エリクシールは1983年に誕生。ブランド名はフランス語で「エッセンス」「万能薬」といった意味を持ち、一人ひとりの肌の美しさを最大限に引き出す「奇跡の一滴」となる化粧品を提案している。2016年のリブランディングで「つや玉」をキーワードにしたことが功を奏し、ユーザーを拡大。2018年に全面リニューアルし、時代や価値観、ライフスタイルの変化に寄り添う形で進化してきた。最先端のコラーゲン研究を基盤に、潤いやシワ、ブライトニングなどさまざまな肌の悩みにアプローチする製品を展開。16年連続で売上No.1(インテージSRI,SRI-Iの基礎化粧品<スキンケア>市場メインシリーズランキングの推計販売金額)を維持し、16年間累計の出荷数は3億個にのぼる。
また、海外では中国や台湾を中心にアジアの9つの国と地域に進出し、日本発のエイジングスキンケアを訴求。2004年から参入する中国では、エイジングケアで認知を拡大しているほか、現地では珍しい化粧品の詰め替え製品を皮切りにサステナビリティのブランドバリューも積極的に提案している。
近年は、資生堂の国内およびアジアにおける成長戦略の要であり、「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD」を体現するブランドとして積極投資ブランドのひとつに数えられる。昨年のブランドイノベーションでは、まずはハリ・うるおいにアプローチするエイジングケアライン「リフトモイスト」を刷新し、その後2023年2月にブライトニングラインを発売。また、時代とニーズの変化によってズレが生じていたターゲット層を整理し、コミュニケーション面ではテレビCMのほか雑誌やウェブなど多方面から発信し、接点を強化した。
これらの取り組みにより、エイジングケアラインは前年比33%増、ブライトニングラインは同69%増の成果を達成。同時にブランドのエイジングケアを担う、薬用有効成分の純粋レチノール配合のシワ改善美容液をコミュニケーション面でテコ入れし、同23%増となった。マスクの着用規制緩和でシワやたるみが気になるユーザーが増加した社会的な状況も、売り上げを後押しすることとなった。特にトライアルユーザーがブランドの成長を支え、2018年のリニューアル時と比較して全世代で1.8倍に伸長し、コアユーザーに設定した45歳以上は2倍の成長率を記録するなど、新戦略のマーケティングがけん引した。