世界で約20例、赤い肌に紙吹雪状の白い斑点を持つ23歳女性「自分を受け入れて前向きに!」(スウェーデン)<動画あり>

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2023年05月09日 05:11  Techinsight Japan

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全身が赤くなって乾燥し、魚の鱗のように皮膚が硬くなりはがれ落ちる難病「先天性魚鱗癬」のなかでも、世界で約20例という「紙吹雪状魚鱗癬(IWC)」を患うナタリー・リチャートさん(画像は『Nathalie Richert 2019年3月11日付Instagram「Överpigg en dag
全身が赤くなって乾燥し、魚の鱗のように皮膚が硬くなり、はがれ落ちる難病「先天性魚鱗癬」。その中でも世界での報告例が約20例とされる「紙吹雪状魚鱗癬」を患う女性が、病気の症状やつらい経験、自身の思いなどについて語った。米ニュースメディア『New York Post』などが伝えている。

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スウェーデンのマルメに住むナタリー・リチャートさん(Nathalie Richert、23)は、先天性魚鱗癬の一つ「紙吹雪状魚鱗癬(以下、IWC)」を患っている。これは加齢に伴い、赤い魚鱗癬の皮膚上に紙吹雪状(コンフェッティ)の白い正常な皮膚が見られるようになるもので、ケラチン10またはケラチン1遺伝子の変異により発症するという。

IWCは表皮の正常な状態が損なわれているため、ナタリーさんの皮膚は乾燥してひび割れを起こしやすく、関節が硬い。皮膚の状態は日によって変わるそうだが、疲れやすく、まぶたが外側にめくれてしまう眼瞼外反の症状がある。しかし根治療法がないため、保湿剤をたっぷりつけて皮膚の乾燥を防いだり、週に2、3回は映画観賞をしながら5時間入浴するなど、症状を和らげる対症療法でしのいでいるという。

ナタリーさんは「調子がいい日には肌が柔らかく、身体を自由に動かすことができるわ。でも次の日には起き上がることもできず、硬くなった肌を柔らかくするために長時間、お風呂に浸かるの。特に天気が悪い日や体調が優れない日は肌の調子が悪く、ひどい痛みでできることが限られてしまうのよ」と語っている。
                                                                                                                                                             
そんなナタリーさんは紫色の肌で誕生し、抱っこしたりおむつをあてただけで出血してしまったそうで、医師は当初、あまりにも稀な疾患ゆえ、どこが悪いのか分からずに頭を抱えていたという。

そしてIWCと診断され、物心が付くようになると、ひどい言葉やいじめで何度も傷ついたそうで、ナタリーさんは次のように明かしている。

「初めて私の肌を見た人はショックを受けるの。真っ赤な肌を見て『トマト』『気持ち悪い』『感染するのでしょう』などと言われたこともあったし、『そんな肌で生きているべきではない』と言ってくる人もいたわ。それに海外の暖かい場所に行った時は、『ひどい日焼けだ』とあからさまに嫌な顔をされることもあったの。」

「悲しかった思い出といえば、学校でウォーターパークに行った10歳の時のこと。先生に『他の客があなたと一緒のプールに入るのを嫌がっている』と言われてね。従業員が苦情を受けたようだった。それで私はプールには入れなくなったのよ。」

「ほかには姉妹と海外に旅行した際、素敵なアパートを見つけたことがあってね。アパートを借りようとしたけれど、私のことを見るなり断られてしまったの。」

「私が極力避けていることは、海に泳ぎに行くこと。皮膚の中に砂が入ってしまうし、日焼けにも注意が必要だから…。それに自分の肌を人の目に晒すことはあまり好きではないの。ジロジロ見られるのはやはりつらいのよ…。」


それでもナタリーさんは、年を重ねるごとに自分の肌を受け入れるようになり、自信を持てるようになったという。そして「自分の肌だから、隠す必要なんてない。最高の人生を送れるように、できるだけポジティブでいよう」と気持ちを入れ替えたそうだ。


「人生の転機となったのは、2021年に初めてIWCについてメディアの取材を受け、写真家数人からモデルの依頼を受けたこと」と語るナタリーさん。このことをきっかけに多くの人から「あなたにインスパイアされた」といった励ましの言葉が寄せられ、SNSにありのままの姿を投稿するようになったという。


ナタリーさんは「SNSには『そんな姿を晒すなんて無礼で忌々しい!』というコメントもあるわ」と明かすも、「私が一番嬉しいのは、魚鱗癬の子を持つ親から質問を受けたり、メッセージをもらうことなの。『同じ病気のあなたが普通の人生を歩み、友達もいて、幸せにしているのを見るととても嬉しくなる』と言ってくれるのよ」と前向きで、こうも語っている。

「私が自身の症状をシェアすることで、同じような病気で苦しむ人たちを励ますことができたら嬉しく思う。外見で差別されたり、無視されたり、いじめを受けることに慣れるべきではないわ。人と違うこと、特別でユニークなことは素晴らしいことだから…。自分を受け入れ、誇りを持つことこそ大切だと思うの!」

「それに私には、支えてくれる家族や友人がいてくれるの。私はとてもラッキーだと思うし、彼らには心から感謝しているわ!」


そんなナタリーさんには、「とても美しい人だと思う」「あなたから勇気をもらった」「自分の悩みが小さなことに思えてきたよ」「治療法が見つかるといいね」「幸せになって欲しい」「痛みは相当なものだろう。前向きさを忘れず、決して諦めないで!」といったコメントが寄せられている。



画像は『Nathalie Richert 2019年3月11日付Instagram「Överpigg en dag, övertrött resten av veckan」、2021年5月10日付Instagram「This is me, red and dry and it’s alright.」、2022年2月15日付Instagram「Happy Valentine」、2022年8月26日付Instagram「One year older than yesterday」、2023年1月14日付Instagram「It’s hard showing so much」』『New York Post 2023年4月14日付「My skin is scaly and burns constantly ― I have a very rare condition」(Jam Press)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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