6000キロ間の“ルーツ”に馳せて…ニコ・ウィリアムズが語る家族愛「僕の行動は全て母親のためだ」

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2024年03月25日 21:25  サッカーキング

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ニコ(左)とイニャキ(右) [写真]=Getty Images
 アスレティック・ビルバオのFWニコ・ウィリアムズが、自身のルーツについて語った。24日、スペイン紙『アス』が伝えている。

 優雅さと軽快さを兼ね揃えた一線級のドリブルと、両足遜色ないキック制度を武器とするニコ・ウィリアムズ。アスレティック・ビルバオとスペイン代表の“崩しの切り札”に対しては、レアル・マドリードやリヴァプールの欧州ビッグクラブが関心を寄せていたが、昨年12月に2027年夏まで契約を延長した。「アスレティックに残れること、子供の頃から公園で一緒に遊んでいた兄とプレーできることがとても嬉しい。満足しているから、新たに3年間の契約を延長したんだ」と何よりも情を重んじる、ニコらしい理由を告白している。

 スペイン北部・バスク地方で生まれたウィリアムズ兄弟(ニコがパンプローナ、イニャキはビルバオ)は、南に約6000km離れたアフリカ大陸の西部にルーツを持っている。兄弟の両親は、ガーナからサハラ砂漠を横断し、モロッコと国境を接するスペイン領メリリャに亡命。移民としてスペインに渡ったのだ。母マリアさんはこのとき、イニャキを身籠もっており、まさに命懸けの旅だった。以前、ニコは「両親はたくさん苦しい思いをしてきたから、彼らが元気に暮らせるように、全てを、そしてそれ以上のものを与えてあげたい」とこの話を聞かされた後の心境を明かしていたが、改めて「だから、僕の行動は、全て彼女のため」と強調しつつ、以下のように述べている。

「僕の母は、兄弟のお手本だ。少しでも良い生活を求めた彼女は、裸足で砂漠を歩き、スペインにまで辿り着いた。決して誰かのものを盗むためではなく、パンと屋根のある家と、そして家族のより良い未来のためにね。たくさん、苦しんで、苦しんで…でも、勇敢だった。父も、僕たちに食べる物を与えるためにロンドンへと向かったよ。両親は身を粉にしてくれたんだ」

 さらにニコは、先の兄弟喧嘩にも言及。16日のアラベス戦後、互いのプレーに対する不満が噴出し、ピッチ上で口論となったのだが、同選手は「ガーナにいる母から電話がきた。『口論をしないで。ましてやピッチ上で』って、言われたよ。でもまぁ、それはフットボールのことだからね。ドレッシングルームでも続きがあったけど、家に帰る頃にはもう忘れていた」と秘話を明かしている。

 イニャキとともに、アスレティック・ビルバオを牽引するニコ。来月上旬には、40年ぶりの優勝を懸けたコパ・デル・レイ決勝戦に臨むが、兄弟でトロフィーを掲げる光景を両親に見せることができるのだろうか。

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