藤井道人監督&綾野剛ら登壇「本当に票が割れた」 「東京インディペンデント映画祭」授賞式開催

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2024年05月22日 17:51  cinemacafe.net

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「第二回東京インディペンデント映画祭」授賞式
審査委員長を藤井道人監督、特別審査員を綾野剛が務めた「第2回東京インディペンデント映画祭」授賞式が5月21日に行われ、グランプリ、準グランプリ作品が発表された。

「次世代の映画監督を育成する」をモットーに、新たなムーブメントを呼び起こす「夢のある映画祭」として昨年誕生した東京インディペンデント映画祭。ゲスト審査員には女優の奈緒を迎え、藤井監督指揮のもと映像映画業界から選出された精鋭の審査員チームによって開催され、自主制作映画シーンにおいて活動する関係者から大きな反響を得た。

そして第2回となる本映画祭では、短編自主制作映画にフォーカスを当て、国内屈指の映画コンペティションへの成長を目標とし、2023年12月1日より作品募集が開始され、3か月間で292作品の応募が集まり、その中から授賞式ではグランプリ、準グランプリが発表。

審査委員長には、映画『余命10年』や現在公開中の映画『青春18×2 君へと続く道』の藤井道人監督。さらに「第二回TIMF 特別審査員」として映画『ヤクザと家族 The Family』や映画『最後まで行く』などで藤井監督とタッグを組み、高い演技力に定評のある綾野剛、そのほか阿部雅人(松竹・プロデューサー)、 小出真佐樹(ロボット・プロデューサー) 、 SYO(ライター)、古川達馬(編集技師) 、菅井ひなの(映画祭キュレーター)が登壇した。

まず、受賞作品発表に先立ち、受賞は逃したものの最終ノミネートに選出された3作品が発表され、プレゼンターとして藤井監督、綾野さんが祝福した。

続いて、準グランプリを受賞した『ゴミ屑と花』大黒友也監督と『スマホの中のエイリアン』川中玄貴監督が登壇、綾野さんが目録を渡した。大黒監督は「今回こういった賞を頂けて本当に光栄に思います。この作品を通していろんなん人と出会って縁を感じる経験ができました」と喜びを噛み締めた様子。

川中監督は「私は映画大好き少年で始めた人ですが、長いことPVや広告周りをしていて実写っぽい映像というのは20年ぶりに作らせていただいたのですが、その機会にこのような結果になりありがたい気持ちでいっぱいです」と感謝をコメントした。

そして今回グランプリを受賞したのは『東京逃避行』の秋葉恋監督。綾野さんより目録を受け取ると、「僕は18歳の時に高校生映画甲子園で藤井監督から最優秀監督賞をいただいて、そこからいろんな現場を通して制作をしてきましたが、やはりもう一回藤井さんに映画祭で会うということは大きな目標としてずっとありました」と明かし、「これからも藤井道人監督の元で、自分が若いからこそ出せる個性だったり問題だったりと向き合いながら作品を作っていくので、これからもよろしくお願いします」とコメントした。

最後に審査員による総評が行われた。古川さんは「今回の6作品を見させていただきましたが、今回ここにいる審査員の中で本当に票が割れていました。みなさんそれぞれの個性をとにかくこのまま磨いていっていれば必ずどこかで、自然と成果が出てくると思います。そして、その中で僕がスタッフとして携われたら非常に嬉しいと思います」とコメント。

菅井さんは「全て楽しく拝見させていただきました。監督をはじめ映画に関わった皆様の熱い想いを非常に強く感じましたし、どの作品も違ったアプローチで素晴らしかったので審査の際も非常に難航しました。この度は本当におめでとうございました」と講評。

特別審査員の綾野さんは「”共に考え、共に学び、共に走ることができるとも思っています。”この先もどう未来を切り拓いていけるかを一緒に考えていきたいと思っていますので、そういったところも含めこの映画祭が豊かになっていきますように心より願いを込めて。今日はありがとうございました」と未来に願いを込めてコメントを寄せる。

そして審査員長の藤井監督は「6作品本当に票が割れたんですよね。昨年に比べ今回は2時間きっちり、何度も観て審査員の中でみんなが作品の好きなポイントをたくさんディスカッションをしました」とふり返る。

「準グランプリに選ばれた2作品は、審査員の中でもすごくポイントが高くて、いますぐに獲りに行けるレベルだなと、僕たちが何もしなくても成功するだろうというような作品でした。グランプリを受賞した秋葉さんに関しては、高校生の頃から知っていて、ノミネート作品の中に彼の作品があったときに、やだなと思ったんです。やっぱり同じ目線で見れないし、彼には厳しい目線で育てたい、育ってほしいと思っていたので。ただやっぱり映像を見たときに、『彼は持っているな』と思いました」と明かす。

「6作品の中では映像のクオリティーは良くないし、無茶苦茶なことをやっているし。ただ、彼をフックアップできる映画祭でいないと僕たちはカッコ悪い大人になってしまうかもしれないという気持ちになりました。荒削りのものを閉じ込めたらプロになれるのではなくて、そこを伸ばすからみんなに見てもらえる映画監督になれるんじゃないかと信じたい。そういう意味で、僕たちはサポートするという立場にふさわしいのは『東京逃避行』なんじゃないかという思いで、決めさせていただきました。僕らも審査するという立場の上でとても勉強になりました」と総評し、授賞式は幕を閉じた。

グランプリ作品『東京逃避行』
【あらすじ】
現代のトー横問題を、前代未聞の1日リアルタイム逃避行を行い学生が主体となり制作した意欲作。東京に憧れ新宿に来た飛鳥は、日和という少女とトー横を牛耳るエドという男に出会う。とあることからSNSに写真を拡散され新宿で追われることになる飛鳥。始発まで日和と共に逃げ切れるのか。

準グランプリ作品『ゴミ屑と花』
【あらすじ】
精神的な理由により自衛隊航空パイロットを辞め、家族を養うためゴミ収集の仕事を始めた尾崎浩一(33)。研修期間の指導員・橋本花(20)と共に深夜のゴミ収集を始める。200件ものゴミを回収していく中で重たいゴミ、汚物、悪臭にまみれたゴミに圧倒される。浩一たちを鬱陶しがるサラリーマン、感謝の声掛けをする店員、気にも留めず通り過ぎる人――。様々な人の眼差しを受けながら、周囲を汚さず通行者に配慮しながらひたむきに働く花に浩一は生き方にある種の『美しさ』を感じる。誰に称賛されるわけでもない影の功労者――アンサングヒーローの物語。

準グランプリ作品『スマホの中のエイリアン』
【あらすじ】
ある日、主人公アイのスマホに見慣れないアプリがインストールされている。
不思議に思うが、友人によるとそれはいま流行りのAIアプリらしい。
試しに話しかけてみるとレポートを手伝ってもらえたりと意外と便利だった。
しばらく使っていると、AIアプリは突然自分から話しかけてくるようになる。
そして、挙句には自分は地球外生命体だと言い始めるのだった。




(シネマカフェ編集部)

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