「麻布台ヒルズ」の全貌が明らかに! 11月開業へ

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2023年08月10日 12:31  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
麻布台ヒルズ(東京都港区)が11月24日より順次開業となる。東京メトロの六本木一丁目駅(南北線)と神谷町駅(日比谷線)に挟まれた約8.1haの計画区域には、オフィス、住宅、ホテル、商業施設、文化施設、教育機関、医療機関などの都市機能が集中。そして約2万4,000平米の広大な緑地も広がる。都内で開催のメディア説明会で、森ビル 代表取締役社長の辻慎吾氏は「年齢も性別も国籍も様々な年間3,000万人の方たちを迎え入れる街にしていきたい」と意気込みを語った。


○緑豊かなコンパクトシティに都市機能が集中



麻布台ヒルズは、六本木ヒルズに匹敵するスケールとインパクトを備える都市計画。森ビルでは"ヒルズの未来形"と期待を寄せている。その象徴となる森JPタワーは地上64階、高さが330mという超高層ビル。大阪市の「あべのハルカス」を抜いて、日本でイチバン高いビルに躍り出た。


麻布台ヒルズは"Modern Urban Village〜緑に包まれ、人と人をつなぐ「広場」のような街〜"をコンセプトに全体開発が進められてきた。テーマには、人々が自然と調和しながら心身ともに健康で豊かに生きる"Green & Wellness"を掲げている。高低差のある地形を生かし、低層部の屋上を含む敷地全体を緑化。都心の既成市街地でありながら、広大な緑地を確保した。敷地内には約320種の多様な植物を配し、果樹園や菜園など、人の営みと関わる緑も積極的に採用。街のシンボルとなる「中央広場」は、人々の交流や憩いの場となっている。


○エルメスなどラグジュアリーブランドも出店



中央広場の地下には、約4,000平米を誇る大規模な「麻布台ヒルズ マーケット」が誕生。生鮮(鮮魚)、惣菜、グロッサリー、ワイン・リカー、ベーカリー、スイーツ、フラワーなど、日本を代表する専門店が集まる。またタワープラザには、ファッション&ライフスタイルのショップや様々なジャンルの飲食店が集結。低層部のガーデンプラザには、HERMES、Cartier、BVLGARIといったラグジュアリーブランドが入り、開放感あふれるテラス付きのカフェ、日本トップクラスのハイエンドなレストランも集まる。商業施設は、街全体で約150店舗となる予定。


○「街全体がミュージアム」 - チームラボや集英社マンガも



「街全体がミュージアム」をコンセプトにする麻布台ヒルズでは、オフィス、住宅、ホテルのロビーや広場など、街のあらゆる場所にパブリックアートを設置。また美術館仕様の設備を備えた「麻布台ヒルズギャラリー」では、アート、ファッション、エンターテイメントなど、多様なジャンルの文化を発信していく。そしてお台場で人気を博した「森ビル デジタルアート ミュージアム: エプソン チームラボボーダレス」もこちらに移転オープン。このほか「集英社マンガアートヘリテージ」では、尾田栄一郎の『ONE PIECE』、久保帯人の『BLEACH』、池田理代子の『ベルサイユのばら』などが"受け継がれていくべきアート"となって常設展示される。


○アマンが手がける世界初高級ホテル「ジャヌ東京」



レジデンスAの低層部には、アマンが手がける世界初となる高級ホテル「ジャヌ東京」がオープンする。緑豊かな中央広場に面した絶好のロケーションに位置する122室を用意。都内ホテル最大級となる約4,000平米のウェルネス施設にはトレーニングスタジオ、フィットネスジムなどを備える。また8つのレストラン&バーも開業する。


○森ビルのノウハウを注ぎ込んだレジデンス



邸宅としての機能を極めた「麻布台ヒルズレジデンス」は、森ビルのノウハウを注ぎ込んだ住宅。都心を見渡す眺望をはじめ、設備、デザインなど全てにおいて高いクオリティを追求し、こだわりぬいた共用施設や、1人ひとりに向き合うサービスを提供する。麻布台ヒルズにおける住宅の総戸数は約1,400戸、居住者数は約3,500人を見込む。


○オフィスやインターナショナルスクール、医療センターも



麻布台ヒルズでは「緑あふれる街のすべてがワークプレイスになる」とうたう。麻布台ヒルズ森JPタワー、麻布台ヒルズレジデンスB、ガーデンプラザBにそれぞれオフィスが入る予定で、総貸室面積は約214,500平米、就業者数は約20,000人に上る見込み。


このほか、都心最大規模のインターナショナルスクール「ブリティッシュ・スクール・イン 東京」、最新の医療機器と高い専門性を持つ「慶應義塾大学予防医療センター」なども森JPタワーおよび周辺のビルに入る。


○森ビル社長「"ヒルズエリア"が繋がった」



最後に、辻社長は「新たに麻布台ヒルズが開業することで、六本木ヒルズ、アークヒルズ、虎ノ門ヒルズを合わせたヒルズエリアが繋がります。これは私たちの取り組みが、いよいよ新しい時代に入ったということ。それぞれが多様な個性を持ったヒルズが東京の中心に集積することで、ますます東京の魅力が向上します。オフィス全体面積は98万2,000平米ということで世界を動かす規模となり、商業施設はトップラグジュアリーから日常までを支える多彩な640店舗を構えた巨大な商業圏となり、生活の基盤となる住戸数も4,440戸となりました。私たちは、東京を国際都市間競争に勝ち抜ける都市にすべく、これまで取り組んできました。その挑戦は、いま始まったところ。これからもヒルズをさらに成長させていきます。この街に参加するパートナーとともに、東京から世界に向けて新しい豊かさ、新しい価値観を提案していきます」と力強く結んだ。


このあと、辻社長はメディアの質問に回答した。



麻布台ヒルズのプロジェクトは、スタートしてから完成に至るまで実に30余年がかかっている。なぜ、ここまで時間がかかったのか、と聞かれると「街づくり協議会が1989年にできてから、バブル崩壊、阪神大震災、アジア通貨危機、ITバブル崩壊、リーマンショック、東日本大震災、コロナ禍と、様々なことが起こりました。プロジェクトはその都度、内容の変更を繰り返しながら進んできました。また、約8.1haの敷地には約300人の権利者の方がおられるため、合意形成に相応の時間がかかりました。このエリアは土地の高低差が18mほどあるため、都市計画を立てるまでに困難を要したのも要因のひとつです」と辻社長。そのうえで、しかし2017年に国家戦略特区に基づく都市計画が決定してからはスピード感をもって進められた、と評価した。


地震などの災害対策について聞かれると「防災は最大のテーマだと思っています。行政と連携し、帰宅困難者を受け入れる体制を整えています。約6,000平米に約3,600人の方を受け入れ可能です。もともとヒルズは『逃げ込める街』という考え方でも街づくりを進めてきました。たとえば大きな地震のとき、この街に逃げ込めば何日間の備蓄、燃料がある。電気が止まってもガスで自家発電、ガスが止まってもオイルで自家発電できるので、ビジネスも止めることなく継続できます」と説明。ちなみに、麻布台ヒルズの全てのタワーは"特級レベル"の耐震性能をクリアしているとのことだった。


近藤謙太郎 こんどうけんたろう 1977年生まれ、早稲田大学卒業。出版社勤務を経て、フリーランスとして独立。通信業界やデジタル業界を中心に活動しており、最近はスポーツ分野やヘルスケア分野にも出没するように。日本各地、遠方の取材も大好き。趣味はカメラ、旅行、楽器の演奏など。動画の撮影と編集も楽しくなってきた。 この著者の記事一覧はこちら(近藤謙太郎)

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