子どもの力は弱いと思ってる?転落事故予防に関する提言【東京都定例記者会見 ママ向けレポート】

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2024年03月04日 08:40  ママスタジアム

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(東京都提供)

2023年に東京都が立ち上げた「東京都こどもセーフティプロジェクト」。子どもの安全確保に焦点を当て、子どもの成長や行動に合わせた”危ないところを変える”環境づくりをする取り組みです。3月1日(金)に行われた「東京都定例記者会見」では、小池百合子都知事より、子どもの転落事故予防に関する提言についてのお知らせがありました。この取り組みから見えた、私たちが子どもたちの安全な生活を守るためにできる対策とは?
参考:東京都|子供の転落事故予防に関する提言書及び子供の事故予防デジタルブックの公表について

子どもの弱い力で引いたところで大きな家具が倒れる訳がない?それは大間違い!



残念ながら東京都だけでなく全国で、子どもの転落(落ちる)事故が後を絶たない状況です。ではその事故をどうやって防いでいくか? 東京都は転落事故の実態を調査し、同時に子どもの身体能力に関する独自のデータを集め、科学的に分析。今回まとめられた提言はこの分析結果、いわゆるエビデンスに基づく具体的な対策を紹介しているという点が特徴だそうです。

たとえば「子どもが部屋の家具につかまって遊んでいて、家具ごと倒れそうでヒヤッとした」、そんな経験をしたことはありませんか? 3歳までの子どもが、よじ登る対象物を前に引っ張る力はなんと(最大で)その子の体重の約半分。固定していない家具に子どもが登って、誤って転落……という事故が容易に想像できますね。そういった転落事故を未然に防ぐためにも、家具をしっかりと固定することが大切だと分かります。

1〜2歳くらいの子どもが寝返りすると何cm移動すると思う?


さっきまで大人しく寝ていたはずなのに、ちょっと目を離したら落ちて怪我をしてしまった。ベッドやソファーなどといった場所からの転落事故も報告されています。今回の提言には、1〜2歳くらいの子どもは寝返りをすると、1秒間で約20cm移動するというデータが示されています。「寝ているし、こんな小さい子の寝返りくらいなら大丈夫」と過信せず、子どもの行動特性データを参考にして、落下の危険がない安全な場所で寝かせるように心掛けましょう。
参考:東京都|令和5年度 セーフティ・レビュー事業

(東京都提供) (東京都提供)

ベランダからの転落。悲しい事故をなくすために



これからの季節、爽やかな風と新鮮な空気を取り入れようと窓を開けたままにしておく、そういった機会も増えてくるかもしれません。そんなときちょっと意識しておきたいのが、窓やベランダで起きる子どもの転落事故について。提言のデータを紐解くと、子どもが一人で歩き始める1〜2歳ごろから増えはじめ、3〜4歳でもっとも多くなっています。たとえばベランダでの事故。ベランダにエアコンの室外機を設置している場合、子どもが室外機によじ登り、(室外機を足場にして)ベランダの手すりを超えて転落する可能性があります。小池都知事が会見でもこれらの事故について触れていましたが、実際どのような事故があったのか、政府広報オンラインを参考に見ていきましょう。
『家族を見送るために、こどもがベランダの手すりに鉄棒の前回りのときのようにつかまっていたところ、前のめりになって地上に転落。(5歳)』
『マンション2階の室内で遊んでいたこどもが、親が気づかないうちにベランダに出て転落。室外機のところにスリッパがあり、室外機によじ登った可能性あり。(2歳)』
事故予防としてできることは、窓を開けているときは子どもから目を離さない、子どもが一人でベランダに出ないように補助錠を付ける、ベランダに足場になるような物を置かない、エアコンの室外機は手すりから60cm以上離して配置するなどといったことができます。そしてベランダ同様に、窓からの転落事故にも対策を。窓際にベッドやソファを置いていないか、踏み台になるようなおもちゃや家具を置いていないか、今一度確認してみてくださいね。
参考:政府広報オンライン|ご注意ください!窓やベランダからのこどもの転落事故

子どもの成長に合わせた事故予防のためにできること


東京都が提供する「子供の事故予防ハンドブック」(デジタルブック)。子どもの成長や発達段階に応じた、誤飲ややけど、交通事故などといった子どもの日常生活の中に潜む危険やその予防策が、楽しみながら学べるクイズや4コマ漫画でわかりやすく解説されています。「変えられるところを変える」という考え方がベースなのも、実践しやすいですね。ちょっとした知識と工夫で防げる事故はあるはずです。是非親子で会話をしながら、一緒に確認してみてはいかがでしょうか。
参考:東京都|子供の事故予防ハンドブック(事故防止情報等リ・デザイン事業)
取材、文・間野由利子 編集・編集部

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