車のトランクからはみ出した黒い髪の毛、その真相に警察官が大笑い（米）＜動画あり＞

米オハイオ州で、トランクから黒い髪の毛がはみ出したまま走行している不審な車が多くの人を恐怖に陥れた。目撃者から通報を受け、事件を視野に入れて車の所有者である女性の自宅を訪れた警察官は、彼女の一言を聞いて笑いが止まらなかったという。米ニュースメディア『New York Post』などが伝えている。

【この記事の他の写真を見る】

米オハイオ州のマシロン警察に現地時間6月13日、「車のトランクから黒い髪の毛がはみ出ている」と遺体を積んでいると思わせるような通報が届いた。同警察は通報者の情報をもとに、その車の所有者であるトーリア・タウンゼントさん（Toria Townsend、30）の自宅に警察官を向かわせた。

警察官がドアをノックするとトーリアさんはご機嫌な様子でドアを開けたが、相手が警察官だと分かると「なんてことかしら！」と驚いた。警察官が来るようなことをした覚えがないトーリアさんに緊張が走り、以下のような会話が続いた。

警察官「信じられないような驚くことが起きているのですが…。」
トーリアさん「何があったんですか？」
警察官「誰かが心配して通報してきたんです。その…あなたは美容師か何かですか？」
トーリアさん「いいえ、何があったの？　分からないわ。」
警察官「そうですか。実はあなたの車のトランクから髪の毛がはみ出ているみたいなんですよ。」
トーリアさん「なんてこと！　それ、私のウィッグだわ！　ちょっと待って！」

トーリアさんの車のトランクから見えていた髪の毛は、彼女のウィッグだったことが判明した。殺人事件も視野に入れていたであろう警察官は、トーリアさんの一言で安堵とともに笑いが止まらなくなってしまった。当時のやりとりはトーリアさん宅のドアベルのカメラが映像で記録しており、そこにはトーリアさんが車の鍵を取りに行っている間、笑いをこらえようとしている警察官の姿が映っていた。

実はこの日、トーリアさんは車で45分ほどの場所にある美容院に予約を入れていたが、遅れそうになった。そして到着するとすぐに、つけていたウィッグをトランクに放り込んで美容院に駆け込んだ。どうやらその時に、ウィッグがはみ出たままでトランクを閉めてしまったようだ。


美容院を出た後、ウィッグに気づかないままのトーリアさんは自宅まで1時間ほど車を走らせ、その間に彼女の車を見て驚いた人がナンバープレートを含めて髪の毛の垂れ下がった車の後部を撮影し、それを警察に送って通報したようだ。トーリアさんは米テレビ局『WJW』のインタビューに応じて、このように語っている。

「私を知っている人なら、急いでいる時は何も考えずに行動してしまうことを分かっています。（帰宅した時に）人々は私を強盗か何か汚いものを見るような目で見ていたんです。『なんでみんな、寝起きの機嫌が悪いような顔をして私を見るんだろう』って思っていました。」

「正直言って、通報してくれる人がいて嬉しく思っています。地域の人々がどれだけ気にかけてくれているのかが分かりました。それに有色人種と警察官の間で良い結果が生まれることはあまりありませんが、うちに来た警察官は本当に親切でした。彼らは（黒人の）私を偏見を持って見たりはしませんでした。」

その後、トーリアさんと警察官のやりとりを捉えたドアベルの映像がTikTokに投稿され、多くの人を笑顔にしたようだ。トーリアさんは最後に「よりによってこんなことが実際に起きるなんて。これって私にしか起こらないことなんですよね」と笑いながら語った。

ちなみに今年5月にも、米オクラホマ州で警察官に笑いをもたらす出来事があった。市民から「助けを求めている人がいる」通報を受けて駆けつけた警察官の耳に「ヘルプ！　ヘールプ！」と野太い叫び声が聞こえて緊張が走ったものの、声の主は仲間と引き離されて癇癪を起こしたヤギだったという。



画像は『New York Post　2023年6月29日付「Wig sticking out of woman’s trunk prompts 911 calls: ‘That’s my weave!’」（WJW）（Courtesy of Toria Townsend）』のスクリーンショット
（TechinsightJapan編集部　MasumiMaher）