男性社会だった大衆演劇界の女性スター 男役を演じる苦労も「母の時代は本当に大変だったと聞きます」

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2024年06月04日 07:00  まいどなニュース

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大衆演劇劇団・小林劇団の小林真佐美が5月15日、大阪市西成区のオーエス劇場で副座長昇進記念公演を開催した。

【写真】男役を演じると…妖艶な魅力が

長らく男性中心の世界だった大衆演劇だが、近年では女性のスター俳優もちらほら現れている。今回、晴れの舞台に立った小林真佐美もその一人。

どこかマニッシュな風貌と華やかな立ち回りで十代から注目され、一時は業界一のアクセス数を誇る人気ブロガーに。2017年にリリースしたデビューシングル「よせよ」はスマッシュヒットを記録した。

記念公演での演技や舞踊ショーも堂々としたもの。大衆演劇を代表するスター座長たちを相手に一歩も引かず渡り合う姿は、見ていて息を飲むほどだ。公演後の彼女に話を聞いた。

ーー記念公演やり終えていかがでしたか。

真佐美:とりあえず無事に終わってホッとしています(笑)。尊敬するメンバーに囲まれ、また大勢のお客様にお越しいただくことができ本当に嬉しかったです。

ーー副座長昇進の経緯は?

真佐美:母(前座長の小林真弓)が「そろそろいいんじゃないか」ということで判断してくれました。私としても責任ある立場でやっていきたいという思いがあったので、昇進を知らされた時は嬉しかったです。

ーー大衆演劇の世界で女性俳優が活躍することに難しさはありませんか?

真佐美:母の時代は本当に大変だったと聞きます。男社会ですもんね。でも私は男も女も関係ないという思いでやっていますし、最近はいろんな女性俳優が頑張っています。性別を理由に嫌な目にあうということは減っているんじゃないでしょうか。意識は確実に変わっていると思います。

ただ、立役(男役)をするにあたって体格や声質で苦労をすることはあります。男性なら普通にこなせることを、相当工夫してカバーしなければならないので、ハンディはあるんじゃないでしょうか。

ーー真佐美さんの場合、女性が男性を演じる独特の魅力もあると思います。

真佐美:宝塚歌劇が好きというファンの方は一定数いらっしゃいますね。実はあまり詳しくないんですが(笑)。自分ならではの良さがあると信じて頑張っていきます。

ーー真佐美さんは今、3歳のお子さんの母。お母さんになって心境の変化はありますか?

真佐美:人に優しくしたい、人の気持ちを理解したいと思うようになりました。これまで自分優先だったので(笑)。あと子供が出てくるお芝居への感情移入もより強くなりました。なにごとも経験ですね。

ーー副座長としてこれからの目標は?

真佐美:座員を導く立場になるので、人としてもっと成長したいですね。そして兄たちと一緒に小林劇団、大衆演劇を盛り上げていきたいです。

◇ ◇

小林真佐美ら小林劇団は6月は静岡県掛川市の掛川蓬莱座で公演。伝統に甘んじない現在進行形のパワフルな大衆演劇をぜひ多くの方にご覧いただきたいと思う。

小林真佐美(こばやし・まさみ)プロフィール
大衆演劇女優、歌手
1993年12月19日生まれ、愛媛県出身

旅回りの大衆演劇劇団「小林劇団」の長女として生まれ育つ。独特のポップで瑞々しい感性が演劇ファンに注目され、2017年にはシングル「よせよ」で歌手デビュー。今年5月、副座長に就任し兄たちと共に劇団を支えている。

(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)

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