『ミッシング』松山ケンイチらからコメントが「心が震えっぱなしでした」石原さとみの新場面写真も公開

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2024年05月14日 19:11  クランクイン!

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映画『ミッシング』場面写真 (C)2024「missing」Film Partners
 石原さとみが主演を務め、吉田恵輔が監督を務める映画『ミッシング』(5月17日公開)より、主人公・沙織里の新写真が公開。また、松山ケンイチ、見城徹、名越康文、大木伸夫(ACIDMAN)からのコメントが到着した。

【写真】『ミッシング』石原さとみの“緊張&笑顔”をとらえたメイキング写真

 『空白』『ヒメアノ〜ル』の吉田監督がオリジナル脚本でメガホンをとった本作は、愛する娘の失踪から3ヵ月後の家族を描く、哀しくも優しい物語。娘の失踪により徐々に心を失くしていく母親・沙織里役を石原が演じ、中村倫也、青木崇高、森優作、小野花梨、細川岳、有田麗未、小松和重、カトウシンスケ、山本直寛、柳憂怜、美保純らが脇を固める。

 この度、公開も目前に迫る中、各界から本作に寄せられたコメントが一挙解禁された。吉田監督作『BLUE/ブルー』で主演を務めた俳優・松山ケンイチは、「命を削る演技をしていた俳優の皆さんに心が震えっぱなしだった」「吉田監督の言語化できない映像表現はいつも僕自身が試される感覚がある」と本作から受けた衝撃を明かした。そして、「暗い場所から見える微かな、いつ消えるかわからない光は暖かさを感じさせる一方で、結局暗さを際立たせるモノでもある。それでもその光を求め続けるのが生き物の特性なのだと、感じた」と、あふれんばかりの思いを綴っている。

 編集者・見城徹は、「明日、誰にでも来るかも知れない不条理をこれほどまでの自然体と密度で描いた映画がかつてあっただろうか?」「観客は自分の『ミッシング』と向き合いながら映画のラストと向き合うことになる。そうだ。生きるということは説明不能なミッシングに満ちている」と、自分自身と向き合うことになる作品だ、と熱くコメントしている。

 2人の言葉からも、本作には否が応でも“心に突き刺さってくる”圧倒的なものが押し寄せる時間があり、目をそむけたくなるほど目が離せない思いにも駆られることが伝わってくる。この他にも、精神科医・名越康文、ミュージシャン・大木伸夫(ACIDMAN)からもコメントが届いている。

 また、あわせて、新カットも到着した。自宅の部屋にたたずむ沙織里の後姿をとらえたカットでは、カーテンが閉められた部屋の片隅に、虹のような光が差し込み、壁に描かれた落書きに優しく降り注いでいる風景が切り取られている。この光は、果たして誰かの心を照らすものになるのだろうか、劇場で、光の行方もぜひ探してほしい。

 映画『ミッシング』は、5月17日より全国公開。

※吉田恵輔監督の「吉」は「つちよし」が正式表記。

※松山ケンイチらのコメント全文は以下の通り。

<コメント全文>

■松山ケンイチ/俳優

 寿命が縮まってしまうような、命を削る演技をしていた石原さん、青木さん、森さん、そして中村さんたち俳優の皆さんに心が震えっぱなしでした。石原さんの人という枠を超えた生き物の慟哭の表現は一生忘れられないモノになりました。

 吉田監督の言語化できない映像表現はいつも僕自身が試される感覚があります。僕はこの物語、登場人物をどの立場で、どの角度から眺めたらいいんだろうか?と。どこかに置いてきた、忘れてしまったモノ、自分に無かった考えや価値観を物語や登場人物を通して教えてくれます。間違いなく僕にとって、言葉ではなく映画独特の言語で、とても大事なことを教えてくれる監督の1人です。

 この作品のどの人物にも、物事にも、良い悪いで片付けられない事情や感情がありました。

 暗い場所から見える微かな、いつ消えるかわからない光は暖かさを感じさせる一方で、結局暗さを際立たせるモノでもある。それでもその光を求め続けるのが生き物の特性なのだと、感じました。

■見城徹/編集者

 人は不意に納得の出来ない現実を背負わされた時、自分とどう折り合いを付けようとするのか? 突然世界から消えた6歳の娘。両親の不幸に追い討ちをかける匿名のSNSの悪意。両親が唯一頼りにする事件を追う地方テレビ局のエゴイズム。事件を前に簡単に崩壊する人間関係。

 娘の生存に縋る狂気の母親を石原さとみが野性動物のような演技で挑み、中村倫也が微妙で複雑な心情に揺れるテレビ局報道記者をクールに演じ切る。

 明日、誰にでも来るかも知れない不条理をこれほどまでの自然体と密度で描いた映画がかつてあっただろうか? 「ミッシング=行方不明」。観客は自分の「ミッシング」と向き合いながら映画のラストと向き合うことになる。

 そうだ。生きるということは説明不能なミッシングに満ちている。石原さとみはあの演技をもう一度やれと言われても多分、出来ない。瞬間、瞬間の奇跡。それほどに神がかった演技だった。

 企画はスターサンズ。スターサンズはやっぱり凄い。

■名越康文/精神科医

 2つのことを思った。石原さとみの演技は何かに捧げられている。この映画には、日本の精神世界の現実の100パーセント+αが描かれている。今なら引き返せる、という祈りの+αである。

■大木伸夫(ACIDMAN)/ミュージシャン

 何度も何度も泣いてしまいました。愛する我が子を失ってしまうという究極の悲しみに、僕らはどこまで寄り添う事が出来るのだろう。人間が辛くなり、人間が嫌になり、それでもやっぱり人間でありたい、と思える凄い映画でした。
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