「連日の公務で極限状態」秋の園遊会、雅子さまが招待客に見せた“渾身の愛”

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2023年11月08日 08:10  週刊女性PRIME

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春の園遊会は和装だったが、秋は淡い黄色のスーツの雅子さま(11月2日)

 都心では夏日に迫るなど季節外れの暑さとなった11月2日。東京・赤坂御苑で天皇、皇后両陛下が主催される秋の『園遊会』が開かれた。

5年ぶりの『園遊会』

「両陛下が各界の功労者を招いて慰労するガーデンパーティーです。コロナ禍の間は開催を見合わせていましたが、今年の春に再開。秋に催されるのは'18年11月以来、5年ぶりでした」(皇室担当記者)

 今回は、シンガー・ソングライターの松任谷由実や、元プロ棋士の加藤一二三、漫才師の西川きよしなど、約1000人が出席した。

「強い日差しが照りつける中、両陛下は約1時間、歓談を楽しまれていました。その間、招待客は立って待っているのですが、みんな汗だくだくで……。ご年配の方が多かったこともあり、体調不良者も出てしまったそうです。春の園遊会よりは格段に穏やかな気候でしたが、暑すぎるのも困りますね」(招待客の女性)

 毎回、招待客が変わる園遊会。雷雨に見舞われた今年5月の園遊会に出席した、レスリングの須崎優衣選手に話を聞いた。

「悪天候で大変だったと思うのですが、両陛下はそういったことを感じさせないくらい、1人ひとりに向き合って丁寧に会話してくださいました。

 東京五輪に関する質問が主でしたが、雅子さまからは“レスリングを始めたきっかけ”や五輪がコロナで延期になった際、どんなモチベーションだったか”といった質問がありましたね。最後には“また次も頑張ってね”とお声がけいただいて……。ご表情も物腰も柔らかく、素敵な方だと感激しました」

 同じく、春の園遊会に招かれた『上原樹苗』代表の上原和直さんは、こう振り返る。

「私は、令和2年度の『農林水産祭』林産部門で天皇杯を受賞したのですが、両陛下から“大変な功績、おめでとうございます”とのおことばをいただきました」

 雅子さまからは具体的な仕事内容を問われたといい、

「サクラやモミジといった自然の植物を種から育て、苗木を生産し、販売していると申し上げると、“種から育てているんですね!”と、驚きつつ興味を示していただきました。皇族方は皆さま植物に対して豊かな感受性がおありでしたが、雅子さまは特に、自然を愛でることを大切にしていらっしゃることが伝わりました」(上原さん)

 このように招待客との交流を楽しまれたこともあり、終了時刻は予定より1時間以上も遅れてしまった春の園遊会。

「令和になってから初めての園遊会だったため、タイムマネジメントに関する課題が残りました。一方、秋は予定どおりの進行となり、春よりも1時間ほど早く終了。両陛下は主催者として、前回の反省を生かされたのだと思います」(前出・皇室担当記者)

注目を集めたユーミンとのご交流

 注目を集めたユーミンとのご交流では、陛下が“好きな曲”に言及されるひと幕も。

「1976年にリリースされた『翳りゆく部屋』がお気に入りのようです。《どんな運命が愛を遠ざけたの》というフレーズで知られる曲ですが、陛下がおっしゃると重みが違いますよね」(宮内庁OB)

 しかし、雅子さまは言葉少なだったようだ。園遊会後に雅子さまの印象を問われたユーミンは、「皇后さまは、わりあい寡黙な方でいらっしゃって。でも、すごく優しくほほ笑まれていました」と振り返った。

 雅子さまはあいづちを打たれるものの、基本的に陛下が会話をリードされていたという。

 元プロテニス選手の吉田(旧姓・沢松)和子さんは、雅子さまとの会話について、「お話ししたかしら。はっきり覚えていません」と申し訳なさそうに語った。

「疲れがしばらく残ることもある」

「雅子さまが終始控えめに交流されていたのは、終了時刻を気にされて……という理由だけではなさそうです」

 そう話すのは、前出の宮内庁OB。

「秋に園遊会が開かれるのは、令和初。秋は行事が立て続けとなる季節で、両陛下が重きを置かれる『四大行幸啓』と呼ばれる公務のうち、3つが行われます。会場は、47都道府県で毎年持ち回りですが、今年はそれぞれ、北海道、鹿児島県、石川県と遠方だったため、ご負担も大きかった。連日の公務でお疲れがたまっている中、“極限状態”で迎えられた園遊会だったともいえます」(同・宮内庁OB)

 今年2月に開かれた陛下の誕生日会見では、雅子さまについて「快復の途上で、体調には波がある」「疲れがしばらく残ることもある」とのご発言もあった。

「園遊会の当日までに、招待客の経歴などを事前に予習する必要もあります。春は余裕を持って準備できた雅子さまも、秋は疲労の蓄積や過密なスケジュールにより、切迫した状況だったのでは」(前出・皇室担当記者)

招待客からの印象は「寡黙な方」「お話ししたかしら?」

 一方で、園遊会での雅子さまのご表情に安心感を抱いた人もいる。元宮内庁職員で皇室解説者の山下晋司さんだ。

マスクをしておられましたが、目元の表情から、ごく自然な笑顔だとわかりました。以前は、笑顔もこわばっておられるように感じることが多かったのですが、最近は園遊会をはじめ、ご視察先などでも自然体の印象です。国民との交流で相手が喜んでくれたことが自信になり、それが自然な笑顔につながり、それを拝見した国民はさらに喜ぶ。そのような相乗効果が感じられた園遊会でした

 今回の園遊会に出席した照明デザイナーの石井幹子さんも、

雅子さまは、お元気になられたようで……とてもおきれいで頼もしかったです。今年1月に亡くなった私の主人は、東京大学法学部の教授でした。

 かつて在籍されていた雅子さまは、そのことをご存じだったようで“在学中に講義は聴けませんでしたが、お悔やみ申し上げます”とのおことばをいただきました」

 石井さんは、'90年代にも園遊会に出席したことがある。

「上皇ご夫妻の時代ですが、そのときはもっと緊張した空気でした。今回はリラックスした雰囲気で。雅子さまとは初めてお目にかかったのですが、本当に和やかで、このような方が皇后であられるのは、日本にとってありがたいことだと実感しました」(石井さん)

 雅子さまの“渾身の愛”は、招待客にしっかり届いている。

山下晋司 皇室解説者。23年間の宮内庁勤務の後、出版社役員を経て独立。書籍やテレビ番組の監修、執筆、講演などを行っている

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