予選Q2のユーズドで驚異的な速さを見せたENEOS福住仁嶺、MOTUL千代勝正。決勝は天候が鍵に/第3戦予選

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2024年06月01日 23:20  AUTOSPORT web

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この第3戦鈴鹿で優勝候補筆頭に挙げられるENEOS X PRIME GR Supra
 スーパーGT第3戦鈴鹿サーキット、予選では#37 Deloitte TOM’S GR Supraが見事に今季初ポールポジションを獲得する中、合算タイムでなかなか隠れがちな予選Q2の順位の中で、目を見張る速さを見せたのが福住仁嶺(#14 ENEOS X PRIME GR Supra)、そして2番手タイムを刻んだ千代勝正(#23 MOTUL AUTECH Z)だった。

 合算タイムでは#14 ENEOSは3番手、#23 MOTULは7番手ではあるが、福住は2番手にコンマ5秒差をつけてのトップタイムをマーク、2番手の千代も44kgというGT500で15台中3番目に重いサクセスウエイトを搭載しての2番手タイムは、お見事と言えるリザルトだった。

「一番不安だったのが、今年初めてQ2でユーズドでアタックすることで、どれくらいで攻めればいいのか想像がつかない中での走り始めだったのですけど、あまり大きな変更をすることなく順調に進められました」と、予選Q2を振り返る福住。

 それでも、予選では若干の悔しさが残っているようだ。

「今年、GRスープラに乗り始めて、やっぱりちょっと難しいなと思う部分もある中で、うまく乗りこなせているのかなと感じる部分もあります。今日の予選も、周りのスピンとかを見ていると難しいコンディションだったんだろうなと思いますけど、自分ももう少しまとめられた部分、少し力みすぎた部分もあったのかなと。アタック自体は攻め切ることはできたのですけど、その先のコントロールがもう少し上手くできた部分があったのかなと思います」
 
 今回の鈴鹿、福住はこの合算予選方式になって初めて予選Q2のユーズドでのアタックを担当することになった。

「僕はもともと、どちらでもいいと言っていましたし、その時その時の状況に応じて、うまくアジャストしていければいいかなと思っているので、プレッシャーとかも感じることはなかったですね。今日は比較的リラックスしてアタックできたかなと思っています」

 それでも、ユーズドのアタックではニュータイヤでのアタックと違う難しさがある。

「そうですね。バランスとしては難しい方向に行くと思います。その中でも、今回、完璧なバランスだったかと言えばそうではないですけど、コンディションと用意してくれたタイヤと、うまくマッチしてくれたので、チームに感謝です」と福住。

「明日はもう、無事にレースがしたい(笑)。クルマは速いですし、明日は前からレースができるので、あとは天気次第で難しいレースになると思うのですけど、しぶとく、図太く頑張りたいなと思います」と、決勝に向けての抱負を語った。

◾️鈴鹿でも速かったニッサンZとブリヂストンタイヤのパッケージ

 サクセスウエイト(SW)が重いマシンの中で、今回予選Q2では#3 Niterra MOTUL Zの三宅淳詞(SW54kg)の5番手もお見事だったが、2番手を獲得した#23 モチュールの千代勝正(SW44kg)のアタックも印象的だった。

「ロニー(クインタレッリ)さんのフィードバックを受けて、ウォームアップから自分が思っていた通りにタイヤを温めることができて、1周のアタックに集中してまとめることができたかなと思います」と千代。ただ、千代も若干の悔しさも残るアタックだったようだ。

「セクター3で0.05秒くらい落ちたかなと。自分の中ではスプーンのふたつ目で、ちょっと納得がいく走りができませんでした。完璧なアタックとは言えないけど、そこが決まれば(合算順位で)6位に上がれたかなと(苦笑)」

 MOTUL AUTECH Zは今季からブリヂストンにタイヤメーカーに変わった中で、鈴鹿をしっかりと走り込んだデータが十分ではなかったが、結果として前回の富士同様、鈴鹿でもニッサンZ+ブリヂストン勢は速かった。

「もともと、ウチのクルマはここ数年、鈴鹿で速くて、タイヤメーカーが変わっても、その傾向は継続できているかなと思います。冬場のテストでも調子が良かったので、サクセスウエイトで重くなった分が苦しい部分で、クルマの出来としてはこのコースに合っているんじゃないかなと思います」と千代。

 その千代、振り返れば今季のこれまで自分が走ったセッションの3戦の予選成績は1位、1位、2位。まさに、予選マイスターと呼べる好成績を残している。

「言われてみればそうですね。去年の最終戦も1位だったので、1-1-1-2で打率はかなり高いですね」と笑う千代。

 その予選で好調の要因を聞いてみた。

「とにかく今の予選は一発勝負で、タイヤを保たせないといけないから、2周アタックは行けないので、その1周に集中しないといけない。その1周に懸けて準備をして、あとは走り出したら無心になっている感じですね。今回のアタックでの悔しい0.05秒も、今はそのわずかなタイム差が大きな順位差になる予選なので、なおさらドライバーとしてはそういった部分を重要視して、しっかり準備して来ているつもりです。それが今のところ結果として残せているのは良かったと思います」

 予選での速さは見せたが、さすがにSW44kgでは決勝は厳しい戦いが予想される。そして、日曜の決勝はSW以上に天候がキーポイントとなりそうな気配だ。

「ロングランの感触も悪くないですけど、明日は天候がわからないので、レース前にどれくらい濡れているのか、レースのどのタイミングで雨が上がるのか、それをモニターで確認しながら戦略を立てないと行けない。明日は臨機応変に対応しないといけないレースになると思います」と千代。

 天候が左右するレースも面白そうだが、純粋にこの予選順位でのガチンコの決勝レースも見てみたい。予選マイスターたちの決勝は果たしてどのような展開になるのだろうか。

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