松本人志「ワイドナショー」卒業理由を自身で説明 お笑い界の盟主としての「使命感」

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2023年03月18日 11:00  AERA dot.

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3月をもって『ワイドナショー』を卒業する松本人志
 ダウンタウンの松本人志の「引退説」が一部のメディアでささやかれている。その発端となったのは、2月24日放送の『人志松本の酒のツマミになる話』(フジテレビ)で、松本が自身の引退時期について「早ければ2年、遅くても5年」と明言したことだ。


【写真】松本人志の引退は早くとも2025年!?なダウンタウンのショットはこちら さらに、松本がこの3月をもって『ワイドナショー』(フジテレビ)を降板すると発表されたことで、5年以内の引退に信憑性が出てきたと考えられているようだ。3月19日放送の『ワイドナショー』では、番組卒業の理由について松本自身が説明をすることになっているという。


 長年ダウンタウンを見てきた立場からすると、松本の引退説と言われても「またか」以外の感想がない。松本が近いうちに引退するのではないか、というような話はこれまで何度となく噂されてきたことであり、もはや目新しい話題ではない。


 上記の番組以外でも、松本はたびたび引退について語っている。そして、若い頃から一貫して「芸能界には何の未練もない」「いつ引退してもいいと思っている」というような主張をしている。言っている内容がずっと変わっていないのだから、恐らくそれが本心なのだろう。


 ダウンタウンがテレビに出始めたとき、彼らがとにかくいつもだるそうにしているのが印象的だった。テレビというのはキラキラしたスポットライトを浴びる夢の舞台であるはずなのに、ダウンタウンの2人(特に松本)はいつも気だるそうにカメラの前に立っていた。


 当時はそれが格好良く見えた部分もあったのだが、今にして思えば、松本は単に本当にだるかっただけなのではないか。そして、現在に至るまでそう感じ続けているのではないか。


 松本にはもともと「芸能界でのし上がりたい」「天下を取りたい」といった野望はなかった。初期のダウンタウンは大阪を拠点に活動しており、若手時代の松本はその状況に満足していた。東京進出は会社の意向でやむなくすることになってしまっただけであり、彼自身は全く乗り気ではなかった。



 松本は初めから自分の笑いに揺るぎない自信を持っていた。だからこそ、それがなかなか世間に理解されないことに苛立っていた。でも、笑いという営みは笑わせる相手がいて初めて完結する。見る人を置き去りにするわけにはいかない。松本は大衆に向き合い、地道な笑いの啓蒙活動を続けていった。


 その成果は確実にあった。松本の笑いは多くの人に愛され、熱烈なファンを獲得した。芸能界における芸人の地位も上がり、お笑い業界はかつてない盛り上がりを見せている。そのすべてが松本によるものかどうかはわからないが、最大の功労者のうちの1人であることは間違いない。


 今年還暦を迎える松本が、引退を現実的な問題として考えているのは不思議なことではない。しかし、当然ながら今日明日にすぐ辞めるというわけにはいかないだろうし、辞めるつもりもないだろう。4月には新番組『まつもtoなかい』(フジテレビ)も始まる。


『M−1グランプリ』『キングオブコント』の審査員、『人志松本のすべらない話』のディーラー、『IPPONグランプリ』のチェアマンなど、今の松本には笑いの権威としての役割を担う仕事が多い。さらに言えば、闇営業騒動のときに自ら事態収拾に動くなど、何かにつけてお笑い界全体のことを考えて行動しているようにも見える。


「急に辞められても困るやろなと思うし、ずっとおられても困るんやなと思いながら、そんな感じで日々、一日一日過ぎていってるけどね。」(『SWITCH』VOL.41 NO.2/スイッチ・パブリッシング)


 最近のインタビューでは、自身の進退についてそのように語っていた。今の松本を突き動かしているのは、お笑い界の盟主としての純粋な「使命感」のようなものなのだろう。(お笑い評論家・ラリー遠田)


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  • あと5年もいるのか・・ってところかなぁ・・あ、ぼやきました。老兵は死なずただ消え去るべきだと思う。ただ尊敬・尊重は必要だ、いなかったら自分もいないはず。
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