スーパー耐久富士24時間を楽しむ中嶋一貴「自分としてもありがたい機会」20年ぶりのスーツ姿も

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2024年05月24日 20:30  AUTOSPORT web

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2024スーパー耐久第2戦富士24時間 GR Supra Racing Conceptから参戦する中嶋一貴
 5月24〜26日、静岡県の富士スピードウェイでENEOS スーパー耐久シリーズ2024 Empowered by BRIDGESTONE第2戦『NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レース』が開催される。5月24日には公式予選も終えたが、そんな一戦に向け笑顔でレースウイークを過ごしているのが、2年連続の参戦となるTGR-E副会長の中嶋一貴だ。GR team SPIRITの一員としてトヨタGRスープラをドライブするが、「懐かしさと楽しさを前面に出してやってます(笑)」とレースをエンジョイしているようだ。

 ル・マン24時間で三度の優勝を誇り、今季6月にはグランドマーシャルを務める一貴。現在はTOYOTA GAZOO Racingヨーロッパ(TGR-E)の副会長として、WEC世界耐久選手権をはじめとした活動を担っているが、2023年にはスーパー耐久富士SUPER TEC 24時間にスポット参戦。“カズキ”繋がりでTEAM IMPULのニッサンZ GT4をTOYOTA GAZOO Racingのレーシングスーツでドライブし、大きな話題となった。

 そんな一貴が、2年連続の富士24時間参戦を果たした。加藤恵三/松井孝允/河野駿佑/山下健太というドライバーラインアップで今季ST-Qクラスに参戦しているGR team SPIRITのEドライバーとして招聘された一貴は、専有走行から和気あいあいとした雰囲気のなかでレースウイークを過ごしている。

「もともとGRスープラGT4自体、TGR-Eで開発に携わらせていただいていることもありますし、日本側の開発メンバーの方々と一緒にお仕事をさせていただいたり、市販車の評価も含めていろいろなことをやらせてもらっています。GRスープラGT4は最新型がエボモデルですが、リリースして終わりではなくて、エボ自体をもっと良くできる、もっといいクルマにできる要素があるのではないかと、モータースポーツを通じて鍛えていきたいと思っています」と一貴は今回の参戦の理由について語った。

「その中で、TGR-Eとしてもっといいものを作っていく責任があると思っています。僕にできることはエンジニアではないので、ドライバーとして何かお手伝いできることがあればということで今回の参戦になりました。そもそも、昨年富士にニッサンZ GT4で出させていただいたときに、GRスープラの開発陣の皆さんから『GRスープラの方に乗ってください』と言われていたこともありまして(笑)。一年越しに実現したかたちですね」

 GR team SPIRITのGRスープラGT4は、一貴の言葉にもあるとおり、ST-Zクラスなど世界中で活用されているGRスープラGT4エボのさらなる進化を目指す一台で、第1戦SUGOから年間を通じて4人のドライバーたちによって改良を行っている。ヨーロッパでもGRスープラGT4エボをドライブしている一貴は「ドライバーとして、良くする部分はいろいろあります。クルマもそうですが、ドライバーが運転しやすい環境を作ることもあります。その点では良くなっていると思う部分もあれば、体感として足りないところがあります」と印象を語る。ドライバーの居住性は、ジェントルマンドライバーもドライブするGT4では重要な要素だ。

「クーリングやシートポジションなど、もう少しインパクトがある変化があっても良いのではと思うので、気になる部分は自分が乗ってコメントさせてもらうところもありますし、シーズンを通じて鍛えていくので、僕だけではなく、いろんなドライバーのコメントをもらい、それを少しでも反映できればと思っています」

 そして一貴にとって、「懐かしさ」に繋がっているのは、GR team SPIRITが一貴にとって古巣だからだ。2004〜05年は全日本F3を戦い、2005年にはスーパーGTにも参戦、さらにスーパー耐久にもスポット参戦。その後渡欧することになるのだが、スーパー耐久で所属していたのがteam SPIRITだ。

「昔からお世話になっているメンバーも多いですし、ドライバーも含めて同窓会みたいな感じなので(笑)、非常に楽しくやらせてもらっています。もちろん富士SUPER TEC 24時間レースは勝負もありますが、『みんなが完走してください』というレースなので、そういった意味では純粋にのびのびやらせてもらっています。自分としてもありがたい機会です」と一貴。

 専有走行では、そんな同窓会気分を盛り上げるかのように、関口雄飛監督から『FTRS』とロゴが書かれたレーシングスーツを練習用に渡された。もちろんFTRSは『フォーミュラトヨタ・レーシング・スクール』の略で、一貴はその出身だ。

「あれはチームではなく、スクールで貸し出すためのスーツなんです。たまたま練習で加藤(恵三)さんが着ていたのを見て、雄飛監督が『あれを着せるしかない』と。おかげさまで身内にコスられ倒してます(笑)。乗ってると気にならないんですが」と一貴は笑った。

「FTRSと書いてあるスーツを着るのはF3以来ですね。ちょうど2004年以来だと思うので、20年ぶりです。SPIRITで走るのも2005年以来ですし、ノスタルジックな感じで、懐かしさと楽しさを前面に出してやってます(笑)」

 今回スポット参戦するベテランドライバーも異口同音に語るように、一貴もこのレースウイークを楽しんでいる様子。「レースって楽しいですね!」と最後に笑顔で語っていた。

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