SNSの画面や画像編集ソフトのパレット表示に最適! 7.84型の細長モバイルディスプレイを試して分かったこと

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2024年02月16日 12:21  ITmedia PC USER

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インベスの7.84型モバイルディスプレイ「VM-784」。ボディーサイズは約74(幅)×211(奥行き)×15(厚さ)mmだ

 INBES(インベス)の「VM-784」は、7.84型のモバイルディスプレイだ。スマホをやや縦長にしたかのような画面サイズで、SNSの画面や、画像編集ソフトのパレットなど、ちょっとしたウインドウをメインディスプレイの隣に表示するのに適した製品である。


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 こういった細長い表示領域が特徴のディスプレイは、数年前から複数リリースされているが、本製品はヨドバシカメラやビックカメラ、ジョーシンなどの大手量販店で取り扱われており、入手性が高いことが1つの特徴となっている。メーカーから機材を借用したので、レビューをお届けする。


●OSDメニューやボタンのない割り切った設計


 まずは基本的な仕様をざっと押さえておこう。画面サイズは7.84型で、解像度は1280×400ピクセルと、1280×800ピクセル(アスペクト比16:10)の幅をきっちり半分にカットしたサイズで、それゆえアスペクト比は16:5ということになる。


 視野角は水平/垂直ともに170度、コントラスト比は800:1、リフレッシュレートは60HzのIPS液晶を採用する。スペック表には記載はないが、画面はグレア調で、映り込みはややある。タッチ操作には非対応だ。


 ベゼル幅は上下がともに9mm、左右がともに6.5mmと、向きを問わず設置できる。ベゼルにロゴ類はなく、背面は完全にフラットという、飾り気のないシンプルな設計だ。


 ちなみに、本製品はスピーカーを内蔵しないのはもちろん、電源ボタン類やOSDメニューも省かれている。この仕様については使い勝手にやや影響があるのだが、詳しくは後述する。


 接続方法はHDMIもしくはUSB Type-Cという、モバイルディスプレイではおなじみの構成だ。製品には樹脂製のスタンドが付属しており、これを用いて立てる場合は、ケーブルは向かって下から伸びる格好になる。付属のケーブルは、HDMI/USB Type-Cともに、片方がL字状になっているので、取り回しも良好だ。


 このスタンドは縦置きだけでなく横置きにも対応しており、安定性は良好だが角度や高さを調節するギミックはない。また自重が軽いせいで、ケーブルの反発力に負けて引きずられることもしばしばある。


 重量は公称で174gと、6型のスマホ並みだ。体積は本製品の方が大きいのだが、内部の密度はあまりなく、そのぶん重量も軽めとなっている。


 付属品はケーブル2種類とスタンド以外は紙の取扱説明書のみというシンプルな内容だ。持ち歩いて使う製品ではないので、ポーチ類も付属しない。どうしても持ち歩きたければ、市販のウレタン製ポーチが1つあれば十分だ。


 続いて、PCにつなげてみよう。


●本製品利用にあたってクリアすべきハードル


 では接続してみよう。本製品はそのサイズや形状こそ特徴的だが、接続方法そのものは一般的なモバイルディスプレイと同じく、USB Type-CもしくはHDMIの2択となる。


 なおUSB Type-C接続ではケーブル1本での接続となり、HDMI接続の場合は給電用にUSB Type-Cケーブルもプラスαでつなぐ必要がある。つまりUSB Type-Cケーブルは、接続先がPCか給電アダプターかは別にして、どちらの場合も接続することになる。


 画面は縦向きと横向きとで視野角の差も感じず、品質としては及第点だが、画面はやや明るすぎるのが気になるところだ。本製品はOSDメニューを搭載せず、画面を暗くする方法はソフトウェア(インテル グラフィックス・コマンド・センターなどのユーティリティー)経由となる。そのため、メインのディスプレイの輝度を落として使っている場合、横に並べた本製品がやたらとまぶしく感じてしまう。


 今回の借用機で気になったのは、入力信号がなくなるとブルーバックで「No Signal」というメッセージが表示されて消灯するスリープモードがなかったことだ(メーカーに確認したところ、市販されている製品はスリープモードを備えているとのことだった)。


●用途や運用方法を確認した上で選ぶのがベター


 以上のように、製品自体はよくできており、特にスタンド機能については、類似の製品と比べても安定性および縦横どちらでも設置できる強みがある。前述の画面輝度の調整については、製品ページやマニュアルにも記載が見当たらなかったので、ここは改善を希望したい。というのも、本製品は据え置きの環境で使われることが多いと考えられるためだ。


 実売価格は税込みで1万6280円(原稿執筆時のヨドバシ・ドット・コム価格)と安価で、流通ルートも広いので入手性が高いのは同等製品と比べた場合の強みだが、上記の問題をどのように解決するのかだけは、購入する前にあらかじめ考慮しておいた方がよさそうだ。


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