スプリングSで好配当をもたらす2頭 波乱続きのトライアル戦は馬券的な妙味を重視すべし

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2024年03月16日 07:31  webスポルティーバ

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 GI皐月賞(4月14日/中山・芝2000m)のトライアル戦となるGIIスプリングS(中山・芝1800m)が3月17日に行なわれる。

 過去10年の結果を振り返ってみると、1番人気は馬券圏内(3着以内)に7回入っており、その信頼度はまずまず。しかしながら、勝利しているのはわずか1回。それゆえ、日刊スポーツの松田直樹記者はこう語る。

「スプリングSは人気が当てにならない――そう断言していいレースです。過去10年で1番人気が勝ったのは、2018年のステルヴィオだけ。難解な一戦と言えます。

 さらに、トライアル戦でありながら、過去10年でここから皐月賞優勝馬は1頭しか出ていません(2018年の2着エポカドーロ)。本番に直結するレースかというと、そうとも言い難いですね」

 加えて、今年の3歳戦線は牡馬、牝馬ともに、クラシックの前哨戦となるレースで主役候補がことごとく人気を裏切っている。特に3月に入ってからのトライアル戦では、4戦すべてで1番人気が敗れている。松田記者もその点について指摘する。

「人気どおりにいかないのが、今年の3歳戦線です。

 牝馬路線では、桜花賞トライアルの3競走全部が波乱の決着。GIIチューリップ賞では5番人気のスウィープフィート、GIIフィリーズレビューでは11番人気のエトヴプレ、リステッド競走のアネモネSでは3番人気のキャットファイトが勝利し、1番人気で優先出走権を得たのは、フィリーズレビューで2着に入ったコラソンビートだけでした。

 結局、優先出走権を獲得した馬の平均人気は7.5。今年の3歳戦線がいかに混沌としているかがよくわかります。

 片や、牡馬路線も同様です。先日行なわれたGII弥生賞(3月3日/中山・芝2000m)では、1着コスモキュランダ(6番人気)、2着シンエンペラー(3番人気)、3着シリウスコルト(9番人気)という決着。1、2番人気はともに馬群に沈んでしまいました。

 ローテの多様化によって、予想の難しさが増しているのかもしれませんが、今年のトライアルは例年以上にひと筋縄ではいきません。馬券検討においては、オッズの妙味を考慮することも決して間違いではないでしょう」

 そして今回、人気を集めそうなのは、デビュー2連勝中のシックスペンス(牡3歳)と、前走のGIIIきさらぎ賞(2月4日/京都・芝1800m)で2着となったウォーターリヒト(牡3歳)あたりか。ただ、前者はマイル戦を2戦使ってからの距離延長、後者は昨年の10月デビューからすでに6戦も消化して今回が7戦目と、ともに懸念材料を抱えている。

 ならば、今年のトライアル戦の流れや、松田記者が言う「オッズの妙味を考慮」して、これら人気馬を軸から外すのもひとつの手。"荒れる"ことを前提にして、勝負するのも悪くはない。

 そこで、松田記者は2頭の推奨馬をピックアップした。

「穴馬というより、配当的な妙味という意味では、ジュンゴールド(牡3歳)が面白い存在だと見ています。

 新馬戦(8月20日/小倉・芝1800m)では、小回り向きの瞬発力を見せて快勝。5頭立ての少頭数となった2戦目の1勝クラス・紫菊賞(10月14日/京都・芝1800m)では、途中からハナに立って完勝しました。

 そんな、異なる形のレースにも対応できるセンスを備えながら、1番人気に推された前走のGIII京成杯(1月14日/中山・芝2000m)では12着。大外枠発走から行きたがる競馬になって、最後まで見せ場を作れませんでした。

 初めての中山が影響したのか、惨敗の理由は判然としない部分がありますが、京成杯での走りがこの馬の実力ではないはず。今回、再び中山でのレースとなりますが、舞台慣れが見込めれば、課題克服は十分にあると思います。

 いとこに2016年のダービー馬マカヒキがいて、半兄のジュンブルースカイは2020年のGIII東京スポーツ杯2歳S(東京・芝1800m)で、1着ダノンザキッド、2着タイトルホルダーに続いて、3着と好走した馬。その血筋からして、素質のよさを出せる精神状態にあれば、ここで見直すことができます」

 松田記者が推すもう1頭は、チャンネルトンネル(牡3歳)だ。

「3月13日の最終追い切りのあと、歯切れのいいコメントを発したのがチャンネルトンネルの手綱をとる松岡正海騎手。『(距離的には)マイルがベストだと思っているけど、今は気性的にゆとりがあるので1800mもこなせる。この相手でも勝ち負けになっていい素質がある』と言っていました。

 実際、動きのよさは目立っていました。1週前にしっかりと時計を出していることもあって、当週はビシッと負荷をかけてはいませんが、動き自体は関東馬のなかでは1、2を争うものだったと思います。

 前走の1勝クラス(2月18日/東京・芝1800m)は、馬群の後ろで仕掛けを待たされて、脚を余しての4着。スムーズなら......と思わせる内容で、力負けではありません。

 今回は試金石の一戦にはなりますが、具合のよさと陣営のムードから、押さえておきたい1頭です」

 クラシックへ向けての前哨戦シーズンもいよいよ終盤。熾烈極める本番の行方を見極めるうえでは、この一戦からも目が離せない。

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