あっさりとした答えに、私は思わずムッとします。
相変わらずカヤちゃんの主張はよくわかりません。私が呆れて黙っていると、カヤちゃんが反論してきました。「というか、「私がチョコをあげたこと」と「ホナミさんがあげなかったこと」は、何も関係なくないですか?」「関係なくないよ。女性は私たち2人しかいないんだから、片方だけがあげたら角が立つのは当たり前でしょう? みなさんだって気まずそうにしてたじゃない」「そんなことないです。おじさんたちも喜んでました」
カヤちゃんはお世辞にも仕事熱心とは言えませんが、決して悪い子ではありません。誰かを仲間外れにして陰でクスクス楽しむようなタイプでもありません。こちらの指導に対して今回のように強く言い返してきたのも初めてだったので、私もビックリしてしまいました。「こんなこと言う人だったの……?」今までと違う態度でムカっときましたが、いつもと違う様子に心配な気持ちも出ました。カヤちゃんは大丈夫なのでしょうか……。
2人で事前に取り決めたにもかかわらず、バレンタインにチョコを配っていたカヤちゃん。同じ女性としては、肩身の狭い思いでいっぱいです。そのうえ注意をしたら強く言い返されてしまい、初めて見る態度にも驚かされました。しかしカヤちゃんの反論はどこか的を射ておらず、私は少し妙な違和感を抱きました。やってしまったことをずっと責めるつもりはありませんが、私の心のモヤモヤはしばらくはれそうにありません……。なんとも後味の悪いバレンタインの思い出ができてしまいました。
【第3話】へ続く。
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