「サイドメニュー」としか指定がなかったので、メイン料理でなければなんでもいいと判断していました。しかし、義姉のエリカさんから冷ややかな目線で華やかさがない、気が利かないと言われ「私はこういうとき気が利かないのか……」と気付かされた思いです。急に目の前のおでんが要らないものに見えます。おでんを温めている間、とてもみじめな気持ちになりました。「もう帰りたいな……」
おでんが温まってから、食事会がはじまりました。夫をはじめ、義父たちはおでんを喜んでくれました。「ちゃんと土鍋で作っているからお店のようだ」「味も良い」「大根しみしみ」と盛り上がっていました。その様子をみて子どもたちも手をつけ始めます。予想に反して好評なおでんに私は胸をなでおろしたのです。(ああ、受け入れてもらえてよかった……)ですが……そのことが余計に義姉たちをイラつかせたようです。
出来上がるまで待っていて欲しいなんて、一言も言っていません。夫も気をつかってくれていたのに、義姉たちだけがイライラしているのです。私だけ手作りの料理を持っていったこと自体が、義姉たちから見ると「空気の読めない行動」だったのかもしれません。でも、メニューの指定もなかったですし、そもそも持ち寄りの食事会は「誰が何を持ってくるか」ということも、楽しみの1つなのではないでしょうか? 義父たちが喜んでくれたことは救いでしたが、今後は何を持っていっても、文句しか言われないような気がしてきました。喜んでもらえるようにと、丹精込めて作ったおでんと私たちの時間。とても勿体ないと感じたのです。
【中編】へ続く。
原案・ママスタコミュニティ 脚本・古川あさこ 作画・んぎまむ
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