介護サービスに地域格差がある?!選ぶ際に重要視すべきポイントとは

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2024年02月22日 12:11  教えて!goo ウォッチ

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介護サービスに地域格差がある?!選ぶ際に重要視すべきポイントとは
超高齢社会といわれている昨今、身の周りで介護の話を耳にすることも多いだろう。そんなときに頼りになるのが介護サービスだが、住んでいる場所によりその価格や内容に違いがあることはご存知だろうか。「教えて!goo」にも「介護サービスに地域格差はありますか?」と、高齢の親をもつユーザーから質問が寄せられていた。そこで今回は、社会保険労務士の増田高茂さんに、介護サービスの内容から地域格差の現状、介護サービスを選ぶ際に重要視すべきポイントについて話を聞いた。

■介護サービスの内容

介護サービスには、「在宅系サービス」と「施設系サービス」があるそう。まずは「在宅系サービス」から教えてもらった。

「高齢者が自宅で安心して生活できるよう、必要な介護や支援を行うのが在宅系サービスです。日帰りで食事や入浴、排せつなどを支援する『デイサービス』、介護福祉士などが訪問し、掃除や調理、おむつ交換などを行う『訪問ヘルパー』、看護師が訪問し、療養上の管理や指導を行う『訪問看護』、自宅に浴槽を持ち込み、介護職と看護師が入浴介助を行う『訪問入浴』、杖や歩行器、ベッドなどを貸し出す『福祉用具貸与』があります」(増田さん)

一方、自宅での生活が難しくなった高齢者を対象とするのが「施設系サービス」だ。食事や入浴、排泄、レクリエーションなど日常生活の支援や、医療や看護などの専門的な支援を行うという。

「重点的にリハビリ介護が必要な高齢者を対象とした『介護老人保健施設』は、医療支援も行いますが、原則自宅への復帰を目的とし入所期間の制限があります。日常生活の介護が必要な高齢者を対象とし、入所期間に制限のないのが『特別養護老人ホーム』です」(増田さん)

地域事情を考慮した弁当宅配や出張理容など、自治体が独自で提供する施設系サービスもあるそうだ。

■地域格差の現状

すべての人が平等に介護サービスを受けられるのが理想だが、地域格差があるという。

「具体的に地域格差がみられるのは、『介護保険料の価格』、『介護保険サービスの単価』、『自治体の独自サービス』です」(増田さん)

それぞれ解説してもらった。

「自治体により高齢者数や介護サービスの量に違いがあるため、住んでいる市町村で介護保険料が異なります。全国平均は月額6,014円ですが、3,300〜9,800円と差があります」(増田さん)

介護保険サービスの単価はどうだろう。

「都市部と地方では、地価や物価、介護職員の賃金などが異なります。都市部で事業を運営するには、地方に比べ高い家賃や人件費を支払わなければなりません。これらのコスト差を解消するため、都市部では介護保険サービスの単価に、国が公平性を保てるよう定めた人件費や物価などが上乗せされています」(増田さん)

地域の事情や要望に応じて、独自のサービスを提供する自治体もあるという。

「人口が急増している地域では、介護予防教室や体操教室を充実させています。過疎地域では、移動が困難な高齢者のため買い物や通院などを支援するサービスが多いです」(増田さん)

生活環境やコストが各地で異なるように、介護サービスの価格や内容にも地域格差は存在するのだ。

■介護サービスを選ぶ際、重要視すべきポイント

そもそも介護サービスは「利用者の自立を支援するための制度」なのだとか。

「介護サービスを選ぶ際は、『本人が自立して生活するにはどんな支援が必要か』を考えましょう。多くの介護サービスがありますが、必要以上の利用は制度の理念に反する上、本人の“できること”を奪うことになりかねません」(増田さん)

本人や家族の意向も大切にしたい。

「例えば自宅で入浴できなくなった場合、デイサービスを利用して入浴するとよいですが、多人数で過ごすことが苦手な人は、ヘルパーに自宅で入浴を介助してもらった方がよいでしょう」(増田さん)

家族の介護負担の軽減には、ショートステイが有効だという。

「利用者が短期間施設に入所することで家族がリフレッシュできるサービスです。家族の負担が大きい場合、本人がショートステイに消極的でも利用に踏み切る場合もあります」(増田さん)

今回のお話で、介護サービスには地域格差や地域独自のサービスがあることを知った。適切な介護サービスを求める際は、「ケアマネジャーを頼りに」と増田さん。ケアマネジャーは、本人や家族の状況やニーズを把握した上で、適切な介護サービスの紹介や利用料の管理、サービス事業者との連絡調整などを担ってくれるそうだ。必要に応じて頼ってみるとよいだろう。


●専門家プロフィール:増田 高茂
社会保険労務士。介護支援専門員。介護福祉士。第二種衛生管理者。多くの介護事業所の管理者を歴任。特定施設やサ高住の施設長として小規模多機能や夜間対応型訪問介護などの発足にも参与。社会保険全般に専門知識を有し、現在はポータルサイト「快適介護生活」を運営する(株)アクタガワに介護保険コンプライアンス部門の責任者として従事。
画像提供:AdobeStock

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)



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