避妊や月経困難症改善だけではない…“ピル”服用で胸が大きくなるって本当? 専門医の見解は「あくまで薬による副作用による胸の張り」

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2024年02月27日 10:00  ORICON NEWS

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“ピル”服用で胸が大きくなるって本当?
 一般的には、避妊や月経困難症などの改善に用いられる“ピル”。なかには、「飲むと胸が大きくなる」ということをSNSなどで目にし、それを鵜呑みにして万能薬と捉えている人もいます。バストアップの真相と服用時の注意点について共立美容外科の遠山貴之さんに話を聞きました。

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◆ピルを飲むと胸が大きく可能性もあるが、服用を中断した場合は元のサイズに戻る

 経口避妊薬の「ピル」は、一般的には低用量ピルを指すことが多いです。女性ホルモンであるプロゲステロン(黄体ホルモン)とエストロゲン(卵胞ホルモン)を配合し、服用することで作為的に血中の女性ホルモン量を増加させ、エストロゲンの分泌を止める働きがあります。

 避妊だけでなく、月経困難症(生理痛)や月経前症候群(PMS)の改善、子宮内膜症の治療を目的として処方されます。主に、月経困難症や子宮内膜症の治療「超低用量ピル」、避妊や月経困難症の治療「低用量ピル」、整理日を移動させる際や女性ホルモンに関わる病気の治療「中用量ピル」、現在はほぼ処方されていない「高用量ピル」があります。いずれも、現時点では医師の処方が必要な薬です。

 SNSでは、「ピルを飲むと胸が大きくなった」というコメントが散見されます。実際には、「確かにピルの服用で胸が大きくなる可能性はあります」と共立美容外科の遠山貴之さんは言います。

「低用量ピルには卵胞ホルモンとプロゲステロン(黄体ホルモン)という2種類の女性ホルモンが含まれています。 そのため、服薬を始めることでホルモンバランスに変化があり、副作用として胸が張って大きくなったと感じるケースがあります」

 加えて遠山貴之さんは、「あくまで薬による副作用なので、サイズを保証できるものではありません。バストアップ目的では処方されることはないでしょう。ピル本来の目的や副作用をしっかり理解する必要があります。根本的にバストアップを目指している場合は、美容外科専門医に相談しましょう」と注意を促します。

◆肌荒れの改善も…婦人科系疾患の予防にも効果的な一方、副作用もある

 ピルを服用すると子宮内膜は通常時ほど厚くならないので、万が一排卵が起きて受精したとしても着床しにくく、コンドームより高い確率で避妊できます。飲み忘れをせず、正しく服用すれば、避妊率は約99%と言われます。ただし、必ずしも妊娠しないわけではありません。性感染症を防ぐ効果は期待できないので、コンドームと併用しましょう。

 また、月経困難症の改善や子宮内膜症の進行を抑える効果だけでなく、婦人科系疾患の予防にも効果的です。長期的に服用し、子宮内膜が薄い状態を維持すると、子宮体がんの予防や、卵巣へのダメージを減らすことで卵巣がんの予防にもつながるでしょう。そのほか、肌荒れの改善も期待できます。

 その一方、個人差やピルの種類にもよりますが、副作用が出ることがあります。代表的な例として、「吐き気」「倦怠感」「めまい」「頭痛」「不正出血」「ニキビ」「乳房の痛み」「むくみ」「体重増加」があり、2〜3ヵ月程度で治まるケースが多いです。さらに、バストアップを目的としたサプリメントとピルを併用するのは危険ですので、必ず専門医に相談しましょう。

 ピルの服用が本来の目的と異なり、バストアップを目指している場合は、美容クリニックの専門医に相談するのも良いでしょう。近年は、さまざまな施術があります。

「1つ目は、『シリコバッグ式豊胸』です。シリコンバッグ式豊胸は、確実に半永久的にバストアップをしたい方におすすめです。2つ目は、『脂肪注入豊胸』です。ご自身の身体から採取した脂肪を、バストに注入する方法で、不純物を除去したキレイな脂肪だけを注入します。安全かつ自然にバストアップをしたい方におすすめです。

 3つ目は、『ヒアルロン酸注入豊胸』です。ヒアルロン酸注入豊胸はメスを使わないので、ダウンタイムや痛みの心配がなく、短時間で終わるため手軽にバストアップをされたい方におすすめです。共立美容外科では、経験豊富な美容の専門医が、カウンセリングから施術、アフターケアまでしっかりと行います。気になる方はぜひ一度ご相談ください」

【監修者】共立美容外科 副総括院長 遠山貴之(とおやま たかゆき)さん
日本美容外科学会認定専門医/麻酔科専門医
1997年、順天堂大学医学部卒業。1997年、順天堂大学医学部付属病院・麻酔科に入局。2006年、共立美容外科・歯科に入局。2020年、共立美容グループ・総括副院長に就任。

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