毒蝮三太夫“刎頸の友”立川談志への感謝「今ここに立てていない」

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2024年02月21日 17:08  ORICON NEWS

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毒蝮三太夫 (C)ORICON NewS inc.
 タレントの毒蝮三太夫が21日、都内で行われた『昭和落語名演 秘蔵音源CDコレクション』創刊記念及び創刊記念ラジオ特番放送記者発表会に出席。親交の深かった立川談志さんとの思い出を語った。

【写真】落語家だった父についての思い出を語った林家正蔵

 記念すべき創刊号から、“不世出の名人噺家”三代目古今亭志ん朝の秘蔵音源を収録。「落語協会百年記念商品」にふさわしく、志ん朝の現存する最古の音源といわれ、1962年のラジオ放送以来、フルでは一切世に出ることのなかった“幻の音源”といっても過言ではない「真打昇進披露興行」での高座音源をはじめ、志ん朝の高座音源を所有するすべての民放ラジオ局(TBSラジオ/文化放送/ニッポン放送/ABCラジオ/STVラジオ)が、本商品に対し、現存が確認できた音源を余すことなく提供している。

 取材会には、落語家の林家正蔵、林家たい平も出席。たい平が「地方から帰ってきて、矢来町のお寿司屋さんでご一緒することがあって。カウンターに座って『芸人臭いのはダメなんだよ、芸人の香りがしないといけない』とおっしゃっていたことがありました。『このお寿司屋さんは、生臭い匂いがしないだろ?』って(例えを出しながら)芸人の香りって、どういうものかわからないのを、お寿司屋さんに連れて行って、何気ない会話で教えてくれるんです」と声を弾ませた。

 正蔵も「『売れなきゃダメだ』っていうのは、よくおっしゃっていました。僕がテレビのお仕事をもらっていても『おたくのおとっつぁん(初代林家三平)くらい売れないとダメだ』と。『売れることができる人はもっと売れないとダメだ』という意味だったのかもしれないです」と回顧。これを受けて、毒蝮が「志ん朝さんがごぼう抜きで真打になった時、談志が『先輩より先にいかず、断ったらいいじゃないか?』って言ったら、志ん朝さんが『私は確かに追い越しました』と言ったそうなんです。あの談志に言い切ったんだから、すごいね。その時の会長はお父さん(志ん生)だったでしょう?身内に対して、そうしたらいろいろ言われる可能性もあったのに(真打昇進を決めたのは)慧眼だね」としみじみと語った。

 たい平が「志ん朝師匠はマクラがとっても豊かで、大須演芸場のマクラなんて、本編より長いものもあったりする」と笑顔で明かすと、正蔵も「談志師匠が『世間話は志ん朝にはかなわない』って言っていましたよね」と合いの手。毒蝮は「談志は、それで『笑点』の大喜利に志ん朝さん使わなかったんじゃない?いろいろメンバー変えたんだけど、志ん朝さんには声かけてない。うまいのを知っていたんじゃないかな」と推察する一幕も。毒蝮は、それでも最後には「立川談志が、刎頸の友(その友のためなら、自分の首を斬られても構わないというくらいの関係性の友)で本当に助かった。毒蝮三太夫という名前をつけてくれていなければ、今ここに立てていない」と感謝を伝えていた。

 志ん朝に関する特番が、文化放送で23日午後7時、TBSラジオで23日午後8時、ABCラジオで24日午後6時、STVラジオで24日午後8時から放送される。
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