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記憶の扉のドアボーイ・山下メロです。記憶の底に埋没しがちな平成時代の遺産を今週も掘り返していきましょう。
平成といえば音楽メディアの主役がアナログのレコードからデジタルのCDに代わり、さらに音楽配信やサブスクリプションへと変化していった時代。CDを何枚も買うことはできず、レンタル店でCDを借りてカセットテープにダビングするのが一般的でした。
その一方、ダビングした音源をCDと同じく瞬時に曲の頭出しができる経年劣化しないデジタルでのダビングが求められていました。そこに登場したのがSONYの記録メディアであるMD(ミニディスク)。1991年に発表され、92年に発売されました。
ケースに光ディスクを内蔵した記録メディアは、すでにパソコン用にMOがあり、その技術を用いて誕生したのがMDです。
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当時のポータブルCDプレイヤーは音飛びが多く、カセットテープ同様に振動に強い記録メディアが求められていました。プレイヤーに先読みバッファ用のメモリーを搭載することで音飛びを克服し、その利便性からだんだんと普及していきました。
さらにMDで重要だったのはコンパクトであることです。サイズはシングルCDよりも小さく、音楽を聴くためのポータブルMDプレイヤーも非常にコンパクトでした。薄い金属ボディを採用し、ケースに入ったMDと同程度のサイズを目指した機種が次々と発売されたのです。
そして、カセットテープではできなかった、途中のトラックに曲を後から割り込ませたり、曲を削除して前にズラすなどデジタルならではの編集ができたのも魅力でした。さらには、曲タイトルを入れる機能も重要です。今聴いている曲がリモコンの液晶などに表示されるのが、当時はいかに便利だったか......。
そんな良いことだらけで流行したMDも、専用プレイヤーを必要としないCD−RやiPodなどのデジタルミュージックプレイヤーの台頭でだんだんと姿を消していきました。逆に今では貴重品になりつつあるので、当時使っていた人は探してみましょう。
撮影/榊 智朗
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