弥生賞で穴党記者は伏兵2頭をオススメ 堅い決着濃厚も人気馬絡みでも好配当が見込める

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2024年03月03日 07:41  webスポルティーバ

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 GI皐月賞(4月14日/中山・芝2000m)のトライアルであり、GI日本ダービー(5月26日/東京・芝2400m)との関連も深い、GII弥生賞(中山・芝2000m)が3月3日に行なわれる。

 昨年、このレースを制したタスティエーラはその後、皐月賞で2着となって、ダービーで戴冠を遂げた。一昨年も、同レース2着のドウデュースが皐月賞で3着に入って、続くダービーで頂点に立った。

 そうした近年の傾向もあってか、今年も評判馬が集結。2020年の凱旋門賞馬ソットサスの全弟で、2歳GIのホープフルS(12月28日/中山・芝2000m)で2着となったシンエンペラー(牡3歳)をはじめ、2022年のセレクトセール(1歳馬セクション)で4億5000万円(税別)の高値で取引された良血ダノンエアズロック(牡3歳)、デビュー2連勝中の期待馬トロヴァトーレ(牡3歳)らハイレベルなメンバーが顔をそろえ、先々に向けても目が離せない一戦となりそうだ。

 ただその分、馬券的な妙味は薄いかもしれない。デイリー馬三郎の木村拓人記者も、「シンエンペラーがいて、大物感のあるダノンエアズロックとドロヴァトーレが参戦。この人気の3頭が実力を出しきれば、堅い決着となっても仕方がないでしょう」と語る。

 実際、過去10年の結果を振り返ってみても、3連単が5000円以下の低配当となったことが5回もある。重賞のなかでも、弥生賞はかなり堅いレースの部類に入る。

 とはいえ、いまだ勢力図が定まらない3歳の春。過去にも断然人気の馬が期待を裏切って、馬群に沈むことが何度かあった。となれば、今年の人気3頭にも懸念材料がないのか、探ってみたくなる。それについて、木村記者はこう分析する。

「シンエンペラーに関しては、すでに重賞も勝っていて、ホープフルSでも2着。その能力に疑いの余地はありません。

 トロヴァトーレも、今回と同じ中山・芝2000mを舞台にしたレースで2戦2勝。タフなコース、直線の急坂も苦にしない、それだけの脚力が備わっているんだろうな、という想像は十分につきます。

 強いて言うなら、何か弱点があるとすれば、ダノンエアズロックでしょうか。同馬はノドの心配も抱えていますし、上の兄姉を見る限り、血統的に2000mという距離のイメージがあまり沸きません。ある意味、同馬にとっては今回が試金石のレースになるような気がします」

 いずれにせよ、「3強」のハードルはかなり高そうだ。だが、木村記者は「一角崩しを期待して、人気馬との組み合わせでも好配当が見込める馬を狙えば、穴党にも出番はある」と言う。

 そうして、木村記者は人気の盲点となる2頭の穴馬候補を推奨する。

「まずは、アドミラルシップ(牡3歳)です。ホープフルSに1戦1勝の身で出走。同レース3着で、年明けのリステッド競走・若駒S(1月20日/京都・芝2000m)を勝ったサンライズジパングに続く4着という結果を残しました。

 内をうまく立ち回ったとはいえ、この着順は悪くないですし、あのメンバーを相手にパドックでの馬っぷりも見劣っていませんでした。進路取りに恵まれた面があったとしても、その結果は素直に評価してもいいと思っています」

 全兄のブラックホールは、2019年のGIII札幌2歳S(札幌・芝1800m)を勝利。翌年の牡馬三冠レースにはすべて出走した。半姉にも重賞勝ち馬で、2022年のGIエリザベス女王杯(阪神・芝2200m)で2着と好走したライラックがいて、その血筋も悪くない。

 ただ、前走の1勝クラス・ゆりかもめ賞(2月4日/東京・芝2400m)では1番人気に推されながら7着と完敗。その結果をどう評価するかだが、木村記者は同レースについては「ノーカウントでいい」と言う。

「他の兄姉同様、東京コースは合わないだろうなと思っていたら、案の定、前走のゆりかもめ賞では振るいませんでした。展開的にも、少し前に出しすぎた面もあったように感じます。

 負けすぎの感はあるかもしれませんが、東京・芝2400mはやっぱり"合わなかった"と見ていいと思います。兄姉もみんな、上がり勝負には限界のあるタイプが多かったですし、上がりのかかる条件となる今回のほうが間違いなく向くはずです。

 前走を度外視すれば、関東馬ながら関西の新馬戦を勝ってGI4着という実績は、ここでも大きな差はありません。前回の敗戦で人気も急落するでしょうから、馬券的には人気3頭を絡めても、好配当が見込めると思います」

 木村記者が推すもう1頭は、シリウスコルト(牡3歳)。同馬もホープフルS組だ。

「シリウスコルトは、今回と同じ中山・芝2000mのオープン特別・芙蓉S(9月30日)を勝っていますし、馬っぷりとか、稽古の感じからしても、もっとやれていい感じがします。ホープフルSも6着。アドミラルシップとはわずかコンマ1秒差でしたから。

 デビュー以来、馬体重は増えていますが、これは成長と見ていいでしょう。使われている距離が、1200m、1600m、2000mと延びてきているのも、面白いですね。

 GIII新潟2歳S(8月27日/新潟・芝1600m)にも出走していますけど、見た目からして中山向きっぽい馬で、上がり勝負の新潟には向くようなタイプには見えませんでした。それでも、5着に入ったことは評価できますし、そうした底力を考えれば、ここで一発あってもおかしくありません」

 3歳牡馬戦線はこれといった存在がいないなか、ここで絶対的な地位を築く馬が出てくるのか。はたまた、思わぬ馬の台頭があって、さらに混沌とした状況となっていくのか。クラシックの行方を左右する一戦に注目である。

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