岡田准一、二宮和也ら旧ジャニーズ俳優の“独立宣言”で浮き彫りになった「何やってもキムタク」との差

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2023年10月26日 21:00  週刊女性PRIME

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二宮和也、木村拓哉

「僕は明日からも嵐です。これはこの先ずっと嵐がある以上、嵐ですので、嵐が再開する、活動する時は一緒にやっていく」

 10月24日付で旧ジャニーズ事務所(現『SMILE-UP.』以下“スマイル社”)から独立したことを会員サイトで報告した二宮和也。今後は“個人”で活動していくとのことだが、『嵐』を脱退するわけではなく、グループ活動の再開時には参加することも併せて発表した。

 1996年の入所から27年間を過ごした事務所を離れる理由として、同じく11月30日をもって独立する元V6・岡田准一に倣って、ジャニー喜多川氏による性加害問題が起因とした二宮。そして東山紀之新社長や井ノ原快彦副社長が、矢面に立った会見後に「怖くなった」との心情も吐露してみせた。

 元フリーアナウンサーの妻と、そして2人の娘を守っていく大黒柱として、“スマイル社に残る”将来を悲観したとしても致し方ないところ。また、岡田と並んで高く評価された“ジャニーズ俳優”だけに、独立後も芸能活動に影響なしと踏んだのだろう。

 スマイル社としてはただ2人、映画関係者の投票によって選出される『日本アカデミー賞』で最優秀主演男優賞を獲得するなど、日本を代表する俳優として認められている二宮と岡田。「この“箔”は思いのほか大きい」とは映画配給会社・営業担当者の見解。

ハリウッド進出の現実味帯びる岡田

「ハリウッドでも活躍する渡辺謙さんに真田広之さん、そして主演映画『おくりびと』が本場の米アカデミー賞で評価された本木雅弘さん然り、やはり主演男優賞の受賞経験は国内だけでなく海外進出の際にもアピールポイントになります。

 それに『Netflix』などのドラマ、映画コンテンツの配信サービス全盛の今、日本市場を拡大する意味でも各作品で日本人俳優をキャスティングしていると聞きます。特に岡田さんはアクションにも定評があるだけに、ハリウッド進出にも現実味が帯びますね」

 そんな二宮と岡田だが、もとは嵐では相葉雅紀と松本潤、V6では森田剛と三宅健の“剛健コンビ”らの影に隠れた、グループ内ではいわゆる“じゃない方”扱いだった。それだけに“生き残るため”、懸命に演技を磨いてきた経緯がある。

 二宮のジャニーズJr.時代を知る、キー局の元ドラマプロデューサーによると、

ジャニーさんが“おもしろい子がいるよ”と連れてきたのが10台半ばだったニノ。ひょろっとした細い子で、しかも演技は素人だという。学園もので、その他大勢の生徒役ならと思ったら、ジャニーさんは“鍛えてよ”と演出担当に熱心に売り込んでいましたね。

 すると数年後には蜷川(幸雄)さんの作品で主役を張っていて、(渡辺)謙さんとクリント・イーストウッドに並んでいた(2006年『硫黄島からの手紙』)。見違えるような演技をしていたし、何よりもジャニーさんの先見の明に驚いたね(笑)」

 岡田もまた“素人”の身から演技を学んでは、作品に合わせての肉体改造はもとより、ハードなスタントアクションや武術も極めるストイックな役作りで存在感を高めた。各映画賞でも常連になる活躍ぶりに、名優・高倉健さんの形見腕時計を中井貴一から託された逸話もあるほどだ。

「当初こそ、ジャニーさんの“お膳立て”はあったのでしょう。でも、アカデミー賞俳優にまで上り詰めたのは間違いなく本人の努力によるもので、積み重ねてきた実績と自信、そして苦労は色褪せない財産になると思います。

 そんな独立に踏み切れた二宮さんと岡田さんの一方で、余計なお世話ながら比較してしまうのが木村拓哉さん。俳優として円熟期に差し掛かる50歳を迎えた今、これからも“キムタク”を全うしていくのかどうか……」(前出、映画配給会社・営業担当者)

ドラマでも“ジャニーズ離れ”が起きている

 独立する2人の俳優活動に太鼓判を押す一方で同者が心配するのが、新設するマネジメント事務所とエージェント契約を結ぶ方針を伝えられた元SMAP・木村拓哉。インスタグラムに変わらず日常を投稿し続ける木村だが、その“去就”に関する公式発表はなされていない。

『週刊文春』では独立の画策も報じられたが、スマイル社は《書かれている内容はすべて事実無根》とコメントしているだけに、木村はあくまでも“ジャニーズ”であり続けるようだ。彼の主戦場はドラマなのはご存知の通りだが、テレビ局を担当する広告代理店・局担スタッフは「決して前途は明るい、とは言えません」と声をひそめる。

「企業による“ジャニーズ離れ”は深刻な状態で、来年に予定していたジャニーズタレントの主演ドラマが何本か“飛んだ”と聞きます。たとえ視聴率が見込めたとしても、スポンサーに“枠”が売れないのであれば起用メリットがないと判断されたのでしょう」

 スマイル社の二転三転した後手後手対応も心象が悪かったのか、世間や視聴者が向ける不信感は思いのほか大きく、CM等の出稿に難色を示すスポンサー企業が増えているという。この煽りをもろに受けたのが、『日産自動車』や『マクドナルド』などの大手企業から“切られた”格好の木村だ。

 2024年に放送予定だったフジテレビ系『教場』SPドラマの撮影延期に、各方面で内定が報じられた4月クールのテレビ朝日系の連ドラもストップがかかっているという。

「一本調子の演技から“何を演じてもキムタク”とも揶揄されることもあった木村さんですが、近年においても主役で起用される背景には、もちろん話題性もありますが、枠を買ってくれるスポンサー含みとの見方もあります。

 ドラマの現場にも立てない状況、それに出演すれば高視聴率をとれる“キムタク”の時代は終わりつつあります。せめてアカデミー賞にノミネートされるような、評価される演技力があれば話は違っていたのかもしれませんが」(同・広告代理店スタッフ)

ジャニーズを“背負わされた”木村

 かつては『HERO』(フジテレビ系)シリーズをはじめ視聴率20%、30%を平然と叩き出していた木村だが、“ダークヒーロー”に方向転換した、先の“月9”ドラマ『風間公親−教場0−』は平均視聴率9.8%と二桁を切ってしまった。

「木村は決して演技が下手なわけではない」とは前出の元ドラマプロデューサー。

蜷川さん演出の舞台『盲導犬』や、ラグビードラマ(『松葉杖のラガーマン』TBS 系)では一所懸命でひたむきな演技に“木村拓哉”の可能性を感じさせましたが、本当の演技を学ぶ前に“キムタク”になってしまったように思える」

 1993年の『あすなろ白書』(フジテレビ系)で大ブレイクして以後、アイドル俳優としてテレビ局が用意する“ヒーロー像”になりきり、また視聴者が求める“キムタク”を演じてきた木村。二宮や岡田とは、背負わされたものの大きさが違いすぎたのかもしれない。

「ただ古い話ですが、木村と同じように“何の役をやっても”と言われた高倉健さんも、アラフィフになってからフリーに転向。それまでの任侠映画イメージを払拭するかのように新境地を開拓して、世間から広く評価されるアカデミー賞常連の俳優になっています。

 木村も50歳だからといって遅くはない。ドラマに出られないのならば映画や舞台に出る選択肢もある。それこそジャニーズを辞めて、身体一つで出直しを図ったとしても決して遅くはないと思いますね」(同・元ドラマプロデューサー)

 世界各国の俳優が出演する海外ドラマ『THE SWARM/ザ・スウォーム』(『Hulu』で視聴可能)が、ドイツやフランスで各賞を受賞しているという。主演ではないが、同作に“日本代表”として出演している木村。“何をやってもキムタク”とは見做されない海外こそ、彼が進むべき道なのかもしれない。

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