「あなたは真面目な人ですね」と言われると、どのような気持ちになりますか?
「誠実・しっかりしている・責任感があると思われたのかな」というポジティブな意味で受け取れているうちはいいでしょう。しかし、もやっとした気持ちになる人もいるのではないでしょうか。
いつも「真面目」に頑張って、ついつい疲れてしまう人は要注意です。
日本メンタルヘルス協会公認心理カウンセラーである筆者が、「真面目」すぎる自分から離れ、自分を大切にするための気持ちの切り替え方をご紹介します。
■「真面目」な人ほど相手を優先しがち……でもそれで本当に大丈夫?
|
|
「仕事も家庭も、きちんとやらなくては」という思いに囚われていませんか?
「真面目」さんは、「私がしっかりしなければ」「相手の期待を裏切ってはならない」と、相手のことを優先してしまう傾向にあります。
「真面目」さんには、完璧主義タイプと心配性タイプの2タイプあります。
完璧主義タイプはなんでも自分ひとりでこなしますが、人に弱みを見せられず、人に頼ることが苦手のため、無理しがち。
心配性タイプは繊細な心を持っており、相手を不快にさせないように、常に気を遣っており、何気ない言葉に対しても考えこんでしまいがち。
|
|
どちらも共通しているのは、自分のことが後回しになってしまっていることです。
しかし人間は誰でも、許容量が存在します。その許容量を超えるまで頑張りすぎてしまうと、心身ともに不健康になってしまいます。
■「真面目」からの解放で本来の自分を取り戻そう
「真面目」であるがゆえに、「ついつい頑張りすぎてしまう自分がいるな」と感じたら、一度立ち止まって考える時間を作りましょう。
そのとき、以下の3つのことを考えてみてください。
|
|
(1)「今」の自分の状態を知ろう
自分自身が辛いと感じていることがあるなら、まずはそのことについて振り返りましょう。
何が、どのように辛いのか。自分がその出来事や言葉に対してどのように感じて考えたのか。
まずは、「真面目」であることに気づき、その事実を受け入れることから始めましょう。
そして、自分に「本当はどうしたかった?」「これからはどうしていきたい?」と問いかけてみてください。
(2)今の気持ちを書き出して頭の中を整理しよう
自分に問いかけたら頭の中だけで考えるのではなく、紙に書いてみましょう。
紙に書くだけでも頭の中が整理されます。頭の中ではぐるぐるしていた考えが、紙に書き出すと、これからの自分の人生で本当に必要なものとそうでないものにすんなり分けられることもあります。
なかなか自分の思いを言えない方でも、誰にも見られない紙に書くだけなら、思いもアウトプットしやすいはず。
書くだけでその思いを手放せることもあるので、思考をクリアにするためにも紙に書き出すようにしましょう。
「書くことに悩んでしまう」という方は、10〜15分タイマーをセットするのもおすすめです。
(3)自分ルールを見直そう
「〜すべき」「〜ねばならない」「〜であるべきだ」という自分の中でのルールを、今一度見直しましょう。
先ほど考えたこれからの自分像にとって、今ある自分ルールは本当に必要でしょうか?
自分の思い込みではないか、他の人も同じように考えているのか、将来の自分にとってそのルールは必要なものなのかを改めて考え、もし必要ないのであれば、一度その「〜すべき」を手放してみましょう。
ルールの鎧で身をかためていると、身動きが取れなくなってしまいます。ルールを見直し、ときにはやめることも必要です。
ルールを守ることは大切ですが、「必ず守らなければならない」ではなく「守れなくてもいいや」くらいの気持ちでいましょう。
「〜すべき」「〜ねばならない」という考え方には、育ってきた環境も大きく関係しており、すでに習慣となっている場合が多く、簡単には変えられないものです。一度に大きな変化を求めると、習慣として身に付く前に元に戻ってしまいます。ですから、気づいたことから少しずつ変えていくようにしましょう。これから生きていくうえで、自分にとって必要な自分ルールは残しつつ、心が疲れてしまう自分ルールは手放していきましょう。
(美容ライター/心理カウンセラー 北口 慈子)