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前回からの続き。半年ほど前の話です。俺はキョウスケ、妻シホと9歳の息子ハルタとの3人暮らしです。ハルタはテニス教室で同じ学年のリクくんと仲が良く、テニス経験者の俺が休日にふたりを教えることもあります。ある日俺はリクくんのお母さん・アヤコさんから高価な誕生日プレゼントをもらいました。シホによるとアヤコさんは俺のことを狙っていて、不倫の予告までしてきたそうです。俺はアヤコさんの夫・ツカサくんに止めてもらえないかと思い、メッセージのやりとりをはじめました。
俺はアヤコさんから誕生日プレゼントをもらったことをツカサくんに伝えました。するとメッセージはすぐ読まれたものの、しばらく返事が来ません。シホとふたりで「どうしたんだろう……」と待っていると、思わぬメッセージが返ってきたのです。
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「直接どこかでお話できないでしょうか」ツカサくんからそう伝えられ、翌日俺は仕事帰りにファミレスに向かいました。ツカサくんはすぐに話を切り出しました。「突然すみません。アヤコが渡したプレゼントっていうのは……」
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ツカサくんにブランド物のスポーツウェアを見せると、重い沈黙が流れました。そのとき、俺はシホとハルタのことに必死で、ツカサくんにまで配慮できていなかったことに気づきました。よく考えれば、自分の妻が他の男に誕生日プレゼントを渡している事実を聞かされたらかなりつらいはずです。しかも張本人に……。俺は慌てて謝りました。
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「そのスポーツウェア、最近アヤコが気に入って着ているんです」ツカサくんの言葉を聞いて背筋が凍りました。もし俺がなにも気にせず外で着ていたら、アヤコさんとおそろいの服を着ていると誰かに思われたかもしれません。
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ツカサくんの気持ちを考えると俺はなんと言ったらいいのか……。フォローの言葉を探していると、ツカサくんが突然俺にお礼を言いました。「ありがとうございます」
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そして俺はツカサくんから思わぬ事実を聞かされます。「こういうこと、実は初めてじゃないんですよ」「えっ?」「アヤコは……前にもよその男性に誕生日プレゼントを渡していたことがありました」
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「不倫に発展する前に報告してくれたことに感謝しています」ツカサくんは切なそうに笑います。ほかの男性にたびたびアプローチをしようとするアヤコさんを、それでも許そうというのでしょうか。あまり踏み込んではいけないことなのかもしれませんが、俺は思わず聞いてしまいました。「……離婚はしないの?」
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俺がシホのことを大切に思っているように、ツカサくんもまたアヤコさんのことを愛しているのでしょう。まだ実際に別の男性との不倫に発展したことはないようです。もし可能性があるなら、もう一度自分にふり向いてほしいのだと思います。
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「でもアヤコのせいでご迷惑をかけるわけにはいかないので、ぼくのほうでなんとかします」この場を去ろうとするツカサくんを俺はとっさに呼び止めました。「待って!」
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俺はツカサくんの誕生日を確認しました。シホが以前アヤコさんとの雑談のなかで、近々誕生日だと聞いていたのです。俺はツカサくんに耳打ちしました。
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まさかアヤコさんが他の男性にもアプローチをしていたとは……。裏切りを承知しながら黙っているツカサくんの気持ちを考えると胸が痛くなります。だからこそ同じことが二度と起こらないようにしたいのです。俺はツカサくんの誕生日が来ることを利用して、アヤコさんに自分のしたことで周りがどういう気持ちになるのか分かってもらおうと思いました。シホの作戦を打ち明けるとツカサくんは驚いた顔をしましたが、どうやら協力してくれそうです。
【第7話】へ続く。
原案・ママスタコミュニティ 脚本・風沢氷花 作画・猫田カヨ 編集・井伊テレ子
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