前回からの続き。私はフミノ。トモキの母です。裕福な家庭育ちで、女子大を卒業後は家事手伝いとして実家で過ごし、すぐに親の勧めで出会った夫と結婚しました。
夫は経済力のある人でしたが、女性問題が途切れることはありませんでした。実家に戻ろうかと考えたこともあるのですが、実家には兄夫婦が同居していて帰りづらい状況でした。私はトモキの成長にすべてを捧げました。一緒に中学受験を乗り越え、トモキは見事、有名私立校に合格しました。
成長するにつれ、トモキは私の手を離れていきました。トモキは部活動や友達を優先するようになり、私はまた孤独を募らせるように。そして……寂しさを紛らわせるため、私は不倫の世界へと足を踏み入れてしまいました。男性から甘い言葉を囁いてもらえるだけで、私は有頂天に。外泊こそしませんでしたが、帰宅時間が遅くなることもありました。けれど夫もトモキも、自分のペースで過ごしていました。私のことなんか、家族は気にしていない。そう思っていたのに……。
トモキは私の不倫を知っていたのです。すぐに恋人とは別れましたが、トモキとの間に深い溝ができてしまいました。さらにトモキの就職が決まった直後……。「離婚しよう」夫もすべてを知っていたのです。
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こうして私は一人になりました。パート勤めも始めましたが、働いた経験がない私は周りから怒られてばかり。2ヶ月ともたず辞めてしまいました。長年主婦をしていても、すぐに社会に出れる人もいるでしょう。でも、不器用な私にはできなかった……。
トモキに事情を話したら、就職後、毎月数万円の援助をしてくれることになりました。結局、誰かに依存しないと生きていけない私……。「つくづく情けない女だな」元夫の言葉が、私の心から消えることはありませんでした。
【第6話】へ続く。
原案・ママスタコミュニティ 脚本・千永美 作画・善哉あん 編集・Natsu