資生堂の表皮幹細胞研究 レモンアイアンウッド葉エキスが老化による肌悩みにアプローチ

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2024年05月27日 17:11  Fashionsnap.com

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表皮幹細胞の老化を引き起こすリン酸化YBX1をレモンアイアンウッド葉エキスが抑制

Image by: 資生堂
 資生堂は、レモンアイアンウッド葉エキスに表皮幹細胞の老化を抑制する効果があることを発見した。さらに同エキスの、表皮幹細胞の量を増加させ、細胞を生みだす力を向上させる効果も確認した。

 肌のターンオーバーは、表皮の細胞が絶えず増殖・分化することで起こり、その細胞の供給源となるのが、基底層に存在する表皮幹細胞である。資生堂はこれまで、表皮幹細胞を健やかに保つことが美しい肌の実現にとって重要であると考え、同細胞の量の維持をサポートすることで、肌の保湿やバリア機能、真皮のコラーゲン産生にも寄与することを発見してきた。また、表皮幹細胞の質に着目し、表皮幹細胞の老化を抑制するRNA結合タンパク質YBX1がリン酸化により機能低下し、細胞老化を引き起こすことを明らかにしていた。本研究では、これまでの知見を応用し、化粧品原料での表皮幹細胞の質の向上の実現を目指した。
 表皮幹細胞の老化を抑制するYBX1は、リン酸化により機能が低下することが確認されてる。今回、100種類以上の化粧品原料の中から、オーストラリア原産の植物、レモンアイアンウッドを選択。同植物は葉にレモンのような芳香を持つフトモモ科で、オーストラリアでは古くから薬草として活用してきたことが知られていて、学術的にも抗菌作用や抗酸化作用などさまざまな効用が研究されている。今回、抽出したレモンアイアンウッド葉エキスが、表皮幹細胞を含む培養細胞において、YBX1のリン酸化を抑え、表皮幹細胞の老化を抑制することがわかった。レモンアイアンウッド葉エキスにより、表皮幹細胞のマーカー遺伝子であるMCSPが増加し、細胞の増殖性も向上した。このことから、レモンアイアンウッド葉エキスは表皮幹細胞の老化を抑制する効果を持つとともに、表皮幹細胞の量を増加させ、細胞を生みだす力を向上させる効果があることが示唆された。この知見を、肌のターンオーバーの源である表皮幹細胞を健やかに保つソリューションとして応用し、エイジングによるさまざまな肌悩みにアプローチしていく。

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