香港前場:ハンセン1.2%安で3日続落、上海総合は0.1%下落

0

2024年05月30日 14:01  サーチナ

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

サーチナ

 30日前場の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比224.69ポイント(1.22%)安の18252.32ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が79.54ポイント(1.21%)安の6477.94ポイントと3日続落した。売買代金は619億6440万香港ドルとなっている(29日の前場は615億9570万香港ドル)。
 米長期金利の上昇が重しとなる流れ。米利下げ先送り観測が強まる中、昨夜の米債券市場では米10年債利回りの上昇が続いた(一時、4週ぶりの高水準)。香港は金融政策で米国に追随するため、域内金利の高止まりも懸念されている。ただ、指数は一時、プラス圏で推移。中国景気の持ち直し期待が支えだ。財政部は29日、今年1〜4月の国有企業・国有持株会社の利益総額が前年同期比で3.8%増加したと報告。増加率は1〜3月の2.8%から1.0ポイント拡大している。また、国際通貨基金(IMF)は29日、中国の2024年GDP(国内総生産)成長率予想を上方修正した。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、産金で中国最大手の紫金鉱業集団(2899/HK)が5.9%安、中国中堅デベロッパーの龍湖集団HD(960/HK)が4.2%安、政府系の華潤ビールHD(291/HK)が4.0%安と下げが目立った。
 セクター別では、本土と香港の不動産が安い。上記した龍湖のほか、融創中国HD(1918/HK)が6.0%、万科企業(2202/HK)が5.6%、旭輝(884/HK)が3.6%、恒隆地産(101/HK)が2.8%、領展房地産投資信託基金(823/HK)が2.5%、九龍倉置業地産投資(1997/HK)が2.2%ずつ下落した。
 レアアース・非鉄関連もさえない。ニッケル・コバルトの生産で世界大手の金川集団国際資源(2362/HK)が5.2%安、非鉄金属・鉱石の五鉱資源(1208/HK)が5.0%安、ニッケル大手の新疆新キン鉱業(3833/HK)が3.9%安で前場取引を終えた。
 半面、半導体セクターは高い。晶門半導体(2878/HK)が14.8%、上海復旦微電子集団(1385/HK)が4.8%、華虹半導体(1347/HK)が4.7%、中芯国際集成電路製造(981/HK)が4.4%ずつ上昇した。産業支援の期待が強まっている。工業情報化部など関係部門は29日、人工知能(AI)産業の発展を後押しするため、生成AIや大規模言語モデル(LLM)などの分野で業界基準策定を加速する方針を明らかにした。
 太陽光など再生可能エネルギー発電関連も物色される。信義光能HD(968/HK)が4.0%高、協キン科技HD(3800/HK)が2.7%高、陽光能源HD(757/HK)が1.3%高で引けた。政策の恩恵が期待される。国務院(内閣に相当)は29日、省エネ・二酸化炭素(CO2)排出削減に向けた行動プラン「2024〜2025年節能降炭行動方案」を正式発表した。主要業種ごとに具体的な数値目標を設定し、化石エネルギー消費量とCO2排出量を抑制する。
 一方、本土マーケットは反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.12%安の3107.18ポイントで前場の取引を終了した。不動産株が安い。素材株、エネルギー株、医薬株、公益株、食品・酒造株、運輸株、金融株なども売られた。半面、ハイテク株は高い。軍事関連株、自動車株、メディア・娯楽株も買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)

    前日のランキングへ

    ニュース設定