北関東初となる「IKEA前橋」が10年越しにオープン、環境負荷が最も低い店舗運営を目指す

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2024年01月12日 10:51  Fashionsnap.com

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 イケア・ジャパンが北関東初となる店舗「IKEA前橋」を1月18日にオープンする。同社は2013年に土地を取得し、当初は2015年頃に開業する計画を発表していたが先送りとなり、今回は約10年越しでの出店となる。オープンに先駆けて、1月11日に報道関係者に向けた内見会が開催された。

 同店は、北関東自動車道 前橋南インターチェンジから車で約5分の場所に立地。約5万8000平方メートルの敷地に、地上2階建て、約1万平方メートルの店舗を構え、約900台の車を収容できる無料の屋外駐車場を完備する。北関東初のリアル店舗として、群馬県だけでなく長野県や新潟県など周辺地域からの集客を見込むとともに、オンライン購入に対応する北関東エリアの物流拠点としての役割も担う。

 IKEA前橋では、既存店と同様に「デモクラティックデザイン」と呼ばれる5つの要素(優れたデザイン、機能性、品質、サステナビリティ、低価格)を考慮して開発したホームファニッシング製品約9500点をラインナップ。また、スウェーデンの伝統的な料理やスイーツ、環境負荷に配慮したプラントベース(植物由来)のフードなど約150点の食品を販売する。
  イケアの製品や世界観をフルスケールで体験できる同店でのショッピングは、入店後に柱の案内に従ってエスカレーターで上がった2階からスタート。2階では「ソファ・パーソナルチェア」や「リビングルーム収納・本棚」「デスク&チェア」「キッズ&ベビー」など10のカテゴリーに分けて商品をディスプレイしている。また、ショールーム形式でイケア製品を用いた多様なインテリアコーディネートや収納のアイデアを紹介する「ルームセット」を、それぞれのカテゴリーに合わせて展開。店内の床や看板で示されたサインに従って順番に進むことで、全てのルームセットや製品を見ることができる。

 地域住民の暮らしやニーズを把握し寄り添うため、約2年前から対面・オンラインでのホームビジットやアンケート調査を実施し反映したというルームセットは、全41種類を展示。年齢やジェンダー、家族構成、居住地、職業、年収、ライフスタイル、趣味などのペルソナを細かく設定し、多様なスタイルのインテリアコーディネートを紹介している。調査の結果、群馬県では「持ち家率が高い」「家の面積が広い」「子どもがいる」「家でガーデニングやアウトドアを楽しむ」「収納に関する悩みを持っている」といった家庭が多いという特徴があったことから、壁付けの製品を用いた収納・見せ方や、子どもと生活する上でのソリューション、庭やバルコニーでの楽しみ方のアイデアなどを豊富に取り入れたという。また、一般家庭用に加えてオフィスや店舗などを想定したルームセットも提案するほか、専門スタッフのアドバイスなどが受けられる、法人や自営業・個人事業主に向けたサービス「IKEA Business Network」のブースも設けている。

 ルームセットをじっくり堪能した後に辿り着く「スウェーデンレストラン」では、「スウェーデンミートボール」(8個、890円)や「マリネサーモンプレート」(690円)、「ベリーベリーチーズケーキ」(490円)といったスウェーデンの伝統的な料理をはじめ、カレー、ローストビーフ、ビーフシチューなどのフードや、環境に配慮したプラントベース(植物由来)のラザニアやミートボール(8個、590円)、キッズプレート、ドリンクバー(190円)などを提供。広々とした飲食スペースで、スウェーデンらしいフードを楽しむことができる。

 ストアの1階では、食器や布製品などのインテリア&生活雑貨を豊富にラインナップ。2階と同じく順路通りに進んでいくと最後に商品倉庫に辿り着くようになっているため、2階でチェックした家具などを商品倉庫でピックアップし、1階で選んだ商品と合わせてセルフレジでの会計ができる流れとなっている。

 会計を終え出口へと向かう途中には、スイーツをはじめとした様々なスウェーデンの食品を販売する「スウェーデンフードマーケット」の売り場を展開。日本初導入となる「ビストロ ウィンドウ(Bistro window)」では、「プラントベースソフトクリーム」(50円)やホットドッグ(100円)、シナモンロール(100円)、IKEA前橋限定の「プラントベースベビーカステラ」(5個、100円/全て税込)といったイケアフードを店舗の外から購入し持ち帰ることができる。そのほか、1階の入口付近に設置したキッズプレイルーム「スモーランド」では4〜11歳までの子どもを無料で60分間預けられるなど、子ども連れの家族がゆっくり買い物を楽しめるような環境を整備している。

 日本で13店舗目となる同店は、「国内で環境負荷が最も低い店舗運営を目指すイケアストア」として開業。これまでに同社が行ってきた様々なサステナブルな取り組みを集約し、エネルギー使用量の削減や節水、ゴミの削減、環境に良い来店方法の促進などを行うことで、同社が目標とする「温室効果ガスの排出量を2030年までに2016年対比で50%削減」を目指すという。
 具体的には、開業時から1387枚のソーラーパネルを導入して自家発電を行うとともに、今後追加のソーラーパネルや蓄電池を設置することで、今年末までに国内店舗では最も高いエネルギー自給率36%の実現を予定。合わせて、最新の節水型トイレや無水小便器の導入、トイレでのリサイクルウォーター(雨水)の活用、徹底したゴミの分別、ゴミの見える化を可能にするAIツールの導入、環境に配慮したエコカーでの来店客専用の優先駐車場やEV充電器の設置、家具の買取サービスとリユース品の再販を行う「サーキュラーマーケット」などの取り組みも実施する。最終的には、日本のイケア店舗では初となる、人や環境を考慮した建物に与えられる「LEED認証(BD+C)」の取得を視野に入れているという。

 IKEA前橋が位置する敷地内には、2023年4月にオープンした「ユニクロ 前橋南インター店」があり、近隣にはコストコやカインズ、#ワークマン女子などの大型店舗が立ち並ぶ。このような立地環境について、イケア・ジャパン代表取締役社長兼チーフサステナビリティオフィサーのペトラ・ファーレ(Petra Färe)氏は「民主的なデザインを低価格で多くの人に届けるという、我々と非常に近いアプローチを取っているブランドの店舗が複数近隣にあることは、私たちにとってもお客様にとってもメリットになるのではないかと思います」とコメントし、近隣店舗との間で集客や買い回りの促進などの相乗効果を期待する。

 内覧会後の取材でペトラCEOは、「2013年にこの場所を得てから、我々のリテールの方向性やコンセプトなどが時代とともに大きく変化したこともあり、出店までに10年の月日が経ってしまいました。しかし、10年待った甲斐があると思えるほど素晴らしい店舗を今回オープン出来ることになり、大変誇らしくて嬉しい気持ちです」と、10年越しのオープンに対する喜びを語った。内覧会中には、10年前から空き地に立ち続けていたという同社の看板が登場。長年風雨に晒されたため劣化が進んでいるものの、思い出の品としてこれからも処分せずに保管を続けるという。また、ペトラCEOに今後の展望について訊ねると「IKEA前橋が、前橋や群馬県という場所とともに長く繁栄していけたらと思いますし、この地域に住む人々にとって暮らしのインスピレーションやソリューションを提供する場であるとともに、訪れるたびに楽しく豊かな時間を過ごせるような、コミュニティ全体のパートナーのような存在になれたらと願っています」とにこやかに話した。


■IKEA前橋開業日:2024年1月18日(木)所在地:群馬県前橋市亀里町2008番アクセス:【車】北関東自動車道 「前橋南インターチェンジ」より車で約5分、【バス】前橋駅より市営バス前橋玉村線30系統「下川淵公民館前」バス停下車店舗面積:約1万平方メートル敷地面積:約5万8000平方メートル駐車場:屋外駐車場約900台(無料)営業時間:10:00〜20:00定休日:1月1日

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