限定公開( 1 )
2023年シーズンにリーグ3連覇、2年連続の日本一を目指すオリックス。監督、コーチ、選手、スタッフらの思いを、「猛牛ストーリー」として随時紹介していきます。
第94回は、紅林弘太郎内野手（21）です。4年目の今季リーグ11位の打率をマークするなどチームの勝利に貢献していますが、失策「5」と守りでも飛躍を遂げています。
「打てる大型遊撃手」が秘かに願うのは「三井ゴールデン・グラブ賞」（GG賞）と「ベストナイン」のタイトル獲得です。
◆ 2人の名手から授かったアドバイス
「源田さんからタイトルを奪いたいですね（笑）」。8月下旬、守備について語っていた紅林が、はにかんで答えた。
初めて出場した『マイナビオールスターゲーム2023』。「6番・遊撃」で先発出場した第2戦（マツダスタジアム）でチーム最多の3安打を放ったが、一番の収穫は源田壮亮（西武）から受けた守備のアドバイスだったという。
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源田は昨年まで5年連続してGG賞を獲得した守備の名手。一方、紅林は強肩と守備範囲の広さで守備も評価されているものの、一軍に定着した21年からの失策数は「14」「11」とリーグ最多を記録している。
しかし、今季は9月10日現在で「5」。パ・リーグでは源田と山��剛（楽天）、上川畑大悟（日本ハム）の「8」が最多で、今宮健太（ソフトバンク）の「7」、友杉篤輝（ロッテ）の「6」と続く。
失策数の減少には、元ヤクルト・宮本慎也さんのアドバイスも生きている。
「お前のプレーは、ちょっと軽いな」。昨年のオフ、出会った宮本さんからこう声を掛けられた。
「僕は、シングルでボールを捕りに行くことが多くて、そういう指摘を受けました」
宮本さんは「ちゃんと脚を使って捕りに行かないと、長い間野球は出来ないよ。今は若くて、肩も強いからカバー出来ているけれど、30歳代、40歳代と先を考えたら、脚を使える時には脚を使った方がいいよ」と続けた。
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獲りたいと願うGG賞は、記者投票による選出。昨年は有効投票261票のうち、源田は160票を獲得。紅林は79票の今宮に次ぐ15票だった。
チームが連覇を果たし、守備面でも貢献したとはいえ、評価は厳しいものだった。
◆ 「ベストナインも獲りたい」
今季は、打撃でも成長している。
10日現在、打率.261はリーグ11位だが、 オープン戦で打撃が低迷した今季は開幕一軍を逃した。
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二軍を担当する高橋信二・打撃コーチのアドバイスも参考になった。
ボールを上げる意識をなくすため、ティー打撃でボールの下を振って空振りをする練習を重ねた。一軍に上がっても、同じ練習を愚直に取り入れている。
「ベストナインも獲りたいですね」
GG賞やベストナインは、失策の数だけで決まるものではないが、選手への評価を表すものに他ならない。
残り21試合。成長した姿を最後まで見せる。
取材・文＝北野正樹（きたの・まさき）
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