会社で一番年下の社員からヒントを得た、元クロックスCMO 新しいアイデアでブランドを立て直したリーダーの資質

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2024年04月05日 17:10  ログミー

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元クロックスCMOに学ぶ「開放性」

アン・ハイアット氏:では、3つ目の特質の「開放アンディ・ジャシーがジェフ・ベゾスにしたように性」です。ここからは、みなさんが想像していたような話から少し外れます。開放性とは、自分の考え以外のアイデア、思考、課題、視点を持ち込むことです。

これは、社会学者が「強い絆から近い絆へ」と呼ぶものです。強い絆とは、あなたと同じ学校に行った人、同じ訓練を受けた人、同じ文化的遺産を持っている人のことです。彼らはあなたと話し方も似ていて、共通点が多いのです。

このようなことは、チームでよく起こります。そのため、結局は同じような人ばかりになってしまうので、弱いつながりが必要なのです。私たちはチャンスを見つけたいのです。例えば、スポーツ観戦に行った時、隣に知らない人が座っていて、2人とも同じチームを応援しているとします。そして、あなたはその人と(強い絆のある人とは)まったく違った会話をすることになります。

最高の起業家たちは、チームやプロセス、手続きにオープンさを取り入れるシステムを持っています。自信は謙虚さと共存できると私は信じています。自分とは違う考え方をする人、自分の思い込みやアイデアについて背中を押してくれる人。アンディ・ジャシーがジェフ・ベゾスにしたように、自分の好きなアイデアに穴をあけてくれる人をチームに招き入れるには、謙虚さが必要です。

その好例がテレンス・レイリーです。テレンス・レイリーは、クロックスがかっこよくなるずっと前にCMOを務めていました。私はクロックスを持っていませんが、彼はこの転換期にいました。彼は2つの組織で、私が不可能だと思っていたことをやってのけた、信じられないような例を持っています。

では、クロックスを例にとってみましょう。彼はクロックスのCMOでしたが、当時まだ10代だった彼の娘たちは、「クロックスで働くことはできない。とても恥ずかしい」と言っていました。でも、彼は製品を心から信じていて、自分の仕事にとても熱心でした。

会社で一番年下の社員から得たアイデアで、クロックスのイメージを覆す

その1ヶ月前にインターンを終えたばかりのトーリアという女性が、彼のオフィスに入ってきました。これは CMOとしての彼をよく物語っていると思います。(米国の著名なラッパー兼シンガーの)ポスト・マローンが、皮肉ではなくクロックスを履いている写真を持っていました。

彼女は「これがあれば一瞬で変わります」と言いました。そして彼は「なるほど。あなたは正しいと思うよ」と言いました。繰り返しますが、レイリーはとてもクレイジーです。というのも、ポスト・マローンを知らない人のために説明すると、彼は顔全体に落書きのようなタトゥーを入れています。 当時、私が想定していたコアな層とはちょっと違いますね。でも、ポスト・マローンは偶然にもクロックスの大ファンでした。

そこでトーリアは、CMOのレイリーに、「彼に連絡を取り、何か写真撮影をしませんか?」と提案しました。そのクレイジーなアイデアで、ポスト・マローンとの本格的なコラボレーションをしました。そしてウェブサイトをクラッシュさせ、瞬く間に完売し、クロックスのイメージを変えたのです。私にとって、これは役員のオープンさの究極の例です。

彼女は少し前までインターンでした。おそらく彼のチームだけでなく、会社全体で一番年下の人間からアイデアを得たのです。うまくいくことは明らかではなかったと思いますが、ある意味本当にうまくいきました。それは一過性のもので、レイリーの功績というよりは、トーリアの功績かもしれません。

でもその後、また同じことが起こりました。彼は、2020年4月にスタンレーのCEOに就任しました。(コロナの流行のため)組織の新しいCEOになるのに、これほど恐ろしい時期はないと思います。彼は社外からの採用でしたが、これは常に非常に困難なことです。そして彼は、これから何が起こるのか誰も脚本を知らない危機的な時期に、完全リモートで対応しなければならなかったのです。

110年の歴史を持つ老舗ブランドがSNSで大バズり

そしてまた、こんなパターンもありました。ある日、チームメイトのローレンが彼のところにやってきて、「The Buy Guide」 というものを聞いたことがあるかと尋ねました。ユタ州に住む女性たちの小さなグループで、彼女たちが本当にワクワクする商品をシェアしていました。その彼女たちが、スタンレーのタンブラーに夢中だと言うのです。

スタンレーは110年の歴史を持つブランドで、彼らのスローガンは「スタンレーは強い」でした。ただ、そのタンブラーはおじいちゃんが釣りに持っていく魔法瓶みたいなものです。インダストリアルグリーンで、ユタ州のお母さんたちの間では、最も流行りそうにないものです。

しかし、証拠はありました。バイヤーズクラブは熱狂的なファンを持っていたのです。だから彼は、「よし、彼女たちと話をしてみよう」と言いました。繰り返しますが、彼はクレイジーです。The Buy Guideのグループを連れてきて、ミーティングを開き、彼女らに「このタンブラーを5,000個買って、購読者に販売できないか」と持ちかけました。そしてすぐに完売しました。

彼女たちの名誉のために言っておくと、彼女たちは会社にある資本をすべて持ち出し、ローンを組んで、この5,000個のタンブラーを買ったのです。この情報を手に入れたレイリーは、スタンレーの重役や取締役会に「何かを変える必要がある」と伝えました。「私たちが作っている製品を本当に欲しがっている層を、私たちは見逃してきたし、無視してきたのです」と言いました。

そして今、彼は一見クレイジーなアイデアに耳を傾け、情報を受け入れ、107年の歴史を持つブランドを立て直しました。2年足らずで、700万ドルの収益から7,000万ドルの収益へと、10倍のリターンを得たのです。今ではこの商品は、タンブラーのバーキンバッグと言われています。私は持っていませんが、どんな服にも合う色で、とても大きいです。

そして彼は、TikTokでバズった流行の波をブランドアイデンティティの一部として取り入れ、実際に成長させました。こういった新しいマーケティング方法があるという事実を心から受け入れたのです。

コロナで収益の80%を失ったAirbnbが、劇的な復活を遂げたわけ

オープンさのもう1つのすばらしい例は、(Airbnb最高経営責任者の)ブライアン・チェスキーです。ブライアンは多くの点で印象的ですが、実はつい最近、彼の歩みについて新しいことを知りました。彼はチップ・コンリーという幹部を雇ったのですが、チップは、カリフォルニアにあるジョワ・ド・ヴィーヴルというブティックホテル・チェーンでCEOを務めていました。

ブライアンはホスピタリティと起業家精神の専門家としてチップを雇ったのです。そしてチップが参入したのは、ご存知のように、テクノロジーの観点からではありませんでした。 彼はまさに、おもてなしの達人でした。

でも、ブライアンは彼を「Airbnbの現代の長老」と呼び始めました。チップは最初、その非公式な肩書きがあまり好きではありませんでしたが、当時彼は52歳で、Airbnbの従業員の平均年齢は26歳でした。

つまり、彼は文字どおり彼らの2倍の年齢だったわけです。しかし、彼がこの「現代の長老」という言葉を受け入れた理由は、ブライアンがこの言葉の定義について「好奇心と賢さが同居している人」と言ったからです。それで彼は、「よし、これなら仕事ができる 」と思いました。そして、チップはミーティングでの自分の役割を「メンター」と呼びました。

それは、彼がその場の誰も持っていない専門知識を持っていたからです。しかし、新しい環境にいたため、彼は初日のインターンがするようなくだらない質問もしました。その知識とスキルセットを、まったく異なる方法で示していました。ですから、ブライアンもチップも、オープンで、さまざまなアイデアを受け入れることのできるすばらしい例だと思います。

IPOの準備をしていたAirbnbは、パンデミックの始まりのわずか数週間で収益の80パーセントを失ったのですが、彼らはこの嵐を乗り越えました。そしてIPOが大成功したのは、このオープンさがあったからだと思います。ですから私は、あなたの周りの人々やアイデアをキュレーションする時間を持つことをお勧めします。

新しい情報源からインスピレーションを得たり、強い結びつきの外に出たり、弱い結びつきの中に入ったりして、目の前にない声や視点、専門知識を取り入れてください。

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