラックマンで計測された直球の球速は常時140キロ台後半、150キロ台も2球あったという。

 「感覚はすごく良くなっている。頑張って投げなくても、ある程度球速も出てきたし、ボールの感じもすごく良かったので。あまりオーバーにならないように、そこは気をつけたい」

 自らブレーキをかけなければいけないほどの出力を感じているのだろう。


 ブルペンを視察した岡田彰布監督も、目立った選手でいの一番に才木の名前を挙げた。

 「(手術しても)投げられるということがすごいよな。(ローテにふさわしいかと問われ)ふさわしいどころじゃないんじゃないかな。ブルペンのボール見たらだいたいいけそうやなというのが分かるやんか」。

 初日の50球を目にしただけで、ローテ級……いや、当確ランプも灯しそうなほどの絶賛だった。


◆ 今季は中6日でシーズン完走をめざして

 本人が一番手応えを感じている。

 今オフは“脱力”をテーマに、テークバックの際の右手の上げ方など投球フォームを改造。昨秋キャンプ終了時には「難しい。そんな簡単ではないですね」と話していたが、今春になって精度は一気に向上してきた。  

 “7〜8割の力感で150キロ”は、脱力フォームが体現できる理想の形。「だいぶ良い方向にいっている。あの力感であれぐらいのボールが投げられているので。もう少しバランス良く投げられたら、より良くなる」と手応えを隠さない。


 さらに課題としていたボールの回転軸の傾きも、この日は改善傾向にあったという。

 「軸がまっすぐ立ってきた。前はちょっと斜めの感じだったけど、シュート成分も少なくなっている」

 回転軸の傾きが無くなれば、それだけボールを上から叩けている証拠でバックスピン成分が増える。打者を差し込ませることができ、たとえコースが甘くなってもファールにとどめられる。「次のフォークも生きてくる」と、相乗効果も見込める。


 2020年に受けた右肘のトミージョン手術から本格復帰となった2022年は、シーズン中盤からローテーション入りし4勝をマーク。昨年は右肘の状態を考慮されて中10日を守ってきた登板間隔も、今季は通常の中6日に戻してシーズン完走を目指す。

 取り組む「脱力フォーム」を会得できれば、1試合ごとの疲労軽減にもつながり目標にも大きく近づく。普段から向上心の塊のように、鍛錬を止めない24歳。本格開花へ最高の一歩を踏み出した。


文=チャリコ遠藤(スポーツニッポン・タイガース担当)



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