元F1王者ジョディ・シェクターがコレクションを売却へ。フェラーリ312 T4や6輪ティレルなど

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2024年04月02日 19:30  AUTOSPORT web

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2019年F1第14戦イタリアGPで自身のコレクションの一台である『フェラーリ312 T4』をドライブした1979年のF1王者ジョディ・シェクター
 1979年のF1世界チャンピオンであるジョディ・シェクターは、彼の素晴らしいカーコレクションを売りに出している。コレクションは1000万ユーロ(約16億2700万円)近い価格で落札される可能性があり、彼のモータースポーツとのつながりの終盤に非常に大きな利益をもたらすことになりそうだ。

 最近74歳になった南アフリカ出身のシェクターは、世界選手権を制覇するという目標を達成してから1年後に、30歳と非常に若いうちに引退したが、友人でフェラーリでのチームメイトだったジル・ビルヌーブが亡くなるまで、さらに数年間このスポーツに関わり続けた。

 その後、彼は新しいビジネスベンチャーに目を向けたが、息子のトビーとトーマスがレースをしたいと決心すると、シェクターは子供たちのキャリアをフォローし、非常に献身的な父親としてパドックに戻った。トビーがすぐにレーシングキャリアを閉じた一方、トーマスはF1のテストドライバーに到達した後にインディカーに転向した。しかし、やはり比較的若くして現役を退いている。

 息子たちを積極的にサポートしていたジョディのレースへの愛はこの間に再燃した。モータースポーツとは異なる分野のビジネスで富を築いた彼は、自身のキャリアで使用したすべてのレーシングカーを探しに行き、それらをすべて購入してしまった。今回売却されることになったのはこれらのマシンだ。

 もちろん、タイトルを獲得したフェラーリ312 T4は、シェクターが650万ユーロ(約10億5800万円)で売りに出しているように輝かしい逸品だが、このような先駆的なクルマを求める関係者が絶えることはないため、さらに価格が上がる可能性がある。

 興味深いのはシェクターのコレクションのなかで2番目に価値のあるクルマが、1973年仕様のマクラーレンであることだ。225万ユーロ(約3億6700万円)相当のものだが、このクルマはその年のイギリスGPで彼が大きな多重事故を起こしたマシンだ。それに続くのは、1972年のアメリカGPで彼がF1デビューを果たしたマクラーレンM19で、100万ユーロ(約1億6300万円)に上る見込みだ。

 面白いことに、ユニークな6輪車のティレルP34は、この素晴らしいマシンに対するシェクターの嫌悪感を反映しているのか、65万ユーロ(約1億580万円)の評価しかされていない。一方、最初のフルシーズンで彼を3位に導いた1974年のティレル007は、90万ユーロ(約1億4600万円)の値がつくものと予想されている。売りに出されている他のF1マシンは、1977年のアルゼンチンGPでのチームのデビュー戦で優勝したウルフWR1で、提示価格は65万ユーロ(約1億580万円)だ。

 また、2台のF2、1台のF3、1台のF5000マシンも売りに出されているが、F1以外でコレクターにとってもっとも興味深いものは、マーリンMk11aかもしれない。これはシェクターがイギリス・フォーミュラ・フォードのタイトルを獲得したマシンだ。その前の2年間に、2度の世界チャンピオンとなるエマーソン・フィッティパルディと、イギリス人ドライバーのコリン・バンダーべルも、このマシンでそれぞれタイトルを獲得している。

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