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前回からの続き。俺(トオル)は、妻のハルナと息子のリクとの3人暮らしをしている。数年前に前妻ユキエと両親の相性が良くなかったため離婚に至り、両親から孫も奪う形になってしまった。その後ハルナと再婚してリクが産まれ「これで両親には孫との楽しい老後を過ごさせてあげられる」と思ったのだ。しかし同居の話を進めるにつれてハルナは人が変わったかのように怒りだし、しかも離婚するとまで言い出した。何とか離婚だけは避けたい。そして両親に賑やかな老後を過ごさせてあげたい。その二つの願いを叶えるために、俺は何をすればいいんだろうか。答えが出ないうちに、ハルナが勝手に両親に離婚の話をしてしまって……?
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ハルナは怒りをたたえつつ静かに言った。「そもそも『そういう性格だから仕方ない』って割り切れるような人間性をお持ちじゃないでしょ。あなたのご両親は」「……どういうこと?」「いちいち常軌を逸しているというか、言葉のチョイスが……」
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「離婚は良くないってアドバイスはしたけど、そんな強い言い方はしてないわよ。お父さん、私そんなこと言ってた?」「忘れちゃったよ〜。ハルナさんはすぐに物事を大げさに考えすぎるから……」するとスマホを取り出したハルナが、音声を再生した。
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いったい俺の何がいけなかっただろうか。俺は皆に幸せになってもらいたかっただけなのに……。ハルナからは「仕方ない」というのは、俺が使う言葉じゃないと言われた。俺は息子だからいいけれど、他人からすれば両親の性格なんて知ったこっちゃない話だったのかもしれない。まるで免罪符のように「仕方ないから我慢してくれ」は傲慢だったかもしれないとようやく気が付いた。
しかし時はすでに遅かった。ハルナは離婚を決意して出て行ってしまった。残されたのは俺と両親だけ。俺はこれからもひとりで両親を支え続けて生きていくしかないのだろうか……。
【第12話】へ続く。
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