仲村トオル、石原さとみ&亀梨和也との会話が役作りのヒントに『Destiny』の舞台裏を明かす

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2024年05月07日 07:10  TVerプラス

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石原さとみさんが3年ぶりに連続ドラマに復帰し、亀梨和也さんと初共演するサスペンス×ラブストーリー『Destiny』(テレビ朝日系、毎週火曜21:00〜)が放送中、民放公式テレビ配信サービス「TVer」にて配信中です。

本作は大学時代の恋人・野木真樹(亀梨)との再会を機に、封印してきた大学時代に起きたある事件と対峙し、父親の死の真相や大学時代の仲間の秘密の顔など様々な過去と向き合っていく女性検事・西村奏(石原)の姿を描く20年の時をかけたサスペンスラブストーリーです。

真樹の父親で、有名な事件を多数手掛けるエリート弁護士の野木浩一郎を仲村トオルさんが演じます。息子・真樹とは子供の頃から折り合いが悪く確執関係にあるという設定です。

今回、仲村さんに本作の見どころや現場でのエピソードなどについて話を聞きました。

“息子”亀梨和也と野球話で距離が縮まる

――とてもドラマティックな作品ですが、本作の脚本を読んだ時の感想を教えてください。

脚本の前に、プロットのようなものを読ませていただいたのですが、その時点ですごく面白そうだと。自分の演じる役も多面的な人物像で、やりがいがあるなと感じました。

――撮影に入る前に役作りのようなことはされましたか?

何を求められているのかを、衣装合わせなど事前の準備段階でヒントをもらって探ることはいつもしますが、現場に入って、実際に撮影するときに、自分が準備して、現場にもちこんだものより、その場で対峙する役の方が感じさせてくれるものを大切にしながら演じています。今回も、自分の役のイメージは、現場で掴めた気がします。

点と点が繋がっていないように見せる脚本の作りで、最終話まで脚本ができていない段階、3話を撮っている時。さとみちゃんに「野木さんはどうしてこんな感じなんですかね」と声をかけられて。僕はその時点での解釈を話しましたが、その最中に「これだ!」と野木の人物像がくっきりしたというか、腑に落ちたんです。その後、プロデューサーに、「……というつもりで演じていいですよね」と聞いたら、「そうです」と仰って。

――過去に石原さんの父親役を演じられたことがあると思いますが、印象の変化はありますか?

さとみちゃんとは20年近く前、テレビ朝日の『氷点』というドラマでご一緒して。僕の中ではその時の印象のままだったんですが、その後、たくさんいろいろな仕事をなさって。結婚して、お母さんにもなっているので、だいぶ印象が違うだろうと思っていたんですが。あの頃の無垢な雰囲気は、そのままでした。

亀梨くんはパブリックイメージというか……、僕はプロフェッショナルアイドルのようなイメージが強かったんです。でも、これはもう、かなり話しているエピソードですが、今回の現場で最初に会った時に「初めましてじゃないんです」と、亀梨くんが少年時代に出会っていた話を切り出してくれたのがきっかけで、それがスパイスになって、亀梨くん演じる真樹の印象も、役柄としての距離感も大きく変わったような気がします。

――世代の違うふたりに対して父のような視線を向ける役どころです。

職業病かも知れませんが、今回に限らず、最初に親子役をやったり、その俳優の幼少期に出会ったことがあるとわかったりすると、出会いの時の目線をずっと維持してしまうところがあって。だから自然にふたりを親目線で見ていたかも知れません。

――亀梨さんとは現場でどんなお話をされるんですか?

野球の話ですね。僕は昭和40年生まれなので、国民的スポーツが野球世代なんです。亀梨くんは報道系のスポーツ番組に出演されているので、プロ野球の内側に詳しそうだなと思って、僕の方から野球のことをいろいろ聞いてました(笑)。

“運命的な出会い”とは

――タイトルにちなんで聞きたいのですが、仲村さんがデビューして今までに経験したことの中で、運命の出会いと呼べるような出会いはありましたか?

全員とは言いませんが、かなりの人数の人が「この人と出会っていなかったらここにこうしていないだろう」という影響を与えてくださったと思っています。

大挫折、大失敗と呼ぶような出来事がこれまでになかったわけではありませんが「あれがなければここでこうしてはいないだろうな」と思えるようにだんだんとなってきました。「ここに今いて、まあまあ幸せな人生だな」と思える。仕事も頑張ってきたし、恵まれてきたなって。大失敗も含めて自分に影響を与えなかった人や事柄の方が少ないと思います。いろいろな人から影響を受けてきましたね。

――ご自身のキャリアでこれは運命だと思った作品はありますか?

デビュー作もそうですし、25歳、29歳の時に出演したドラマもそうですし……。たくさんありますね。2000年前後に、香港映画や中国映画、韓国映画など、外国の作品に出演したこともそうです。過去の自分、若い頃の自分に「どれもが、誰もが、大切に接すれば運命的な出会いになるから丁寧に生きなさい」と声をかけてあげたいくらいです。どれもが、誰もが、重要な作品、運命の人だったと思います。

――今回の役柄もそうですが、過去の作品にとらわれず、新しいもの、新しい役柄に挑戦する仲村さんの姿勢にとても惹かれます。

20代の頃は、明らかにそれを意識していました。『ビー・バップ・ハイスクール』や『あぶない刑事』は、幸いなことにたくさんの人に見てもらえて、「見ましたよ」とたくさん声をかけてもらえた作品で、それを通じて顔も覚えてもらえたわけですけど、25歳くらいになると、「いや、それだけじゃないんだけどな」と。もっと新しいものをやろうって。新しいことに挑戦する意識は20代、30代の頃に強くありました。

――今後はどのような役に挑戦したいですか?

以前、武田鉄矢さんのインタビューを読んでいたら「役名で呼ばれるのは幸せなことだ」と書かれていて、「そうだよな」と思いました。長く続けることをやりたいというよりは、見てくれる人たちに求められている役を求められているように演じたいなと思います。みなさんの期待に応えたいという思いが強いです。

――最後にメッセージをお願いします。

大げさに感じるかもしれないですが、人生を良き方に、いいものにすることができるというのがこの作品を通じて伝わればいいなと思います。取り返しのつかないこともあるかもしれないけど、生きていると、それ以上に大切なものが見つかったりもします。この作品がそんなメッセージを伝えるドラマになっているといいなという期待も込めて、そこに注目してほしいです。

取材・文・撮影:名鹿祥史

『Destiny』
毎週火曜21:00〜21:54 テレビ朝日系
石原さとみ 亀梨和也 安藤政信 宮澤エマ 矢本悠馬 曽田陵介 田中みな実 高畑淳子 佐々木蔵之介 仲村トオル
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