不動産のプロが教える!“理想の住まい”の叶え方 第7回 ローンはいくらまで借りていい?"年収〇倍"の基準は誰にでも当てはまる?

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2023年06月30日 10:01  マイナビニュース

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住まいを購入するとき、どのくらいの予算で考えれば良いか、悩まれる方は多いと思います。



一般的には年収の〇倍という目安で考えることが多いと思いますが、適正な予算はどのように考えれば良いのでしょうか?


■予算は"家族構成"や"ライフスタイルに"より異なる



単身の方やご夫婦お二人暮らしの方、4人や5人家族の方では、それぞれ住まいにかけられる予算は大きく違ってきます。



子育てには多額のお金がかかりますし、必要となる住まいの広さも変わってきます。一方で、ご夫婦共働きのダブルインカムの方の場合ですと、住まいにかけられる予算を上げることができます。



また、車やバイク、ペットや旅行など、年間10〜100万円単位でお金がかかるような趣味等を持っている方だと、住まいに配分できるご予算はおのずと限られてきてしまいます。



家族構成やライフスタイルによって、住まいにかけられる金額は異なりますので、一概に年収の〇倍という単純計算で算出できるものではないのです。

■具体的な予算はFPへの相談がおすすめ



家族構成やライフスタイルによって、住まいにかけられる予算は変わってきますので、具体的な予算についてはプロのFP(ファイナンシャルプランナー)さんにご相談することをおすすめします。



現状〜将来の具体的な収入や支出を細かくシミュレーションすることによって、どの程度の予算が妥当なのか、算出していただくことが可能です。



FPさんによっては、毎月の携帯電話料金や保険料の見直しなどのアドバイスをいただける場合もあります。

■住宅ローンの借り入れ可能額は年収の8倍程度まで



そもそも、住宅ローンはどのくらいまで借りることができるのでしょうか?



金融機関によって審査基準が異なりますが、一般的には借り入れ可能額はご年収の8倍程度までという金融機関が多いかと思います。

税込のご年収が600万円の方の場合ですと、600万円×8=4,800万円程度になります。



ただし、この目安はあくまで"上限"を表すものなので、この金額ギリギリまで借りても大丈夫ということではないので、注意が必要です。

■返済負担率という考え方



税込のご年収に占める、年間の住宅ローンの返済額の割合のことを「返済負担率(へんさいふたんりつ)」といいます。



返済負担率は一般的に25%以内が安全圏内といわれています。


不動産業者によっては「35%くらいまでは大丈夫ですよ」などとアドバイスをするような会社もありますが、35%まで借りてしまうと、毎月の住宅ローンの返済の負担が大きくなり、返済が難しくなってしまうリスクが高くなります。


例えば税込のご年収が600万円の方の場合は600万円×25%=150万円が毎年、住宅に対して払い続けても安心して払い続けられる金額となります。



150万円を12ヶ月で割ると12.5万円になりますので、12.5万円が毎月の住宅ローンの返済に充てられる金額となります。


マンションの場合は管理費や修繕積立金等が毎月強制的に徴収されてしまうので、管理費や修繕積立金(おおよそ3〜4万円程度)の支払いも踏まえた予算設定にすることが大切です。戸建の場合であっても定期的なメンテナンス費用は必要になるので、計画的な貯蓄が必要となります。


仮に【金利0.5%】の住宅ローンを組む場合、【4,820万円】を借り入れると、毎月の住宅ローンの返済額は約12.5万円となります。



フラット35などの長期固定金利の場合、基本的に変動金利より金利は高くなってしまいますが、仮に【金利1.7%】の住宅ローンを組んだ場合には、【3,950万円】を借り入れると、毎月の住宅ローンの返済額は約12.5万円になります。

■まとめ



住まいにかけられる予算は家族構成やライフスタイルによって異なりますが、「返済負担率」から逆算することによって、ある程度の目安を把握することができますので、一度ご自身でも計算してみましょう。



予算が妥当かどうか不安のある方は、住まい探しを始める前に、一度FPさんに相談していただくことをおすすめします。



安心できる予算が明確になると、物件探しもスムーズに進められるかと思います。



足立 淳 あだちじゅん 東京・恵比寿にある小さな不動産会社「サムタイムズ」代表。日々、お客様の上質な中古物件探しと信頼できるリフォーム会社の紹介を行っている。これまでに延べ1,000組以上のお客様の住まい探しをサポート。自身でも築35年のヴィンテージマンションをリノベし、家族4人で暮らしている。北欧ヴィンテージ家具と観葉植物をこよなく愛する。 この著者の記事一覧はこちら(足立 淳)

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