「同じ分譲地内で不倫」「住宅ローン審査前に夫の借金発覚」実際にあった住宅購入時の悲劇を業界のベテランに聞いた

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2024年04月15日 10:00  女子SPA!

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 夢を叶えたはずのマイホーム。そこには、さまざまな喜怒哀楽があります。夫婦円満で、子どもたちもすくすく成長、順風満帆な生活を送る家庭もありますが、なかにはマイホームを夢見たばかりに、家族間での“ドロドロ”としたトラブルに見舞われるケースもあるといいます。

 不倫、借金……と、これまで多くのエピソードを見聞きしてきたたのは、営業マンとしてスタートした住宅業界でのキャリアは18年以上。現在はマイホーム管理アプリ「マイホム」、プリフィックス注文住宅「PlusMe(プラスミー)」などを手がける、株式会社マイホムの代表取締役・乃村一政さんです。今回は「住宅にまつわる悲喜こもごも」を聞きました。

◆分譲地内で親交が深まりすぎて…

 大きな土地を区画整理し、宅地として小分けして販売する「分譲住宅地」。入居のタイミングも近い新興住宅地の分譲地では、居住者同士が仲よくなりすぎるがあまり、お隣さん同士で情事にふけってしまったケースもあるというのもあるそうで。

「仮にAさん宅、Bさん宅としましょう。僕が九州エリアのある営業マンから聞いたのは、Aさん宅の夫と、Bさん宅の妻が不倫してしまったケースです。親睦を深めるパーティが引き金になったと知ったのは、さらに別のご近所さんからの密告でした。アフターケアのためにと訪問したところ『親睦パーティあの日から、AさんとBさんの奥さんが不倫始まっちゃったらしくて…』と言われて、その営業マンも、驚きよりも正直『そこまで仲よくなってほしくはなかったんだけど…』って感じだったそうです(笑)。

 結果、Aさんのご家庭は離婚してマイホームを手放してしまい、Bさんのご家庭は再構築したと聞いています。分譲地には一般的に50〜100世帯、大きな分譲地になると300世帯以上が住みますが、PTA不倫というのもあるぐらいですから、異なるご家庭の男女同士がくっついてしまのは住宅業界でも起きるわけです。武勇伝としたいのか、不倫している男性が『じつは、あそこの奥さんと…』と、みずから打ち明けてしまうケースもあるそうで、ここまでくると目も当てられません」

◆持ち分の話し合い不足で「離婚」に発展

 不倫のトラブルがある一方、数十年にわたり数千万円ものローンを組むマイホームではお金にまつわるトラブルも多々。「挙げればキリがない」とはなす乃村さん。夫婦の話し合い不足で、決定的な仲たがいにまで発展してしまったケースを振り返ります。

「住宅ローンの内訳で揉めたケースです。過去にとある工務店の営業さんから相談を受けたケースでは、妻側の親御さんが着手金の500万円を出し、残りの2500万円を夫が単独で住宅ローンを借入れることになりました。ただ、所有権の割合が問題になったんです。事前に話し合う中で、マイホームの『500万円分は私の持ち分』と妻からは言いづらかったらしく、どうやら内情はギスギスしていたようでした。

 すでにマイホームは完成して、不動産の決済のために銀行へ向かう車内で『うちの父が500万円分を出したから、その持ち分はちょうだいよ』と妻が言ったところ、夫も『今さら何を主張しているんだ。そもそも、お前のオヤジが嫌いだったんだ!』と激怒し、離婚にまで発展してしまったそうです。本音を言えば、揉めそうなら事前に相談してほしかったなと…その営業マンも苦笑いしてました」

◆夫から「2人で会える?」と電話が来た理由は?

 住宅ローンの審査には「事前審査」と「本審査」があります。事前審査の通過後に、必要であれば土地を購入して、建築がスタート。その後、本審査を通過できれば住宅ローンを正式に借り入れられます。

 この審査中にも、マイホームを背景にした“ドロドロ”エピソードが。妻の預かり知らぬ夫の借金がバレる、ヒヤッとするケースも……。

「事前審査の話が出たあたりで、夫から営業マンに『2人で会える?』と電話がかかってくるケースは、けっこう多いんです。理由は、妻に内緒の借金があるから。日本中にいる工務店の営業マンで、経験したことのない人間はおそらくいないと思います。中には『住宅ローンで消費者金融の借金を借り換えれない?』と、とんでもない相談をしてくる人もいて(苦笑)。営業マンも『親御さんからお金を借りて、どうにか完済できませんか』と言うぐらいしか、フォローできないのが悩ましいです」

◆ローンが通る前にやってはいけないこと

 ただ、このエピソードは事前審査前だったのでまだセーフ。最悪なのは、「建設後、本審査の結果が出る前の“うっかりした”行為が理由でローンが通らないケース」だと、乃村さんはいいます。

「マイホームの着工から建設までは、長くて半年ほどです。その間に本審査があるのですが、ローンが通るまでにケータイ代金を滞納してしまった、新たなクレジットカードを作ってしまった、ローンで家電や車を買ってしまったなどの行為で審査に落ちてしまう人は意外と少なくないんです。

健康診断も落とし穴ですね。本審査通過までの間に重病を患ってしまうと審査落ちするのは想像付くと思いますが、じつは、X線検査で臓器に影が見つかるなど、診断で『再検査』の項目が見つかるだけでも、審査がはねられるおそれがあります。

 どうしてもローンが通らず、過去には親御さんがお金持ちで肩代わりしてもらったお客さんもいましたが、そんなケースはまれ。僕らも『現金で一括払いを』と案内するしかありませんし、契約書でやってはいけない行為を1つひとつ確認してから、審査へ臨むべきです」

 マイホームには夢や幸せが詰まっていますが、だからこそ浮足立ってしまい、足元をすくわれやすいのかもしれません。実際にあった“ドロドロ”エピソードを反面教師としてもらいたいと願います。

【乃村一政】
(株)マイホム代表取締役CEO。1976年、奈良県生まれ。高校卒業後、吉本総合芸能学院(NSC)へ14期生として入学。約6年間の芸人活動を経て、訪問販売の営業マンに転身。2006年より住宅業界へ移り、2010年に奈良県でSOUSEIを設立。2021年にマイホムを設立。

<取材・文/カネコシュウヘイ>

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