香港大引:ハンセン1.3%安で3日続落、半導体セクター逆行高

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2024年05月30日 18:01  サーチナ

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 30日の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比246.82ポイント(1.34%)安の18230.19ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が94.53ポイント(1.44%)安の6462.95ポイントと3日続落した(ハンセン指数は約1カ月ぶりの安値)。売買代金は1255億320万香港ドルとなっている(29日は1231億9260万香港ドル)。
 米長期金利の上昇が重しとなる流れ。米利下げ先送り観測が強まる中、昨夜の米債券市場では米10年債利回りの上昇が続いた(一時、4週ぶりの高水準)。香港は金融政策で米国に追随するため、域内金利の高止まりも懸念されている。米金利高を背景に、対米ドルの人民元安が進行するとの警戒感もくすぶった。また、中国と西側諸国の対立も依然として不安視されている。中国景気の持ち直し期待などで指数は一時プラス圏で推移したものの、買いの勢いは続かなかった。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、政府系の華潤ビールHD(291/HK)が5.7%安、産金で中国最大手の紫金鉱業集団(2899/HK)が5.5%安、コンテナ海運大手の東方海外(316/HK)が5.3%安と下げが目立った。
 セクター別では、本土と香港の不動産が安い。融創中国HD(1918/HK)が6.7%、旭輝(884/HK)が4.8%、万科企業(2202/HK)が4.0%、九龍倉置業地産投資(1997/HK)が4.3%、信和置業(83/HK)が2.9%、恒隆地産(101/HK)が2.4%ずつ下落した。
 レアアース・非鉄関連も急落。金川集団国際資源(2362/HK)が6.3%安、五鉱資源(1208/HK)が7.8%安、新疆新キン鉱業(3833/HK)が4.7%安、江西銅業(358/HK)が4.6%安で取引を終えた。
 半面、半導体セクターは高い。晶門半導体(2878/HK)が18.0%、中芯国際集成電路製造(981/HK)が4.9%、華虹半導体(1347/HK)と上海復旦微電子集団(1385/HK)がそろって4.0%ずつ上昇した。産業支援の期待が強まっている。工業情報化部など関係部門は29日、人工知能(AI)産業の発展を後押しするため、生成AIや大規模言語モデル(LLM)などの分野で業界基準策定を加速する方針を明らかにした。それより先、IC産業振興に向けて新たな国策ファンドが24日に発足している。登録資本は3440億人民元(約7兆4500億円)に上り、国家集成電路産業投資基金(大基金)としては過去最大だ。
 太陽光など再生可能エネルギー発電関連も物色される。信義光能HD(968/HK)が3.4%高、協キン新能源HD(451/HK)が2.1%高、協キン科技HD(3800/HK)が2.0%高で引けた。政策の恩恵が期待される。国務院(内閣に相当)は29日、省エネ・二酸化炭素(CO2)排出削減に向けた行動プラン「2024〜25年節能降炭行動方案」を正式発表した。主要業種ごとに具体的な数値目標を設定し、化石エネルギー消費量とCO2排出量を抑制するという。
 一方、本土マーケットは反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.62%安の3091.68ポイントで取引を終了した。不動産株が安い。石炭・石油株、酒造株、素材株、公益株、医薬株、運輸株、金融株なども売られた。半面、半導体などハイテク株は高い。軍事関連株、自動車株、メディア・娯楽株も買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)

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